石井竜也 1999 アートパーフォーマンス「ART NUDE」 LIVE REPORT

1999.12.27−追加公演(最終日)編−




 1999年12月27日、月曜日、いよいよ「ART NUDE 1999」グランド・フィナーレ。 追加公演で、最終日という事で、集まっている観客の皆も、どこか期待するような、ツアーの終わりを 名残惜しむような、どこか晴れやいだ、でもどこか寂しげな空気もただよっています。ふと、耳をすますと、 「○○弁」のようなイントネーションが聞こえ、全国から集まってるんだなと実感。年末の平日という、 日程にもかかわらず、皆凄いと、内心、舌を巻いたりもする。

 いよいよ開場し、入り口でメモリアル・グッズのペンダントヘッドを受け取ると、すばやく番号をチェック。 全4種類のうち、何番かチェック。「(5)renze」。5、5番〜〜????? 「そうか、最終日だけど、追加公演だから、追加番号のペンダント・ヘッドなんだー」と納得。 嬉しい演出じゃないですか


[来場者へのプレゼント、ペンダントヘッド(5)「renze」]
※.全4種類と思いきや、12/27の追加公演だけで貰えた、第五のフェース。

 ロビーには、今回のツアーのペインテイング作品すべてをカラー印刷したものが、ズラッと並べられています。 札幌の作品「丹頂鶴」はこんなのだったのか、とかしばし見入る。今日これに、どんな顔がもう一枚追加 されるのか、とっても楽しみ。

 ホールに入って、着席。スモークが炊かれ、少々かすんだステージ上には、中央にペインテイングを待つ白い 巨大な顔。BGMとして、川のせせらぎや鳥がさえずる声。そして、開演を告げる鐘の音がなると、 「来場者へのお願い」が始まる。『みなさま、日本は・・・失礼いたしました』 オオッ! 本日は「来場者へのお願い」もスペシャルバージョンだ!! 格調高い今回のステージと合わなさがグー!!

 『本日は「TATUYA ISHII 199999999・・・とまりません、ART PERFORMANDE ART NUDEに、お越しいただきまして 誠に有り難うございます。開演につま先立ちまして、お客様にとんでもないお願いをいたします。 場内に、ガメラ、キングギドラ、バルタン星人、テープレコーダーマンなどのお持ち込みはおやめください。 ここは東宝撮影所ではありません。場内での携帯電話、ポケットベル、ジングルベルなどは電源を切ってくんなまし。 場内は禁煙となっております。おタバコは所定の場所で喫ってくんなまし。またご飲食はロビーにてお願いいたします。 場内においてはスペシャルエージェントの指令に従ってください。それでは、まもなく始まります。踊子には お手を触れぬようお願い申し上げます。』


[限定数で特別販売された、著作本]
※.特別カバーには、日付けが刻印され、中扉にはサインも入っています

 【ゴッドファーザー愛のテーマ】の流れ、3人のミュージシャン登場。そして、石井が登場すると、上手下手に あいさつ。スツールに腰掛け、一曲目【蒼い朝】のイントロが流れ出すと「ようこそ、いらっしゃいましたあ〜」 と粘るオネエ言葉で挨拶。しっとりと始まった。んが、たちまち「カモメと、ん、にゃにゃ・・・(グフッ笑)」 出た!吟遊詩人。大喜び、割れんばかりの観客の拍手(笑)。皆、何見にきてんだよと思いつつ、自分も 拍手喝采(笑)「海さえ(エヘ笑)マド(フッ)・・・イジワル(←オネエ言葉)」といつになくボロボロで、 つぼに入った模様。この後も、しばし思い出し笑いし、笑いを押し殺そうとする彼、エエもん見せてもらいました。 間奏に入るとすかさず、「一部歌詞を変更してお送りしました」。

 続く【HI TENTION LOVE】セミアコースティックバージョンは、コメホカの今回のお気に入りのひとつ。 ブルーとパープルのライトが、ステージ中央のフェースに降り注ぎ、レッドとイエローの光線がステージから 客席に向かって延び、光線の競演も楽曲とともに、お気に入りのライテイング。

