DRAGASIA追加公演−落ち穂拾い−
ラストだというのにゲストは来るわ楽曲は変えるわ踊りは変えるわ、もう盛りだくさんの追加公演。今回は当日のハプニングを中心にレポしました。
【胡弓演奏は…】
今回ゲストとして発表されていたのは『パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ』『BIG HORNS BEE』『MINAKO』の3組だけでした。しかしオープニングの胡弓演奏はチェン・ミンさん。あいかわらずお綺麗でうっとり。コールがなかったのは『DRAGON SLAYERS』に正式加入されたということなのでしょう。たしかに参加される度に演奏曲目が増えていった気がします。
【反省2000でハンセー】
29日、30日とMCはサミット絡み。「各国首脳の前で歌っちゃったりしてねー、一体感ありすぎてすごかったですね(客席爆笑)。安室ちゃんも♪ネーバエーン、ネーバーエーンって」「…あの施設を作るのに800億円かかったんですって。800億円の宴会ですよ。あれ終わったら壊すそうですね。そういう意味では石井のコンサートと同じですね。」「…サミットと言うよりサ○○ットって感じですね(場内爆笑)」(29日)
「あと水泳の『すず・ちば』さん(逆だよー)ね。調停なんかしないであの一番偉い会長さんと2人で競泳して決着つければいいんですよ。そんで会長が勝ったらなし本人が勝てばOKってことではっきりするでしょ?」(30日)
「なんか今日はイッちゃってますね私。なんでかな。さっき食べたおかかのおにぎりいけないんでしょうか。と生活の一端を見せつつ進めてまいるわけなんでございますが。」(30日)
ここで通常なら『コスチュームチェンジショウ』に移行するはずが、29日はそれをわすれチャイナのまんま「2000年、2000年でぇございます」って言っちゃって、さらにラッパが(ちびっと音出にくし?)♪…ぷぅ〜って鳴っちゃってこれをキッカケに声変わっちゃって。スタッフも(衣装替え担当の)ハルミちゃんも客席も大慌て。
それに気づいた本人「今日はカメラが入っていますんで最初からやり直したいと思います」ってんで『2つの不幸』(レポ参照)の話からやり直し。無事お着替えを済ませ無事バリの全日空ホテルの従業員へ。
ところが本人内心相当動揺していたのでしょう、歌い出しのキーが…ひ、低い。なんとか2フレーズ目(♪コレってナメられちゃってるんじゃ…)で修正してました(バラしてもーた)。
30日もここでハプニング! 衣装チェンジショウも終わり「2000年、2000年でぇございます」とキッカケの台詞を言ったにもかかわらずラッパの音が♪…スゥ〜(息の音だけ?)となんとも情けないことに。当然声も変わらず。
ビューティがラッパ担当の柿崎さんに「どうしたの?」って聞くと(以下2人の会話)
柿崎:ラッパ壊れちゃった。(もう1回吹こうとする)
石井:え〜? だいたいそんなもん幾らでもないんだから2、3個余分に買っとけよ! まったく。それないと声変わらないんだから。しょうがないから口で言えよ口で!
柿崎:(仕方なく裏声で)♪プップ〜(ちょっと苦しそう?)
