Tatuya Ishii Concert Tour 2002
"NYLON CLUB" -Live Report-
一気に明るくなったステージに笠木さん登場、黒のぴったりラインの衣装で赤のカマーバンドが利いている。頭にはつば広の帽子、手には真っ赤な握りの黒のステッキ、袖の部分がひらひらしていてちょっとメキシカン? そのままイントロが始まった。曲は【ありふれた話】。
イントロ中、上手階段上にダンサー登場、赤に黒のカマーバンド、ボ−カルと逆の配色だ。1番のアタマのところで椅子を使ったダンスを披露、サビの♪One night,
one loveではピーストルを活用したダンス、♪One〜で手をクロス、♪nightで手を下ろし、トランペットの♪チャーラ、で右手を振り下ろす。次も♪One〜で手をクロス、♪loveで上半身だけ左向きに縮め、♪チャーラで反動を利用して右側へ、という動きだった。もちろん場内全体でもピーストルを使ってまね、さまざまな光が同じ弧を描いて動きとてもきれいだった。
(NHKホールのときだけ、石井の登場が異なっていた。AQIツアーでマリーザが使っていた鳥かごに乗って登場し、1番アタマをその中で歌った)
次は【SUMMER ENDS】、ダンサーの振り付けはSPACE HAWAIAN SHOWでコータロー&マリーザが踊っていたのと同じだと思われる。サビの♪Oh,
I love you so muchからの両手をひらひらさせる動きに客席も同調。曲自体もリズミカルで軽い感じに仕上がっていた。
(最終日神戸では、ここでもコワレたびゅーちーが腰を過剰なまでにグラインドさせて歌っていたのが印象的だった-笑)
ノンストップで続くのは【激痛】、フロント3人ともマラカスを持って踊る。あまりに印象的だったのは♪Opa Opa Opa〜のフリ、ダンサーは左手をアタマ、右手をアタマ、両手をアタマの順にへっぴり腰でポーズをつける。歌っている石井はマラカスを持った左手をおしり(お尻を突き出す)→胸(ちょっとブリッコ?)→アタマ(マラカスを頭の上に立てる感じ)の順に動かす。それぞれのポーズのおかしさで腹がよじれそう。
さらに1番と2番の間奏部では、HIDEBOHとSUJIのSMショーもどき(笑)が繰り広げられる。石井による「そう、ココね、ココがいいのね」「今度はアタシよ、こっちね」と台詞まで入って演奏なんぞ耳に入りゃしない。ラテンのリズムとアフタービートのサンドイッチ、CDで聴いたときとのかっこよさとはあまりに違う印象に、ただただ笑うのみ。
曲の終わりごろ、下手よりMr.シアトルがステップを踏みながら登場している。ステージ暗転、石井がハケMr.シアトルにスポットライトが。どでかい頭部と丸い胴体を脱ぎ去ったその中には佐々木フランチェスカ2世の姿。と同時に上から『NYLON
CLUB』の電飾も下がってくる。
呼ばれてもいないのにジャジャジャジャーン。レディース・アンド・ゼニトルマン、おとっつぁんおっかさん、ワタクシ、当ナイロンクラブの司会者・佐々木フランチェスカ2世でございます。
昭和歌謡史に燦然と輝くあの名曲、有名な『君の名は日本橋』の主題歌、『純愛』を歌っていただきます。それでは先生、どうぞ。
と促すが、当の先生なかなかマイクのところまで出てこようとしない。あっちでよろけ、こっちで道草、といった風情。とくに右端の手を合わせた天使のオブジェがお気に入りのようで(笑)、前に回って両手を合わせたり、胸のあたりをステッキでつんつんしたり。仕方なく司会者自らが先生を迎えに行くはめに。
伴奏終了直前にようやくマイクの前までたどり着いた先生、歌い出す瞬間にステッキでスタンドマイクを引き寄せるという技も披露(パチパチ)、間奏部分では「あっりがとさ〜ん」「ゲロゲーロ、ゲロゲーロ」などのアナクロなギャグも入れつつ曲は進む。
サビの歌い出しが微妙に遅れたりずれたりするあたりにツボを突かれながら爆笑することしばし。ライブが回数を重ねるに連れ、客側でも♪花より(ひゅー)星より(ひゅー)とかけ声が入るぐらいの人気コーナーとなった。
