カーナビ普及のおかげで、その存在を知らない人はいないんじゃないかなぁーって感じになったGPS。でも、どうやって自分の所在を正確に測位しているんでしょう? 地球を周回しているGPS衛星からの電波をいくつか受信して位置を表示しているんでしょうけど。って、たいていの人は答えられると思いますが。GPSが登場する前って、どうやっていたんでしょう?
ぴょん吉なりにまとめてみました。
◆GPS登場以前−その1−(地上基地局を使ったもの)
無線通信技術の発展とともに、電波を利用した測位システムが発明されました。第二次世界大戦中に発明されたレーダーはその代表例ですね。電波航法システムとしては、デッカ(DECCA)、ロラン(LORAN)が中波帯のちょっと上(1.8MHzアマチュアバンド付近)で、航空無線標識局(ビーコン)は長波帯で運用されています。あと、全世界をカバーするオメガ(OMEGA)っていうシステムが1970年代から運用されています。
(他にもいくつかあるようですけど)
◆GPS登場以前−その2−(人工衛星を使ったもの)
GPS衛星が登場する前にも、人工衛星を利用した測位システムがありました。
NNSS(Navy Navigation Satellite
System)というもので、150MHz帯、400MHz帯の送信機が衛星に搭載され、約1,000kmの極・円軌道を周期約100分で周回。NNSS衛星から送信される電波を受信するときのドップラー効果(近づくときは周波数が高くなり、遠ざかるときは低くなること)を利用。その変化を測定し、衛星軌道からの距離計算を数回繰り返すことで測位していました。
しかし、NNSS衛星の数が少なかったこと、被測定物が移動すると測定精度が劣化するという欠点がありました。静止している場合の精度は、100m位まであげることは可能だったようです。
◆GPSとは?
GPSは、米国国防総省(DOD)が推進、米空軍が運用しています。NAVSTAR(NAVigation
System with Time And
Ranging)と呼ばれています。ちなみに、ロシアでもGLONASSという類似システムがあります。
GPSは、DODからIOC(Initial Operational
Capability)が発表され、民間ではSPS(Standard Positioning
Service)が使用可能になっています。衛星にはルビジウム/セシウムを使った原子時計が搭載されています。GPS衛星の高精度は、これで保証されているのですが、原子時計の寿命は約7年といわれており、これが衛星の寿命ということでもあります。現在軌道上には、予備も含め27個の衛星が稼働中です。
衛星は、高度約20,000km、軌道半径が約26,000kmの6つの円軌道上に投入されています。日本では、常時6、7個が受信できる状態にあります。
◆GPSの周波数と電波方式
民生向けに使われているGPSの周波数(軍事用は別らしい)は、1575.42MHzです。1.5GHz帯の携帯電話と周波数が近いので、相互の干渉を避けるためにGPSアンテナと携帯電話は離して使ったほうがいいでしょうね(最近のGPS機器には、携帯電話の周波数をトラップするフィルターを搭載するなど工夫しているようですが)。あと、430MHz帯アマチュア無線機からの影響(送信はあまり影響ないそうですが、受信I/F回路からの漏れ電波の影響でGPS受信がうまくいかないという)の話しがあるそうです。念には念を入れ、なるべく離して運用したほうがよさそうですね。
周波数占有帯域幅は2.046MHz。ちなみにGPS衛星は、すべて同じ周波数で送信しています。なんでこんなに広い周波数を使っているのか、そして同じ周波数を使っていて混信しないかっていうと、スペクトラム拡散変調方式というものを採用しているからなのです。
スペクトラム拡散変調方式(SS:Spread Spectrum
modulation)は、秘話性に優れていることから軍事目的に開発されました。疑似雑音符号(PRN:Pseudo
Random Noise
code)によって原信号を広帯域に拡散して送信する方式です。疑似雑音符号が一致しない限り復調できず、普通に聞く分にはノイズでしかありません。この方式の良いところは、それぞれの衛星からの信号を独立したデータとして通信することができることです。
GPS衛星では、PRNにC/A(Clear and AcquisitionまたはCoarse and
Access)コードと呼ばれる符号を使用して1,023チップ(繰り返し周期)に拡散されています。GPS衛星の番号は、打ち上げ順や製造番号順の他、PRNの番号で呼ばれることもあります。