(場内大爆笑。は、腹がいたい)
【おやじダンサーズ登場】
「あかんて、あかんて、なにツッツイテんの」と始まる" KAMA KAMA"、29,30日の観客のノリといったら…。本公演では通路側や前に空間のある場所でごくごく一部のファンがやっていた床叩き(タタンタ、ンタンタ、タンタンタン×4の4回目で倒れ込んで床を叩くフリがある)を、なんとかなりの数の人間が実行! 前の方の列の客が一斉に座席の向こうに姿を消したのを筆者は見逃さなかった。そしてそのときのビューティの反応と言ったら…客と一緒になってめちゃめちゃうれしそうにステージの床を叩いていた(笑)。
そして後半に事は起こった。暑苦しい一団が下手から登場、パパイヤ鈴木とおやじダンサーズのメンメンだ。それでも観客の興奮は高まることはあってもひくことはない。まるで以前からの『お約束』であったかのように平然と受け入れた観客達だった(すばらしい)。曲の終わりのカマキリのフリがちょっとキツそうなパパイヤ鈴木(笑)、ダンサーの体型ではないからねぇ。
そして迎えた次の曲、ビューティがパパイヤ鈴木のために作詞したという【舞いWAY-油ギッシュラブ-】。ビューティ&ダンサーズ(含MINAKO)は正面奥に退きおやじダンサーズの独壇場。パパイヤ鈴木、意外に(失礼)歌がうまい。途中MINAKOとパパイヤ鈴木がからむシーンでは客席からヒューヒューコールが起きる。30日にはMINAKOに向かってパパイヤが「金払うからヤラセろ」と迫る(笑)部分もあり見どころ満載。
サビのフリでは全員(含ビューティ)の手があがり、客も当然のようにマネ。この日が初見とはとても思えぬそろいぶりでした。
続いての【出ました!プルルンじーさん】もおやじダンサーズは出ずっぱり。29日にはこれにMINAKOも加わり総勢9人での傘踊りとなりました。
途中♪恋をしよう〜のところで「来た来たきたぁ」とダンサーが傘を開いてビューティを隠す箇所、これが傘がいっぱいあってビューティが身をかがめなくても全身隠れてしまうのが楽しい。
そして個人的にツボにはまったのはMINAKOのダンス。この曲ははMINAKOさん本人が振り付けしたもの。以前インタビューで「あれ結構疲れるんですよ。『こんなの踊らないよなぁ』とか思いながら、自分でも笑いながら振り付けしてた。『もう人が踊るからいいやぁ』みたいな(笑)」と言っていたのに、結局自分も踊らされてるんだよねぇ(爆笑)。
【1日目と2日目は違っていた】
舞台が暗転し続く1曲。29日はマリーザの歌い踊る【ASIAN EYES】。最終日はMINAKOの【さくら】と日替わりメニューでした。どちらも甲乙つけがたいすばらしい出来で、さっきの喧噪がうそのように消えていきました。このほかにも2箇所、初日と最終日でメニューが違ったところがありました。
その次は観客が毎回固唾をのんで見守る備前饅頭郎先生の【男同士】。これについてはまた別稿をもうけてありますのでそちら(近日公開予定)をごらんいただきましょう。
【追加公演最大のハイライト!】
なんといっても追加公演2日間の最大のハイライトは【ROPPONGI・雨】でしょう。こんなに苦しかったのは米米CLUB解散コンサートThe Last Symposiumの"BEAUTIFUL"以来だったのではないでしょうか? え?何が苦しいって? そりゃ腹がよじれるってことですよ。
ドラガジア唯一の『聴かせる』バラードであったはずのこの曲に、今回なんとおやじダンサーズが登場。ビューティが下手に行けば上手、上手と動くと下手と彼の後方逆サイドで踊る彼らから目が離せず。筆者なんぞ両手を×にして口を押さえないと嗚咽、もとい笑い声をたててしまいそうで…く、苦しい。
片手に桜の枝をもち悲痛な表情で踊るおやじたち6人(特にパパイヤ鈴木さんの表情にはヤラレました。あなたにはMINAKOさんと並び『顔で踊るダンサー』2号の称号を差し上げましょう!)六本木は『6本の桜』であったことがこの瞬間に判明。しかしあくまで曲はバラード、ビューティも自分の世界に入って(入ろうと努力して?)歌いあげていきます。
そして緊張が最高潮になったのは大サビ。中央に戻ったビューティの後ろに一列に並ぶおやじダンサーズ、時差をつけての桜の枝回しにバックはまるで千手観音のよう(う、美しい…?!)、先頭に立つビューティはあくまでマジ、♪闇にからんだ脚くびれた腰…そのしぐさ、そこだけを見ると腰砕けにイッてしまうはずが別の意味で腰砕け。どーにもこーにも集中できなぁい(泣)。
そしてビューティの後ろ一列から散開しビューティを取り囲むおやじたち、ビューティ右見てビクッ、左見てビクッ(ヒクヒク)。ダンサー(&ビューティ)の身体の微妙な左右への揺れが見事(?!)