 一瞬の静寂、おちる照明もつかの間、ピアノの音が流れだし、ステージ背景に、星空が浮かぶ。 石井のところにだけ、頭上から差し込む一筋のスポット。澄み切った冬の星空のもと、唄うは米米CLUBのバラード 【TIME STOP】。耳元で囁かれるように唄う名曲に、会場中ウットリ。

 3曲歌い終わると、いつになくさわやかにハキハキと「こんばんわッ!」吟遊詩人を吹っ切ろうとしているの でしょうか?(笑)「のっけから、歌詞を変えてお届けした、グランド・フィナーレ ART NUDE2」。 ほら、やっぱ、気にしてる(笑)。MCタイムのはじまり。


[限定数で特別販売された著作本の、日付け刻印部アップ]

 「こんな面白くも可笑しくもないコンサートと、面白くも可笑しくもないお絵かきの時間で、間に10分休憩があり ますので、寝て、休憩で起きて、また寝るという珍しいコンサートです」「(各自メンバ紹介し)東京下町老人ホーム のみなさんです」「今日はゲストが二人」「みなさん風邪ひいてませんか? (つられて、風邪ひいてまーすと、 手を挙げようとする客多数)、ヒヒヒ、今手を挙げようとしたでしょ、下品な笑いですいません、フフ (ツボに入っている)」「来年は『ドラガジア』というツアーを4月後半から、7月にかけて回ります。副題は ”アジアン・ディスコはいらっしゃい”ということで、またディスコかい!!(ノリツッコミ)」「来年2〜3月に、 シングルやアルバムを出します。特に、お薦めは『ヒップシェイク』というどこかで聴いたタイトルです」 「『カマカマ』という、全国のマニアックな方へ」「シングルは、マキシシングルで・・・」この辺りで、MC長めと いうことで、スタッフからの警告ランプ点灯。「初日は、ここで30分しゃべってしまい、点灯しました」

 ということで、来年のアルバムにも入るらしい新曲【シナリオ】。別れの歌。「無常に時は過ぎてくウーウー♪」と スパッと終わるのも悲しい曲。「タッ!タッ!タッ!タ!」と耳馴染むフレーズと、石井も「懐かしい〜い〜」と 叫び【Sure Danse】(初期バージョン)へ。米米CLUBの頃とは違うスローテンポのアコーステックアレンジだけど、 サビになると、体がフリを覚えてたりする方も多かった筈。ステージ上のフェースに、パープルの光線がゼブラ模様 にあたる。「欲望は〜♪」で、赤いライトも注がれる。

 「いい曲ですよね。『ドラガジア』でも、そろそろやってもいいんじゃないかと、思ってます(会場拍手)」 「実は、今回のツアーはメニューが2パターンあって、選曲が微妙にちがってたんですけど、本日は最終日という ことで、【予感】も聴いていただきます。この曲もアルバムにも入るんですけど、実は妹の「MINAKO」にも あげて、うたってるんで、是非そちらも聴いてください。「MINAKO」のはボサノバちっくで・・・」といったら 勝又バンマスから、石井バージョンもボサノバと突っ込まれ、「まあ、いいじゃないですか」という一幕も。 【予感】は、男が恋の途中で、予感で結末にきずいてたけど・・・・という曲。「MINAKO」 バージョンでは、どうなるのかしら?


[限定数で特別販売された著作本に、特製カバーを付けた状態]

 再びのMCタイムの一言目は「最高ですかあ〜!」と時事ネタへ。あっちやこっちのグルや宗教団体、 熟女二人のけんか話、「すみこ(←言い間違い)」さんならぬ「マスミ被告」、2000年を向かえての世間のお祭り騒ぎ などなど一通り。「続いて、季節の歌を聞いていただきいと思います」。といいことで、秋の歌【オータム】、夏の歌 【Rainy on the Sea】、初夏の歌【草原の日−風−】と3曲続きます。メロディが綺麗な曲ばかりで、こちらもα波 でずっぱり。メロディに気持ちを預けると、心地よいばかり(懺悔”別の日、見たときには、α波出すぎて、ウトウト してしまいました。だって、気持ちよかったんだもン)。