最後「あっ、あっ、心臓が…」と先生突然の発作、司会者とスタッフに抱えられながら退場(笑)。戻ってきた司会者「先生はただいま、最寄りの救急病院の方に搬送されました」
次なる出演者はザ・エレクトリック3、「今週のスマッシュヒット」のコーナーでの出演、曲は【ヤメテ】。コーラスの美恵ねぇさん&HIDEBOH&SUJIの3人で歌い踊る。美恵ねぇさんは白のタンバリン、男性2人は金銀の扇をもって繰り広げる怪しい舞いは、回を重ねるごとに客席へと伝染し、あちこちで扇子を持って踊る姿が見られた。原曲は辺見マリの『やめて』だと思われるが、同じなのは♪ヤメテの歌詞のみ(笑)。
「リリーを探して単身トルコに渡った愛原ジョー、はたして彼はリリーを探し出すことができるのか」とのナレーションと共に、ステージ奧のホリゾンドに映し出されるはブルーモスクの絵。そう、ここはトルコなのです。
探偵ジョーはピンクのロング丈スーツに着替え、上から登場。
(以下、ジョー?笠木さん?びゅーちー?の一人芝居)
あ〜、ここがトルコかぁ。(後ろを向いて)あれがブルーモスクか、きれいだなぁ。こっちが金閣湾、ってぇことはあっち側がアジアでこっち側がヨーロッパだな。(と場面説明-笑)
おっと、リリーを探さなきゃな。あっちの親爺に聞いてみよう。おぅ、(写真を取り出すフリ)この女しらねぇか?……え?ハバハバ?…何言ってるかわかんねぇよ。まいったなぁ、日本語通じねぇのか。世界中どこ行っても通じると思ってたんだがなぁ。
そうだ、日本人に聞けばいいんだ。今どきどこへ行っても観光客はいるだろうからよ。お、あのばぁさんに聞こう。ばぁさんばぁさん、この女しらねぇか? (めちゃくちゃナマっていて意味不明)…わかったわかった、ありがとよ。…そうか、観光客つってもいろんなところから来てるからなぁ……まいったなぁ。そっか、年寄りに聞くからわかんねぇんだ。若いヤツに聞けばいいんだな。
お、あそこから若い女が歩いてくる。よし、あの女に聞こう。お嬢さん、すいません、この写真…の……ハ、ハトコちゃん!
そう言うあなたは、ヒロシくん、ヒロシくんじゃないの!
ハトコちゃん、こんなところで会うなんて。
私、あなたに振られて10年、シルクロードをずーっと旅して、傷ついた心をいやしてきたの。
ハトコちゃん、そんなことがあったなんて…俺が知らない間そんなつらい思いをしてたなんて……。
でヒロシくんはここで何やってるの?
いや、俺は今探偵やってて人捜しに来たんだけど…もうそんなことはどうでもいいや。ハトコちゃん、俺と一緒に行こう。
どこへ?
ハバナに行こうよ。
キューン、と飛行機の音がして、もうここはハバナ。バックのホリゾンドは夕日に照らされオレンジ色に。
ハトコちゃん、出てきてみなよ。夕日がきれいだよ。
いやん、こんな格好で。それよりハトコ、なんだか体がポッポポッポするの。ポッポポッポ(と強烈なしなをつくる)。(バックではパーカッションの山口さんがタイミングを合わせて鳩笛を吹いている-笑)
ハトコちゃん、なんだか十年経って凄みを増したね。ハトコちゃん、それよりさ、ハバナクラブってあるんだ。行ってみようよ。
そうね、行きましょうハバナクラブに。
ってことで曲は【ハバナの夜】、ボサノバチックなリズムの曲、でも♪ハバナ〜の夜に〜いっぺん寄ってらっしゃい、って歌ってるだけなんだけど。ここでもハンパチーフが活躍。♪ハバナ〜の夜に〜、ではフラダンスみたいに左右に揺れて、♪いっぺん寄ってらっしゃい、でカモンってかんじにぐるんぐるん手首を回してアヤシイ手つきで踊る。トランペットの♪パラララッパッパラ〜、で暗転。
間髪入れずに♪パーパラッパー!と【コ・ウ・カ・イ】のイントロ、会場内に歓声がこだます。ピーストルを持っての踊り、客席も予習が行き届き一糸乱れぬピーストルさばき、きれいです。最後のベース&ギターフレーズでは、ステージもフロント3人以外は闇に沈み、構えもばっちりキマってる。