最後に全員(含ビューティ)で、右手(に持った桜の枝)を前へさしだしそのまま手(花)で顔を隠す、次いでわずかに顔を左に寄せて薄く笑う(byビューティ)キメが非常に印象的でした。(29日は手を差し出すところで終わっていたような…)
おっと、最終日(30日)はここの衣装が違っていました。黒地に金蒔絵の上着ではなくて、赤地に金蒔絵のスタンドカラー、チャイナ風な上着(後ろ長し)に黒パンツでした。
【楽曲・MC2バージョン】
"ROPPONGI・雨"のあと、29日は【夢 DE 愛魔性】。最終日は【TIME】と日替わりメニューでした。"夢 DE 愛魔性"はコータロー&マリーザのダンスが復活(5月の東京公演までのメニューだったんだよね)、階段上のところで踊ってくれました。
"TIME"ではなんとまたまたおやじダンサーズが登場。本公演の時、確かこの曲ではダンサーはいなかったはずですが、コータロー&マリーザも出てきてダンサーすし詰め状態で踊っていました。踊りとしては繰り返しが多くてわかりやすかったので、初見ながら客席も一緒に揺れていましたね。そそ、たぶん、なのですが、この曲は前日か当日振付なのでは?と思ってしまいました。だっておやじダンサーズの人が結構必死にコータローを見て踊ってましたから(笑)。
続いてのMCは本公演後半で定着した【石井Beauty Show】。むろん同じ話を2回するような野暮なビューティではございません。29日は夜の湖手漕ぎボート編。「奥さん、ボートに乗りましょう。手をこっちへ。それから右足をボートの上に。だからそっちじゃなくて逆です、逆ですってば。逆の脚だっつってんだろ! もうどっちでもいいですから。お奥さん、何するんですか(ボートが揺れる)、ボートの上で踊ってどうするんです」客席爆笑。そしてボートを漕ぎ出す。このボートを漕ぐふりが秀逸。
「奥さん、夜の湖はロマンチックですねぇなんにも見えないけど。奥さん、ほら(と水をかけるふり)。あっ(かけられた水を避けるふり)、やりましたね(どんどん水をかける)…奥さん、びしょびしょになっちゃいましたね。脱ぎましょうかびしょびしょになっちゃいましたから。…奥さんワンピースだけしか着てなかったんですか? 奥さんの泳ぐ姿が見てみたいなぁ。…あぁきれいだ。暗くてなんにも見えないけどきれいだ。お、奥さん?奥さんどこいっちゃったんですか? 奥さぁ〜ん!(とボートを漕いで去ってゆく)…こうして奥さんとは2度と会うことはありませんでした。」
30日はロッククライミング編。「奥さん、まず右足をそっちのでっぱりへ。そっちに体重をかけて右手でそこをつかんで。そうそう。今度は左足をこっちの岩へ。だから左足ですって、左だっつってんだろ! そう、そうやって。…昼間は富山の薬売り、そして趣味がロッククライミング。奥さんその意外性が気に入ってくださったんですよね。どうぞ、僕をぬいてっていいですから。奥さんすごいですね腕力だけで登ってませんか? (見上げて)奥さんだいぶ登りましたね。それじゃ追いつきますから(シャカシャカシャカシャカ)。ほぉら追いつきました。速いでしょう? 僕は子供の頃『イモリ』と呼ばれていましたから。」(めちゃ速い登りっぷりに爆笑の渦。腹いてー)
「奥さん、ずいぶん高いところまで来ましたね。でもこわがらなくて大丈夫ですよ、僕と命綱でつながってますからね。ほら登って。右の足をそっちへ…あ足が滑った。お、奥さん重い。は、早くどこかにつかまって。奥さん軽くして。そこでエアロビクスしてどうするんですか。奥さんもたないから荷物を捨ててください。あ、荷物がひっかかってる。奥さん早くロープを切って。奥さんどこ切ってるんですか。それじゃ落ちちゃう。ああああぁー。…奥さんは自分で命綱を切って落ちてしまいました。そういえば奥さんは普段からお荷物だった…」(おあとがよろしいようで)
【大蔵ざらえ(笑)】
相変わらず吟遊詩人ぶりを発揮するビューティ、30日は"LIBIDO"で♪know, know, know, know, know〜がしごくお気に入りのご様子で、ほとんど全部をこれで通していらっしゃいました(笑)。
"壮絶夜舞酒家"でもおやじダンサーズ登場(いったい何曲でてきたのだろう…)。白竜たけし君前で踊っていました。でもフリがコータロー&マリーザと違う。マネしたかったけど体が覚えてしまっているのでマネできなくて残念でした。
エンジェルショウタイムで登場するドラゴンスレーヤーズの方々、今回はコンダくんの『キタロー後ろ頭照らし』があまりに面白くて…。毎回懐中電灯で遊んでくれる皆さん、どうもありがとう。
