かつて俺はマガジンクラッシャーと呼ばれた。「月刊プロ野球ニュース」をわずか1シーズン(8カ月)で休刊に追い込み(一緒にやっていた仲間の鶴師さんはそのごSPA!編集長となり、つい最近解任された。鶴ってほんとはこの字じゃないんだけどね)、次に移った「週刊サンケイ」は「週刊3K」などと呼ばれつつもがんばったが、サンケイ出版とともに消え去った。
その直前に難破船から逃げ出すネズミのように転職した俺はその先の会社でもわずか2カ月で「週刊平凡」の歴史に幕を引き、その社の看板であった「平凡」誌の廃刊の露払いをした。
そんな俺のパワーも「月刊ナーム」を縮小に追い込み、「MOOB JAPAN」を休刊させたくらいで最近は鳴りをひそめている。
もう雑誌の時代じゃないのだ。そこで俺は肩書きを変えようと思っている。これからはハイパーメディア・クラッシャーとして、お気楽アタマのマルチメディア界になぐり込みをかける。誰もその正体を知らないマルチメディア関連そのたもろもろ、どこまで手をひろげるか分からないが、とにかくちぎっては投げちぎっては投げするつもりである。
ところが華々しい「リスタート」の時だというのに、俺の右肩がうずく。右手全体が萎えたような感じである。そうだ、昨晩俺は、犯罪都市バーチャシティの治安を守るバーチャコップとして、何百人もの悪人どもをバーチャガンで撃ち殺したのだった。セガサターンの「バーチャコップ」というソフトはCGはぜんぜんちゃちだし動きもリアルとは言えないけれど、街のゲーセンのゲームみたいに、画面を打つと敵に当たるのだ。それも、敵の武器を持つ手に一発で当たると高得点になるとか、けっこう芸が細かい。
次から次へと敵をぶっ殺していくのはあまりにも気持ちがいいけれど、これはよく考えてみると不思議である。だってうちのモニターはSONYのPROFEEL PRO。なんの仕掛けもないモニターなのに、どういう仕組みで照準が合うのだろうか。バーチャガンを持つ角度が問題なのだろか。
あんまりこのことに固執するとぼろが出そうなので、ここでコーヒーを一杯。ふ〜。
いやいや、そんな時間はない。
この連載ではいままでの批評の分野から抜け落ちたメディアを取り上げ、びしばしと意見を言っていくつもり。新しい「ハイパーメディア批評」の分野を確立しようと思う。今はどの雑誌をみても適当なヨイショ記事しかないもんね。でもちゃんとした批評に値する作品だって出始めているのだよ。
ただしんどいのは、俺はゲームオタクじゃないし、はっきりいってゲームは苦手である。
なにしろいまだに「バーチャファイター」の段位認定モードでは1級の腕前なのだ。
しかし……。パイに旋風脚で吹き飛ばされようが、カゲのトペ・アトミコを食らおうが、ウルフのジャイアント・スイングで回されようが、あるいはその画面を見ていた息子がいきなり乱暴になって祖母に殴りかかっても(おいおいそれじゃオバーチャン・ファイターだろ)、俺は負けない。
俺はジェフリー。必ず勝つ。最後にはコンセントをひっこぬくことができるのだから。
I win!