パラグライダーって、風がないと飛べないし強すぎても飛べないんです。じゃぁーどのくらいのど強風のなかでも飛べるのか、結果的にそんなアホな限界に挑むことになってしまったことが昔ありました。1999年6月6日(日)、晴天のグランボレでの話し。(今回は文字が多いかも)
この日の午前中は穏やかなサーマルコンディション。サーマルソアリングの練習にはうってつけ。ピーク約1,200mゲインした人もいたそうです。ぴょん吉が会長をやっている倶楽部ボンボレ(毎年8月に仮装フライト大会を主催していることでそこそこ有名)主催のターゲット大会を行っていて、午前中はぴょん吉が、ランディングで採点係をやっていました。お昼頃採点係を交代してもらいテイクオフに。
いつものようにビデオ空撮の準備をして、テイクオフしたのが12:37。テイクオフ先のミッドラン付近でサーマルをゲットし、トップアウトするまで約10分。あがりはじめるとひょいって感じでぐいぐいあがるんですけど、そうなるまでにちょいとばかり時間がかかることが多くなっていたその頃のぴょん吉(うん?今もそうだっけ?)。風は強めになっているものの、にっちもさっちもいかないというところまでこの時はひどくなっていませんでしたね。

あまり高度を上げ過ぎると、吹き抜けにはまって身動きとれなくなるのも困りもんだしと、テイクオフ比約400m程度を上限として、テイクオフとミッドランあたりの直径数百mを飛んでいるというよりふわふわ浮いていました。リッジコンディションは景色の変化も少ないので、いつものビデオ空撮もはしょってばかり。風力があがってきたため講習生のフライトはストップ。パイロット数機だけでのリッジソアリングで飛びながらすることっていったら、、、そう、フォローの風に乗ってどのくらいスピードが出るんかい?って。
グランボレのテイクオフから正面の関越道までは約1.5km。ハーフアクセルくらいでそろりそろりと関越道へ進出。高度もあまりロスしないで関越道を越えたあたりで、くるっと向きをテイクオフへ。対地10km/h位だった速度が、ぐいっと加速。瞬く間にGPSの速度表示は60km/hを突破。個人的には以前70km/h以上を出したことがあるけど。結構スリルありますね、強めの風のなかでしかもフォローを背負うのって。
14時頃(テイクオフしてから約1時間半)、「ランディングの風が強くなってきて降り難くなっているよん」って無線。『そうだ、今日はターゲット大会やっているんだよね。こんな風じゃ講習生には無理だし、午前中の結果でお終いかぁー。でもさぁー、こんな風のときに降りるのはいやだから、風力が落ちるか安定するまで上空で飛んでいたほうがましだよな。』と、マイナス思考ともプラス思考ともつかないことを考えつつ飛んでいたぴょん吉。
15時を過ぎても風は収まる気配なし、テイクオフやミッドランあたりの木々の葉っぱは裏返って白っぽくなっている始末。さっきまで上空にいた数機は、強風を嫌って無理矢理ランディング。結構スリル満点、はらはらドキドキのランディングだった人もいたらしい。お空に残っているのはぴょん吉と、グランボレでピカ一の滞空時間を誇るO部氏(最近はスカイパーク宇都宮でもがんばっているらしい)の二人だけ。


15:12頃、数回目の関越道→テイクオフを終え、テイクオフ真上で向きを変えたら、
「あれれっ?」 ぴたっとテイクオフ真上でホバリング。いや、ホバリングならまだいいんだけどなんかバックしているみたい。GPSは4km/hと表示しているんだけど、進行方向が逆向きを指しているじゃない。あはは、やっぱテイクオフ真上でバックかいな。テイクオフにいる連中は、ぴょん吉機を指差しながら見上げている。あーあー、はまっちゃったねって感じで。

いきなりフルアクセルまで踏み込むのは潰れが怖いしと、ハーフアクセルで前に出せるかなと思ったけど、やっぱりバックする。それならと両翼端折りプラスハーフアクセルをやったけど、翼端折りで空気抵抗が増えちゃうためか、よけいにバックする始末。けど、若干高度が下がったので前に出しやすくなったみたい。そろりそろりと、翼を潰さないようにアクセルを踏み込んで強風に対抗。やっとのことでフルアクセル近くまで踏み込んで、確実に前に出るようになるまでに約8分くらいかかったかなぁ。


15:24頃、テイクオフ上空にはまって約12分経過後、
ようやくテイクオフを後ろに振り返ることができてほっと一息。いやー、冷や冷やもんでした。一年前1998.3半ば頃、約1,400mゲインできたものの南風強風にはまって三峰に戻れず、約4km離れたサラダパーク近くの田んぼ迄バッククロカンしたときのことを思いだしちゃいました。あの時はスポーツ機A6vtだったっけ。
一応当面の危機を脱することはできたけど、ランディング近辺は立ち上げ練習もできないくらい荒れ荒れらしい。仕方なくテイクオフ前とミッドランあたりでぷかぷか。17時近くになって上空の風力は落ちてきて、葉っぱの裏返りも少なくなってきたし、スパイラルぽいことをしても流されることもなくなってきたし、ということでランディングアプローチに入ったのが17時半近くになってからのこと。もう4時間以上飛んでいたのね。
弱くなったとは言え、まだそこそこの風が吹いているし、あと高度50m位だというのにサーマルに弄ばれ、なかなかファイナルアプローチに入れない。グライドパスはランディングのターゲット付近に乗っているのにさ・・・。あともうちょいってところで、息つぎする風がぽんって来てぴょん吉のオメガ4がバックしてジ・エンド。ぴょん吉はランディング脇のNAPA(なっぱ)農園の畑の隅っこに。。。

さてさて、テイクオフ真上ではまった時って、どのくらいの風が吹いていたんしょうね? ハーフアクセルで微速バック、フルアクセルで辛うじて前に進めて、フォローを背負ってテイクオフに向かっている時がノンアクセルでGPS計測約60km/hだったんだから。。。15m/s以上、もしかして20m/s位あったんでしょうかね〜。おー、こわ。
今振り返ると、このアホなフライトが、ぴょん吉のオメガ4での最長滞空時間記録なんだよね。
【フライトデータ等】
・1999年6月6日(日) グランボレ三峰(群馬県)
・気象状況:晴/雲量5程度
・テイクオフ:12:37 ランディング:17:34 4時間57分フライト
・最高獲得高度 海抜1,315m(グランボレテイクオフ比395mゲイン)
・最大上昇率 +4.3m/s
・ADVANCE OMEGA4 28[Fire](ニックネーム「ふじこちゃん」)
・装備総重量:105kgの上限に対し推定約100kgでフライト
・ビデオ機器:SONY CCD-MC10+CCD-TR3300/SONY P6-120HHG3
(この日の写真空撮はほとんどしていない。)
●テイクオフ上空にはまった時刻 15:12頃から15:24頃までの約12分間
追補:なお、このフライト記は、日刊スポーツ「パラグライダー」のコーナー、『サラリーマン墜落隊』の元ネタでもあります。
ぴょん吉のFlight
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