最後のスポットが消えるとベース&スネアドラム♪ダダンダン(ッタッタッタッ)ダダンダン(ッタッタッタッ)のリズムが始まり同時にステージ上方からは光が放射。トランペットのユニゾンが♪パーパラッパラッパラッパ…。イントロは長くなったが【東京BAY
SIDE CLUB】だ。
♪だ、か、ら、での異様に長いタメに客席の歓声は2度3度。ときおりびゅーちー自らふきだすこともあったぐらい。♪東京スイミングクラブ、ではダンサーが浮き輪を着けてのダンシング、客席もそれどころではない。怒濤のダンスタイム2曲目、腕を振り回し、隣の人をひっぱたく(それは筆者)ぐらいの勢いです。
キメの台詞は「とつぜん米米クラ〜ブ(羽生)」「東京米米クラ〜ブ(東京9/26)」「神ぉ戸ナイロンクラ〜ブ(神戸)」など毎回変わった模様。
♪ッダダダダン(ベース)とくりゃこれは定番【HIP SHAKE】。もう「おどれ〜!」ってな状況……はい、筆者なにも覚えていません。なんせ汗でドロッドロになるまで踊りましたんで。たしか竹野さんと金子さんが下手前に出てきてのソロタイムがあったような…。で、これにて本編終了。
昭和20年代で印象づけようとしているナイロンクラブ、ここでのBGMは『東京ブギウギ(笠置シヅ子)』です(どおりで開始前のBGMに入っていないと思った)。モノラルサウンドの曲が流れると、それにあわせて客席でピーストルが振られ、見ていて楽しい展開になっています。
メンバーが懐中電灯を持って登場、続いて登場したびゅーちーエンジェルは、『コ・ウ・カ・イ』のプロモで来ていた紫色のスーツで登場。背負った羽のストラップは、羽生・国際フォーラムまでは白いままでしたが、その次に見た相模大野では衣装と共布でカバーされており、遠目にはわからないように変更されていました。
ステージのバックには夜空が広がり、一面の星がきらきらしています。曲は【炎のたからもの】、後半の♪流れ星はあなたのことね〜、のあと上手側から、すぅっとひとつ流れ星がながれて、なんとも言えない気分になりました。
(ツアー後半のNHKホールでは『炎のたからもの』がライブ前半に繰り上がったことで、楽曲が【君をつれて】に変更されていました。大阪2日目と神戸もそうでした)
プレミアムショウタイム、まずはJ・カビラのナレーションから始まります。が、どうやら「メンバー紹介をしたいが俺には日本語が多くてむずかしすぎる。だから佐々木フランチェスカにチェンジする」ってなことを英語で説明、以後は佐々木フランチェスカによって一人ずつ呼び出されます。ん?でも、佐々木さんも英語で呼び入れているような気が……。
さぁて、しんがりに登場したのはライトグリーンのスーツにひらひらフリルの白シャツをお召しになった笠木健一さんです。【オトメノキモチ】もなんともかわいらしいフリがつき、ここでもハンパチーフが登場しました。
笠木健一モードと石井竜也モードが見え隠れしながらの今後の活動告知があって(もう知ってるものばっかりなので省略)、最後の曲は【壮絶夜舞酒家】。途中ベースソロ、ギターソロタイムもあったりしてのいつも通りの大盛り上がりでした。
ステージに『銀座の恋の物語(石原裕次郎と牧村旬子デュエット)』が流れます。曲に合わせるようにメンバーが一列になって下手奧より登場、ステージ前面に並びます(佐々木さんは上のプチステージに立っています)。♪東京でひとつ(下手にお辞儀)♪銀座でひとつ(上手にお辞儀)、♪若い二人が(両手を上げ)初めて会った(真ん中へお辞儀)と3礼、一列で下手へ去り、そしてそのまま幕がおります。
場内の歓声はひときわ大きくなり、再度のカーテンコールが要請されます。それに応えるように2番の途中から幕が開きました。
そしてまたもや♪東京でひとつ(下手にお辞儀)♪銀座でひとつ(上手にお辞儀)、♪若い二人が(両手を上げ)初めて会った(真ん中へお辞儀)と3礼、そのあとは全員で手を振る展開へ。
曲が終わり幕がおり、英語のナレーションが始まります。2時間半にわたるナイロンクラブは見事閉店と相成りました。