東京ISHYSTALK vol.3 report

2005/1/11 at TOKYO FM ホール



 東京FMホールって、会場の真ん中にシャンデリアが下がってるんですよ。開演の合図っていうのが、このシャンデリアが『ツァラトゥストゥラはかく語りき』のテーマ(♪じゃ〜ん、じゃ〜ん、じゃ〜〜〜〜ん。っちゃっちゃ〜〜〜〜ん♪)とともに上がって行くんですよ。ずずーっと上に。見上げると真ん中だけめちゃめちゃ天井が高いんですよ。もうこれだけで毒気が抜けました、筆者。

で、小鳥の♪チチチ、というさえずりと共に下手から御大が登場されます。
ようこそISHYSTALKへ。だ、だっさ…第三回ということで…」といきなりつっかえていただきまして筆者初笑いでございます。
ステージ上には椅子が4つしつらえられているので、「朗読劇?」と思っておりましたら【題名のない音楽会】だということでして、弦カルを招いて石井氏のインスト曲を演奏してもらうという太っ腹な企画でございます。

 呼び込まれたのはKANA STRINGS QUARTETというグループで、インストアルバム『SORA』の演奏も務めた1stヴァイオリンの伊藤佳奈子さん率いる弦楽四重奏団。チェロだけが男性であとの3人は女性という編成です。
 1曲目は【緑の窓】、曲紹介のあと石井氏自身が曲の成り立ちを解説します。
それによると「この曲は僕がやってたテレビ番組(音楽空間アンモナイト)の企画で、その年限りで廃校になっちゃう小学校に行ったんですよ」と。その校舎の窓の、窓全面が緑色に見えた。校舎の向こう側が山でそれが窓からずっと見えてる。それがすごく印象に残って『緑の窓』という曲を作った、と話してくれました。
あと、その小学校で、小学生たちが自分の作った『緑の窓』を歌ってくれてすごくうれしかった。それがちょうど夕暮れ時で赤く染まった空と相まって感激して涙がでてきた、という話しもされていました。
 このときの緑の窓は、『SORA』で聴く包み込むような感じとはちがって弦カルらしい繊細な曲になってました。

 2曲目は【FOREST WALTZ】。
この曲はサァカス少年團というテントでやったコンサートで使った曲です(サァカス少年團での曲名はWALTZ OF FOREST)」と。でも着替えの曲だったので歌っていないそう。「すごくよい曲なんで、着替えのたびに(ズボンをはくマネ)『おれどうして歌ってねぇんだろう』って思ってた」ということでした。
 (筆者の記憶では、ハーラおねえさん(Violin)と金子さん(flute)による二重奏だったと思います。そしてこのあとコータローくんとの二人芝居(FOOL'S DAY)だったはず。あの優しい曲の後ろでは、石井氏がせっせと楽団員姿に着替えていたんですねぇ)
 伊藤佳奈子さんにアレンジしていただいたという『FOREST WALTZ』は、ちょっとした和音に『和風』なテイストが感じられるすてきな曲に仕上がっていました。
 曲のあと登場した石井氏、「今度の愛知万博は妖精のお話をショーにするんですけど、ずっと前からそういうイメージがあったんだなぁ」と一言漏らしてました。

 3曲目は【CAVE RAIN】。「去年はいろいろなことがありましたね。(中略)相当地球は怒っていると思います。人間は謙虚にならないといけないんじゃないかな。この曲は今の状況の地球に似ている気がします」と。
洞窟に降る灰色の雨、というのは、『河童』という映画を撮る前にスタッフと行った鍾乳洞から来ている。鍾乳洞の中のドームに上から水が落ちている、大空間に雨が降っているというイメージだそうです。
 それと、スタッフと入ったあぶくま洞という鍾乳洞で地震にあったという恐怖体験も語っていました。
…中がどんどん狭くなって、水がここまで(身を屈めて胸の下くらいを示す)あって、そんときの揺れですからね」 
(真っ暗な鍾乳洞の中の地震、経験したくないもんです。ぞぞっ) 
 曲はその恐怖体験とは関係なく、はねるようなリズムのここちよさを感じました。そそ、中低音が主旋律(旋律がビオラからチェロへと引きつがれる)なのも骨太な感じでよかったです。
 「(自分の曲を)弦カルでやるのは初めてなんですけど、いいもんですねぇ。4人の息もあっていて。これ言っていいのかわかんないけど、今日練習してたんですよ(客:へぇ)。信じられないですよね

 4曲目は【ひだまり】、ご存知の通り映画『河童』のテーマ曲です。
今年、祖父が亡くなって15年経つんですけど。この『ひだまり』という曲は、そんなおじいちゃんにあいたいなという気持ちで作りました
過去にもオーケストレーションされたものは聴いているけど、弦4本で聴く『ひだまり』は1本1本の音が際立ち鳥肌がたちました。とくにチェロの独奏で始まるところでは「腹で聴く」感じで、おなかから全身にひろがってゆくような不思議な感覚でした。

 「年の初めに浄化する、ということでこういう企画にしてみました。(略)お相手は児玉清でした」で一部終了です。

第二部は『笑う世界の三面記事』と題された公開ワイドショー
佐々木徹さんのナビゲーションのもとナイス?なトークが繰り広げられます。さっきまでのガチガチ&カミカミの石井氏はどこへやら、なんだかリラックスしまくってないかい?!

 出されたお題は以下の通り。
 1、日本からの話題「国務省キャリアが泥酔して『お前ら偏差値が低い』」
 2、カナダの新聞からは「本気でパワードスーツ作りに励むアラスカの青年」
 3、アメリカのお話「上司の『仕事に戻れ』の号令で昏睡状態から目覚めた男
 4、ドイツでは「経費削減で白雪姫と4人の小人に」
 5、香港には「おなら爆弾回収へ。おなら爆弾はプチ化学兵器」

 え〜、ひとつひとつの話題には、はっきり言ってついていけましぇんでした。展開速すぎるしぃ。話題のメモを残すのが精一杯ときたもんだ(ほんとはメモしたけど、どっちがどっちの言ってることだか。ハラホロヒレハレ)。
ということでお題だけで勘弁してくださいぃ。
 そんで第三部?はミニライブ、【心の言葉】をカラオケで(!)熱唱してくれました。
1月9日のZEPP TOKYOでの「おんちになっちゃった(本人談)」件についてのお話もありましたね。でも会報に載っていたので省略(笑)。
 実は筆者、この日初めて『心の言葉』の全歌詞を聞き取ることができました。ライブでは「サビは聞き取れるんだけど…」というもどかしい状態だったのですが、全部わかってみて、あらためて「じーん…」としました。自分の親もこうだったのかなぁと思ったら、なんだかそれだけでしあわせになっちゃう感じ。初めて「親にも聴かせてみようかなぁ…」と柄にもないことを考えてしまいました(照)。

 そそ、譜面台に置かれた楽譜(歌詞カード、ともいう-笑)が空調の風でとばされまくってるのを見て、佐々木氏がセロテープを手に譜面を張り付けにきたのがちょっとかわいかったです。それも2回、片側を貼って退場、再び出てきて「こっち側も♪」って。
なんだろねー、2度目に出てきたときは石井氏もかなり驚いてましたっけ。

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