 【オータム】ではオレンジのスポットが綺麗。葉のシルエットもステージに浮かび上がる。続いて 【Rainy on the Sea】では、石井が人待ち顔で、キョロキョロしたり時計を見たりする小芝居が入るんだけど、 ここで、最終日ならではの、スタッフからの石井ドッキリ企画。気持ちを入れて、芝居を始めた瞬間、三輪明弘風の 麗人が登場。手には、前日終演後に配っていた、東京ビューティセンターの派手な傘を手に持っている。唖然とする 石井を尻目に、シズシズと舞台袖に退場。曲の歌い出しにきて「オー、イエー(ブフッ笑)」と、吹き出す石井。 その後も笑いが止まらない。「曇り空の(ゲヘッ笑)だ、ダメだ」。自らの頬を叩いて、必死に立ち直そうとするが、 このツボは、一番の間、随所で押されまくった模様。観客大喜び。スタッフはしてやったりかな? 歌い終わると「お見苦しいものを、お見せしました・・・」と締めたのが、せめてもの抵抗か。【草原の日−風−】 で照明はグリーンへ。ステージ上のフェースにはゼブラ模様のライトが当たる。本当一曲一曲ごとに、照明が 凝っているなア。


[東京ビューティセンターからの、おみやげ傘]
※.終演後、12/26に出口で配っていました。12/27も若干数くばっていたようです。

 MCは、ドキュメンタリーの撮影でニュージーランドに行って会ったフンデルトワッサーの話へ (詳しくは、12/22のライブレポートをご覧下さい)。すぐ目の前にはみえない足元の下の堆肥が、森やそこに住む 生き物を支えてる。その営みを、山全体を彼は作品として作っている、という話に感銘しました。一部最後の曲【光】 は、今日は、そんな彼へささげる歌。そして、熱唱しステージをはけていきました。

 10分のトイレ休憩の後、アナウンスが『もうすぐ始まるよ。すてきなお席に戻り、遠くを見ていてください。』と やられ、第二部開始。起きあがったフェース、石井のオペラ座の怪人が登場。マリオネットの動きのあと、その衣装を 脱ぐんだけど、ここで手間取り、ガードが片足残っちゃったりもしてます(作品製作入る前にチャンと取りました)。 ここでゲストの二人を紹介。中国の楽器「胡弓」の演じてチェンミンさんと、コンポーザとしてお馴染み「マリーザ」。

 いよいよお絵描きタイムの開始。しかし、珍しく一筆目を迷う石井。少し離れて、フェースを見つめているかと おもったら、急に客席に振り返って、ニカッと笑ったりして。この日は、途中で一息入れて、腰掛けて喉を潤したり、 悩んで、ウロウロしたり・・・。そして、出来上がった作品名は『アジアはみている』。スケールの大きい、また 『TATUYA ISHII TOUR 2000 ドラガジア』へのプレリュードとしてもぴったりな作品です。

 「これだけで、帰っていただくのも何なんで」と【ひだまり】。間奏で「胡弓」がソロで奏でられると胸がキュと なった。「胡弓」こんなに合う曲なんて、他にあるかな。大好きで、でも切なくなりすぎちゃう曲。マリーザの 「GOOD NIGHTS・・・」で締める終演のナレーションも流れたけど、当然こんなものでは、帰れない。コールともに すぐ石井他、全員再登場。


[東京ビューティセンターからの、おみやげマニキュア]
※.12/26に各席に置いてありました。

 再度メンバ紹介すると、楽器人はそれぞれの位置へ、マリーザを座らせると、本当に最後の曲【想い】。「米米CLUBが 解散して、最初に作った曲で、前に進めるよう自分に言い聞かせた曲です」なんて、泣けるようなこといいながら、 「今日連続公演では3日目なんですけど、絵を描くのは大変でだんだん肩が上がらなくなっちゃって、シ・・・・」 んん、シ? 「今、四十肩って言おうとしたわけではありません(笑) シアワセって言おうとしたんですよ。」 「では、これで皆さんとは、また来年ということで、聴いて下さい、想い」。歌い終わってはけたけど、もう一度、 出てきた石井は、生「ドラガジアで、待ってるゼイ〜〜」。最後は、やっぱこのアナウンスでしょう。

 『本日の公演はすべて終了させていただきます。はどなた様もかなた様もこなた様も、お年玉を置いていってください。 お忘れ物のないようお帰りください。金目のものはもらっちゃいますよ。よいお年をお迎えください。 あなたにとって来年がよい年でありますように。「ドラガジア」でお待ちしております。ごきげんよう。』


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