出塞(涼州詞)----王之渙

王之渙(688〜742)生没は定かではないが、盛唐の詩人、王昌齢・高適とともに料亭で酒を飲みながら、
このうちの誰が人気があるかと若い芸妓が歌い出す詩で優劣を競った逸話がある。最初に唄い出した
詩 は「寒雨連江・・」と、次は高適の「開篋涙沾臆・・」次は王昌齢の「奉帚平明金殿・・」となかなか 王之渙
の詩が出てこない。そこで、王之渙が一番美しい芸妓の歌に全てを賭けたところ可愛らしく唄い 出した詩
がこの「黄河遠上白雲・・」とか。やっと溜飲を下げ、また三人心地よく痛飲したとのこと。                  
黄河の上流、遥か白雲の彼方の、高い山の頂にポツンと玉門関の孤城が置かれている。
羌族の奏でる折楊柳の笛の音は、出征した時の別れの気持ちを切なく誘うが、どうして悲しんでおられようか
その玉門関は、春が訪れて柳が芽吹くことも無い、荒涼たる砂漠の辺境にあるのだから。
田辺師範の吟詠をお聞きください。
(練習会の一節づつの吟を繋ぎ合わせています。練習用にダウンロードしてください。)



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中国の漢詩欄に解説があります。