【踊り倒した後はしっとりと】


 今やったのは『SOUL SNAKE』といいまして、米米CLUBの一番売れなかったアルバム『H2O』に入っている曲です。今年は蛇年ということで、ただそれだけの理由でやってみたんですけれどもね(客:笑い)。

 今年は初めからいやな事件が続きましたね。そうそう、今日ヘリコプターとセスナが衝突して墜落したんですって。みなさん知ってますか?(5/19 国際フォーラム) もうねぇ、しょっぱなから潜水艦でしょ?本当に変な事件が多いですよね。

 小泉さんが総理大臣になって、ねぇ、あのパーマがまた…。CMまで作っちゃってね、大好きなX JAPANの♪フォーエバラーブ〜(歌まね&顔まね)、とか使っちゃってね。

 ここからはもうすごいです。チケット代の4/5はここにかかっていますからね。みなさんのチケットが6千いくらでございますから、4/5というと…たいへんなわけでございます(客:笑い)。

 ここからの3曲はすごい、みなさんも心して踊っていただきたい訳なんですが…

  (最終公演からずいぶん日がたち、記憶が断片的にしか残っていません、ごめんなさい)

 で怒濤のダンス曲【興奮BEAUTIFUL】【HIP SHAKE!】【壮絶夜舞酒家】へ。客電も薄くつき場内は踊るわ揺れるわ大騒ぎ。特筆すべきは『HIP SHAKE!』(in 神奈川県民ホール 4/22)でのテラシーのギターソロ! ギターをひと弾きし、その後はその残響音(?)のみでの演奏(左手での微調整あり)。ついには階段上でギターを下ろし(残響音は続いている)、ダンサーと共に踊り出すパフォーマンスに、場内大興奮!! アドレナリンを放出しきったところで本編終了。

  そしてエンジェルショウタイム。いつものように懐中電灯を携えてのメンバー登場。テツ総督は、黄色の着物地とおぼしき上着に黒袴姿、いつもの天使の羽根の背中は○天マークではなく、ゼーラー印(ゼーラーバッチの意匠)で登場。歌われたのは【あなたへ(新曲)】。ピアノのイントロにカモメの声がかぶさり、続いてコンガ、ギターがインサート。あくまで静かな歌い出しに客席もうっとり。

 歌詞は、以前別れた恋人へ向けて書きつづった手紙のよう。紫に沈むステージに、心持ち斜めに差すオレンジのピンスポット。間奏部分からはセットの窓にも黄色い明かりがつき、なんとはなしに夕暮れ時を感じさせる。(5月からは、途中参加したフラッシュ金子のソプラノサックスソロも聴かれた)

 あくまでしっとりと歌い上げ、ゆっくりと下手へ、そして客席に向かってお辞儀をしたあと、なぜか向こうを向いて横歩きでつるる〜と退場していった(5/19 国際フォーラム)。

 
【プレミアムショウタイムは米米メドレー】


 いつものイントロに乗ってメンバー登場、メンバー紹介の際、一人一人に『○○省 △△大臣』などの肩書きかつく(例:歌声省歌声大使ハルミ、踊り省最高司令官コータロー等々)。

 全員揃ったところでシンセサイザーの和音が流れ、次いでドラムのフィルイン。同時に下手からタツノオトシゴ(通称:たっつぁん)にまたがったテツ総督が【Simple Mind】を歌いながら登場。場内はわれんばかりの歓声につつまれた。今回の米米メドレーはバラード集だ。

 次いで【Trouble Fish】を熱唱(4/19 NHKホール、5/16 大阪フェスティバルホール、5/19,20 国際フォーラムの3会場では、オリジナル通りフラッシュ金子のサックスイントロを聴くことができた)。神奈川県民ホールあたりから、たっつぁんの首が死角になって見えない客のために、左右にひょこひょこ首を伸ばして歌う。

 2曲終わってたっつぁんを降りるテツ総督、床に足がついて安心した瞬間マイクをたっつぁんにぶつける(4/19 NHKホール)。次の【STAY】のイントロでは、正面奥へとひっこんでいくたっつぁんを追うようにゆっくりと奧へ。歌が始まると同時に客席を振り返り♪振り向いた〜、客大喜び。続いての【愛は続いてる】で初めてダンサー登場。♪夢の夢の夢のなかで〜、で両手を回すフリ、でもオリジナルよりもかなり簡略化されている(笑)。

 そして問題(?)の1曲【Beautiful】へ。初回からのリピーターにしかわからないが、この曲のパフォーマンスはどんどんと発展を遂げていったのだった。米米解散コンサート『ラスト・シンポジウム』をごらんになった方はおわかりだろうが、かっこよさと紙一重の、あの一線を越えてしまったパフォーマンス、あの片鱗が、日を追うごとにどんどん引き出されてくるのがおもしろく、毎回どうなるのだろうと期待しながら見てしまった。

 ターニングポイントは神奈川県民ホール(4/22)あたりであったのではなかろうか? あの日の客のノリ、彼が右を向けば右側がキャー、左を向けば左側がキャー、この見事なまでの連係プレー、誘導尋問(?)がその後のこの曲の方向を決めていった気がする。

