大江戸ウインドオーケストラ探検記
去る2月24日、東京芸術劇場というすっげぇところで行われたこの企画。クラシックからジャズ、ロック畑まで、プロとして活躍する吹奏楽器奏者たちが一堂に会するというもの。第1部はブラバンやってた人ならダレでも知ってるクラシック、第2部はお得意のジャズ、ロック、ラテンのメドレー。どういう状態だったか雰囲気だけでもどうぞ。

プログラム
第1部:クラシック
音楽祭のプレリュード (A Festival Prelude)
Alfred Reed (comp.)
トロンボーン協奏曲 (Concerto For Trombone And Band)
Rimsky Korsakov (comp.)/ Walter Nallin (arr.)/ Davis Shuman (solo trb. edit)
吹奏楽のための組曲第一番 (First Suite in E-flat, Op.28, No.1)
Gustav Holst (comp.)/ Boosey & Hawkes Q.M.B. (edit)
第2部:ポップス
アフリカン・シンフォニー (African Symphony)
Van McCoy (comp.)/ N.Iwai (arr.)
ディスコ・キッド (Disco Kid)
Osamu Shoji (comp.)
”ラテン”メドレー (Latin Medley)
OYE COMO VA~ Tito Puente (comp.)
EL CUMANCHERO Rafael Hernamdez (comp.)
”パット・メセニー”メドレー(Pat Metheny Medley)
HAVE YOU HEARD ~ BEAT '70 ~ THE FIRST CIRCLE ~ DREAM OF THE RETURN ~ MINUANO Pat Metheny (comp.) H.Nakaji (arr.)
ENCORE
ジャコ・パストリアス
リバティシティ
サンダーバード

行って参りました、東京芸術劇場まで。行ってみて「しまった!」と思ったのはホールが思いっきりコンサートホールだったから。外見もガラス張りのおおきなもので、中に入ってみるとエントランスは3階分くらいの吹き抜けで大江戸の催される大ホールはエスカレーターの上(これがまた、京葉線東京駅ぐらいあるえらく長いもの。金かかってんぞ)。ホールの入り口を入ると、客席はさらにエスカレーターをひとつ上ったところにある(さて、私は何階上ったでせう)、はぁ。
ホールん中もすっげぇ・・・ステージ奥が硝子になっていて中庭がみえる。ステージ上方にはおっきなパイプオルガン・・・なんか間違ったとこきちゃった感じ。普段はチケットが何万円もするクラシックのコンサートなんかやってんだろーなー? 客層は・・・思ったより若い人が多い。でもおじさんも多い。米カンケイは十分の一くらい?
オーケストラの面々が入ってくると期せずして起こる笑い声が・・・全員黒のスーツやモーニング姿なんだけど、アタマの赤い人や黄色いひと(オリタさん)、真ん中にしか髪の毛のない人たちが入って来るんだから当たり前。超個人的だけど、筆者は近藤和彦さん(TITI-HAHAのときのビューティ近藤さんです)のスーツが思いっきり「借り物」なのにウケてしまった。だって、2人入りそうなぐらいブカブカなんだもん!
メンバーはクラシック畑の人とジャズ&ロック畑の人が半々くらいか。オーボエやアルトクラリネット、バストロンボーンなんて普段はあまりお目にかからない楽器陣にクラシック畑の人が多いみたい。
密やかな笑い声に迎えられて入場したあとは、クラシックの演奏。やっぱウマイわ。でも筆者は席的には近すぎてドツボ。目の高さにクラリネットの人がいて、奥にいる金管のひとたちが隠れちゃってるし(わかばさんも下神さんもみえんかった)、クラリネットをはじめとする木管陣の音はまとまる前のが聴こえるし、トランペットの音はアタマの上を通り過ぎて行くし・・・やっぱ真ん中より後ろがよかったよ。

1曲目(音楽祭のプレリュード)は、知り合いのブラバン時代の課題曲だったらしい。確かに聴いたことがある。
2曲目(トロンボーン協奏曲)はこの企画をプロデュースした中路さんのトロンボーンソロ曲。
・・緊張した、ホント。ドキドキドキドキ・・・自分が吹いてるような気になってしまった。最後のソロの後半、いきなり音がスイングし始めたのには2度びっくり! ジャズっぽくなると安心して聴けるのはやっぱりキャリアのせい? 打ち合わせにあったのかなかったのか、指揮者の人がジャズになったとたんニヤリとしたのが印象的だった。
3曲目(吹奏楽のための組曲第一番)は結構有名な曲で、ブラバンやったことのある人ならダレでも知ってるんじゃないかな? かく言う筆者もやった記憶がある。うまさでは比較にならないケド。
で、1部終了。2部開始までしばし休憩。この間ステージにドラムセットとティンバレスなど打楽器が運び込まれる。同時にベースとアンプも。席は1部の時と変わらず指揮者席を中心に円弧を描いて配置されているのに、真ん中付近にドラムが配置されてるってなんか不思議な光景でした。

