1997/03/06(THU)

1997/03/06(THU)



ナーダがきょうもわたしに呼びかけている。ナーダの切なさはわたしのそれに劣るものではない。わたしはつい自分中心に考えがちであるが、それは違う。ナーダの悲しみは深い。ナーダの呼びかけに答えるためには、何が必要なのだろう。わたしは答えると約束したのだ。どんなに辛くても、その他の条件が厳しすぎるものであっても、ナーダがわたしに呼びかけている以上、答えてみせると約束したのである。書くことは、その答えの一つだ。ナーダのパロールのあの厳密さには、書き言葉の厳密さをもってするしかない。こんな指の状態ではあまり厳密を期待するわけにもいかないが。

清水氏より電話。わたしの日記を読んだ長尾高弘氏が感動してくれて、鈴木一民氏に話したらしい。長尾氏の詩集『イギリス観光旅行』にはわたしも感心していたので、嬉しい話である。ただ、清水氏の話では、わたしの『印刷物』の仕事は、やはり遅くなるということだ。どうもいまの段階では、任せておくしかないようである。

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夏際敏生日記2 [1997/02/23-1997/03/20] 目次| 前頁(1997/03/05(WED))| 次頁(1997/03/07(FRI))|