 最終形態は5/20の国際フォーラムでいかんなく発揮された。曲の始まりではハンディカメラをひとりじめ(カメラさんが方向を変えようとするとその動きに追従するためとうとう1周してしまった)し、サビでは下手側で客を惹きつけ、手にしたバラ(マリーザから受け取った)を投げ、上手へ走るとひざまづいて客にアピールする。もちろん客はわきかえる。すばらしいパフォーマンスであった。

 おっと、この曲ではマリーザひとりがダンサーとして登場、コータローはお休みか?と思っていたら、終わりの方で階段上のポッドのところに登場、球面のガラスのところにへばりついて腰をグラインドさせる、というパフォーマンスを見せてくれた(笑)。

 そして【ORION】へ。オリジナルと異なる振り付けのため、混乱する客も散見された。ここのつなぎで段取りを間違える人約1名(笑)、むろんそれはテツ。曲の終わりでダッシュして階段踊り場まであがる、が次の瞬間ダッシュで降りる(4/22 神奈川)。なにごともなかったように…とはいかず曲の途中で吹き出してしまった。

 メドレーラストは【今夜はフル回転】(本来ならここでテツ総督は踊り場まであがり、ダンサー2名はフロアで踊るという段取りのはずだった)。これもアップテンポの踊れる曲、しかしやはりオリジナルとは異なる振り付けのため、そこここでオリジナルの振り付けで踊る客が見られた。

 そしていつものようにラストは【SHOW ME】。客電もつき明るい中でのラスト曲、いつもおきまりの、だからこそうれしくて悲しい1曲。なのだが…ここでもかましてくれる。コータローの倒れ込むフリ(演奏者全員がコータローのフリを真似することになっている)を見つけたテツ、「なにやってんだよ、歌詞忘れちゃったじゃないか!」

 もともとはどうも仙台公演あたりで始まったらしい。偶然目にしたコータローのコケに動揺し歌詞が吹っ飛んだ。そこから徐々に段取り化(笑い)し、結局ラスト近くまで続いた。

 エンディングは一度幕がおり、再びあがるとメンバー全員が階段に2列で並んでいる。そこに最上段のテツ総督が降りてきて、下手に一礼、上手に一礼、そして正面に一礼、と芝居のカーテンコールにも似た演出が施されていた。

 本来なら『SHOW ME』がラストだが、4/13(北海道)と4/20(NHKホール), 5/16(大阪), 19,20(東京),26(大阪、最終公演)ではこのあとさらに【道はある(新曲)】が演奏された。

 さらに大阪最終公演(5/26)は【愛秋(新曲)】が披露され、さらに観客の要求に応えて【壮絶夜舞酒家】が〆の1曲となったということである。


【補足:ゲスト?メンバー?】


 今回のツアーはあちこちでゲスト、というかメンバーというか(困惑)が多数出演してくれた。

 まずは佐々木恵一氏。仙台のDate FMでパーソナリティを務める彼は、石井氏とは古くからの友人であるという。その彼が今回石井ビューチーの毒牙にかかり(失礼)、ZERO CITYのナレーション(録音)を担当したところから話が始まった。

 これで終わりかと思いきや、ZERO CITY仙台公演では、お膝元ということもあってか、開演前の注意事項(レポートパート1参照)の放送や、セレモニストとしての出演を果たすこととなった。

 これに味をしめたか(失礼)石井氏、いつのまにやら佐々木氏をメンバーに引っ張り込む。佐々木氏はこれ以降、公演日が土日で出演可能な日には、全日セレモニストを務めるという、ある意味過酷な生活を余儀なくされた(笑)。さらにセレモニスト登場の演出はどんどん過激になり、奴隷(というかボディガード?)を引き連れ、腰には謎の女性がぶら下がるという華々しい登場をすることとなっていった。

 しかし彼の登場によって各会場が大いに盛り上がったことも事実で、これによって全国各地に『佐々木フランチェスコ』ファンを増やしていくことになった。

 続いてはフラッシュ金子こと金子隆博氏。最初の登場は4/19のNHKホールで、ゲストとしてMINAKO & THE GIRLS BROTHERSとしてオープニングアクトを務め、その後のプレミアムショウタイムで、米米メドレーのサックスを担当した(このときの客の反応たるや…)。

 その後5/16の大阪公演から正式ゼーラーとして参加(衣装もあった)し、以降4公演にわたってホーンを担当した。それも『ディスコ・トムガ』の4曲を除きフル出演というすばらしさで、途中参加とは思えぬ演奏を聴かせてくれた。テナーサックス、ソプラノサックス、フルートと持ち替えしながらの演奏は「さすが!」と言うほかなく、この4公演に参加できた観客は幸運だったと言えるだろう。

 このほかにも石井氏が楽曲を提供したというLINDAの2人(4/20 NHKホール)、近田潔人氏(4/19 NHKホール)、MINAKO嬢(4/19 NHK, 4/28 福岡サンパレス)、フラッシュバックス(4/28 福岡)の皆さん(FM福岡でパーソナリティを務める方々の企画モノユニット)などなど、各地でさまざまな人を引っ張り込むという暴挙(失礼)ぶりで、ご当地ネタには事欠かないツアーであった。

 あなたのご覧になったZERO CITYには、いったいどなたが出ていましたか?


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