金子さんセッション@京都RAG レポです♪
この年末にかけていろんなミュージシャンと精力的にセッションを展開される予定の金子さん。その金子さんの青木智仁さんとのフュージョンセッションを京都RAGに聴きに行って参りましたのでご報告です。
今回の会場の京都RAGは、京都の木屋町という夜遊びエリアにある小さなライブハウスです。ジャズやフュージョン系の有名なミュージシャンが、よくセッションしています。金子さんはこのRAGには今回初登場ということだそうです。ベーシストの青木さんが「私が以前から金ちゃんのテナーが大好きでして」ということで、今回の金子さんの参加が決まったそうです。
中はあんまり広くなく、こぢんまりとしています。それも全然きらびやかじゃなくって、大学のサークルの部室みたいな感じ。壁の落書きを消す様子も、壊れかけのトイレの鍵を直す様子もなく、いい音を提供すること以外には頓着しないって感じです。ホントに音楽好きが集うハコといった印象を受けます。
満員のお客さんは全部で150人から200人といったとこだったでしょうか。それぞれ好きなお酒やお料理を取りながら開演を待ちます。私の隣はジャズサークルの学生さんって感じでしたが、会場発行のチケット持ってて常連さんのようでした。
ほぼ開演時刻に客席後方から拍手が起こります。メンバー登場です。客席のテーブルの間を縫ってステージへ。
ギタリストの野呂一生さんは大御所フュージョンバンドのカシオペア出身ってことで、この日のお客さんは野呂さん目当ての方が多かったように感じました。ドラマー則竹裕之さんも押しも押されぬフュージョンバンドのスクエア出身です。金子さんに「則ちゃん」と呼ばれる則竹さんは金子さんとは20才の学生の頃からのお知り合いと言うことで、二人とも和やかな雰囲気でした。キーボード吉弘千鶴子さんは青木さんとは長いお付き合いになるんだそうで、ユーモアのあるお話をされる、笑顔の魅力的な女性でした。
こんなメンバーで早速演奏に入ります。セットリストはメンバーがそれぞれお気に入り曲やオリジナルを2,3曲ずつ持ち寄ったんだそうですが、各プレーヤーの好みが出た選曲でした。
野呂さんはやっぱりギターソロのカッコイイ派手な曲が多かったし、青木さんはベースがリズムだけじゃなくてメロディも創るようなビートの効いた曲を選曲されてました。則竹さんは、8分の7拍子なんて息のつけないハードな曲持って来るし、吉弘さんはキーボディストだけあってメロディ自体の綺麗な、全体的に繊細な選曲が目立ちました。
この広いジャンルの曲を全員で合わせるのは当日のリハ4時間だけだったって言うんですから、プロのミュージシャンてホント凄いです。 こんなセットリストの中、金子さんの選曲は『HEADROOM』の「THE RED SPY」と『ROOKIE!』サントラから「RAMZEI」。
「THE RED SPY」の方は、「スパイグッズを仕込んで頂きました」という野呂さんのワウなギターのカッティングと金子さんのテナーサックスの絡みがめちゃカッコ良かったです。「いつもはビッグホーンズビーのメンバーが一緒に吹いてるんだけど、このメンバーでどんな曲になるか」とお話しされてたんですが、ブラスが一本しかないのが違和感ない程うまく持ってきます。野呂さんのギター本当にカッコイイです。低音のリズムもベースだとやっぱり素敵♪
ファーストセット終了後に、隣の学生さんが友達に開口一番「スパイ、カッコ良かったな」って話してました。ニヤリ♪
「RAMZEI」の方は、「オリジナルでは女性のスキャットが入ってるんですよね。でも今日は女性が居る(笑)。」と青木さんがおっしゃって、吉弘さんがスキャットを担当して下さいました。スキャットもフルートも原曲よりも繊細で囁くような柔らかいRAMZEIでした。コツコツいう則竹さんのリムショットが心地よかったです。
最後は、吉弘さんの持ってきた「スリングショット」と言う曲でしたが、これのアタマがトリッキーで、金子さん入りのタイミングを間違えちゃいました。「あちゃ〜」という表情で苦笑いの金子さんに、悪戯っぽい笑顔を返す野呂さん&青木さん。客席からはご愛敬ってことで金子さんへの拍手が出ます。この辺りがセッションの怖さっていうか面白さっていうか。この直後から緊張が解けたのか音が太くなったように感じたのは気のせいでしょうか。心なしかソロプレイ後の金子さんへの客席拍手もここら辺から大きくなったように感じました。音に勢いが出てきたのは金子さんだけじゃ無いみたいで、則竹さんのタムなんて暴れる〜!って感じの凄い勢いでした。めちゃ大盛り上がりで本編終了です。
アンコールの拍手のあと間髪入れずにメンバーがステージに戻ってきました。 「いや今日はきっと盛り上がるだろうなとは思ってたんですが、演ってる自分らも予想以上の盛り上がりです!」という青木さん。聴いてるこちらも大納得です。「全員揃ってのリハは今日だけだったから、本番で合わせられるかどうかは我々もスリルとサスペンスの連続です。」と青木さんはセッションの緊張感を楽しんでらっしゃるご様子。
「次もスリルの連続かな?」と言って始まったアンコールは金子さんの選曲で『HEAD ROOM』から「IN FLIGHT」。「金ちゃんらしいポップでキッチュな曲」とは青木さんの評ですが、バスドラとハイハットの小気味良いリズムをバックに吉弘さんのキーボードがいい感じに流れてました。勿論金子さんのソプラノもゴキゲンです。吉弘さんの二度目のスキャットもめちゃノッてらして、各ソロの終わりに取るアイコンタクトのコミュニケーションもみなさんいい表情でした。原曲にはないギターも野呂さんの手に乗れば、全く違和感なく曲に溶け込んで来ます。
そして曲もラストに。ご存じのようにこの曲は最後一度ブレイクしてから、もう1フレーズ続きますよね。(あ!スリルってここですね(笑)?) ブレイク後、客席の拍手を雰囲気で制して、メンバーがアイコンタクトでリードの金子さんに呼吸を合わせます。…が残念、ちょっとタイミング合わず。でも青木さん&野呂さん&金子さんは”うーんダメだったか〜”な表情で大笑いでした。
最後は野呂さんのギターテクが光る「メッサ」という曲でエンディング。駆け抜けるような勢いで、本当に盛り上がりました。
今年はドラマ音楽を担当されるなどサウンドクリエーターとしての仕事が光った金子さんですが、今日はプレーヤー金子隆博を満喫させてくれたセッションでした。これから年末までの金子さんのセッション活動オススメですっ!