はてさて、全員衣装を着替えての登場・・・でもクラリネット陣は相変わらずクラリネットを携えている(ぢつはクラリネットやってる人の多くはサックスプレーヤーだったりするのでした)。最後まで持ち替え状態なんだね。
2部の衣装はそれぞれに個性的。アタマと着てるものがようやく合致したって感じの人も・・・オリタさんとかね・・・そそ、下神さんの衣装はなんとTLSで着たショッキングピンクのスーツでした(目立ってた)。さらに隣がビブラストーンのYOKANさんで、こっちは黄緑色のふわふわニットにぴったりパンツだもんだから・・・下手奥がなんだかまぶしい(笑)。
そそ、ホルンの人が2人いたんだけど、この人たちもただ者ではない! だって首から下は1部の時と一緒のモーニング姿なんだけど、野球帽みたいなのやベレーみたいなのかぶってんだもん、すっげーバランスわりー。ケドかわいかった。
2部1曲めは「アフリカン・シンフォニー」・・・元デラルスの大儀見元さんのティンバレスばっしばし、とばすとばす・・・でも観客はさっきとのギャップが・・・年輩の方々が固まってました。
2曲目「ディスコ・キッド」で、主賓の村上”ポンタ”秀一さん登場!! やったぁ! ピシピシキマるドラムソロに感激。でもコンサートホールって残響音が長く作られてるからチョット聴きづらかったな。
2部では指揮者のひとは半分用なし状態らしく、アタマのところ「ワン・トゥー・ワントゥスリーフォー」ってあわせるぐらいしかアクションがなくて・・・とくにドラムソロなんて居場所に困ってたみたい。コンサートマスターの隣で所在無げにしてた。ときどきステップを踏みそうになるんだけど、ちょっと恥ずかしそうで筆者は「踊れ踊れぇ」と念じてしまった(笑)。やっぱお米に毒されてるかなぁ?
3曲目「ラテンメドレー」も涙ちょちょギレもの。3連のリズムがこんなに快感だとは。クラリネット陣ががんばってた(音がかき消されそうになってたけど)。
4曲目「パットメセニーメドレー」もお懐かしやって感じ。後半ステージのほとんど全員が客席に降りてきて、各人バラバラにソロ吹きまくったのにはびっくり&らっきぃ! 通路側に陣取っていた筆者はもーうれしくてうれしくて。
あ、わかばさんだ、わ、下神さんだ、いま通ったのなんて人だっけ・・・ぐるぐる・・ちなみにシモガミさんは最後の方になって楽器吹かずにぴょんぴょん跳んで戻っていきました、相変わらずひょーきんだわ。
ここで中路さんからメンバー全員の紹介がありました。名前をコールするだけなんだけど、これがおもしろかった。とくにトランペット陣が。YOKANさんが楽器に指を引っかけてぐるぐる回してる(きゃーの声アリ)かと思うと、シモちゃんが隣で(両手で)楽器を横にぐりぐり回してるし、モヒカンのおじさん(木幡さんってひと)もオドケてるし・・・総じてクラシック畑の人はおとなしかったな。「なんかやってー」とか思ったケド(爆)。

あーもー終わりぃ・・・絶対アンコールやってもらうもんね!と必死に手を叩き続けること数分。やってくれました「ジャコ・パストリアス」。もー立ちたいよー、おどりたいよー! でもダレもやってないよー。
あーん、ダメダメまだやって・・・手が真っ赤になるほど拍手して、またまた指揮者を呼び出してしまう・・・アンコール2曲目は「リバティシティ」・・・ポンタさぁん! シモちゃぁん!(見えないけど)わかばさぁん(全然見えないけど)、オリタさぁん(遠いんだけど)と心の中で唱えつつじっと我慢で座り続ける・・・ツライ。
うー、絶対ぜったいもー1曲やってもらうかんね!! すでにだるくなってきてる手を更に強く叩く、指揮者が何度もカーテンコールに出てくる。もー1曲やってくれるまでやめないもん! ぜったいやってもらうもん!!
おぉ、指揮者がポジションについた! 「ジャーン」・・・こ、これは懐かしの「サンダーバード」ではないか!! 狂喜乱舞状態、前後見境なし、理性ブッ飛び。ほとんどナニも覚えてない・・・でもこの後1週間以上筆者のアタマの中をサンダーバードがぐるぐるしてたって言えばどんなだったかわかるよね。
やっぱ音の厚みがある分、原曲にいちばん近かったのではなかろーか? サンダーバード世代の筆者は超まんぞくでした。
(蛇足)
筆者が推理するに、これってわかばさん織田さん下神さんラインから提案されたもんじゃなかろーか? BHBでもやったし、そのたのセッションでもBHBメンバーが絡んでるところで耳にしたし、絶対そうだと思うんだ。