最終日、"手紙"を歌い終えたビューティ、いつものように後ろ向きでツツーと退場というのではなく、ゆっくり歩いて下手に退場してゆかれました。歌の余韻が感じられてとてもステキでした。
プレミアム・ショウタイムでメンバーがひとりずつ呼び入れられ、しんがりの「釣りキチダンサー、コータロー!」のあとに「そして今日は強力な助っ人が来てくれた!(byビューティの声)」と本日3組目のゲスト、BIG HORNS BEEが上手から登場。彼らのアジアなお衣装とは『紋付き袴(羽織なし)』! 黒の着物に赤いたすきが映える。いーねぇ。特にシモちゃん、似合うよー。
シュークの2人もミーちゃんが赤、マリちゃんがピンクのアオザイにお着替え。ふたりともきれい。米米メドレーも29日はパート1、30日はパート2と両方のパターンを披露。
最終日、"俺色にそまれ"のBメロのキーが違っていた気がしたのですが、気のせいでしょうか…ビデオではボーカル差し変わってるといいな(爆)。曲のエンディングではビューティがBHBと一人づつ握手、んーいいなぁこういう風景。
【さらえたつもりが…】
"ENCORE"でまたまたおやじダンサーズ登場(これってゲストというよりサポートといったほうがいいのでは?)、ステージ左右の張り出し部分で踊ってくれます。間奏部分でいったんハケ、今度はステージに出てきて一緒に踊ってくれました。
続く"SHOW ME"でもおやじダンサーズ大活躍。今度は階段上の白竜たけし君の前で踊っています。すごいすごい、でもこころなしか台が揺れているように見えるのは筆者だけ? いったい何キロがあそこに乗っているのか考えるとちとコワイ。
曲が終わってひとりひとりメンバー紹介。下手側マリちゃんまで紹介して上手側へ。バンマスは最後に紹介するのね、と思っていたら…おーい、忘れてるぞぉ(30日)。客席の「え〜?」の声に「あ、バンマス柿崎洋一郎! 彼はバンドマスターベーションですからね、ヒッヒッヒ」と照れ笑い。
それにしても胡弓のチェン・ミンさんを紹介するとき、必ず一緒におじぎをする(それも片足下げて衣装の裾もってダンサーおじぎ)のはやめてよねー(笑)。そっちに神経いっちゃうじゃないのぉ。
【最後のゴルシル】
そして全員整列。
「みなさんドラガジア楽しかったですか?(客:うん!)」
「これだけ盛り上がったコンサートが過去にありましたか?(客:なーい!)」
「こんなコンサートができる人が他にいますか?(客:いなーい!)」
「ワタクシは天才ですからね。」と三弾のたたみかけ。もーわかってるわよぉ。
全員での『礼』はいつもより1回多く「全国のファンの皆さんに礼!」じーん。
退場する際自分の髪をひっぱって『後ろ髪を引かれる』を表現するビューティ、案の定ソデに行き着く前に立ち止まってしまった。よっしゃあ!
泣いても笑っても最後の曲となるであろう"GOLDEN FISH & SILVER FOX!!"、BHBとおやじダンサーズも出てきてもらって。ビューティ曰く「録画はしますけど(ビデオへの)収録はしませんから」ということで、練習なしの一発勝負の大騒動となりました。おやじダンサーズは前にいるコータローを見て踊り、BHBは前列のお姉ちゃん方を見て踊り、誰も彼もが楽しそう。この際踊りを知ってるかどうかなんて関係ない、それ行けぇ!ってなノリのステージでした。
このときのゴルシルは…筆者は一生忘れないだろうと思います、ステージよりも客席の盛り上がりを。まず2階席はもちろん1階席の床までリズムを刻んで揺れ(友人談)、♪ヒューゥヒューゥのかけ声が会場全体にこだまし(前の方にいたが後ろから声で押される気がした)、なによりも統率のとれたその踊り方、まさに劇場内が『一体化』した数分間でした。今でも思い出すと鳥肌が立ってくる、なんだったんだろうあの瞬間は。
そして全員退場。例によってビューティひとり戻ってくると「みんな(間=ブレス)、サンキュー」と生声のあいさつをしてくれました。『みんな』と『サンキュー』の間に胸一杯に空気を吸い込んだ石井さんの姿が忘れられません。ここまで走り続けるの相当キツかったんだろうなぁ、そして精一杯の声を2階席の後ろまで届けようとしたんだろうなぁ。
一礼するとするすると降り始める緞帳に客席に向かって投げキスをするビューティは本当にラブリィでした。緞帳との隙間が50センチぐらいになると床に身を投げ出して手を振ってくれましたっけ。
胸一杯の感動と満足感、そしてちょっぴりのさみしさを感じながら国際フォーラムを後にした筆者でした。
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