和井田家住宅

八潮市八条、和井田家   




 和井田家の敷地は周囲に環濠を廻らし、さらには広大な深田にも囲まれているなど、中世豪族

の館跡と思われる場所にあります。また主屋の間取りにも中世豪族館の特徴が見られるので、ど

うやら和井田家は中世の土豪だったものが、徳川の世になってこの地に土着しそのまま開発名主

になった家柄ではないかと思われます。この主屋と手前に建つ長屋門が建てられたのは江戸初期

の17世紀頃と見られ、埼玉県東部地域では一番古い民家です。



    長 屋 門


 長屋門はこれといった特徴

が無いのですが、主屋(屋根

の一部が見える)の間取りに

は中世豪族館の接客様式が見

られ、和井田家が土豪だった

頃の面影を留めた造りになっ

ています。






   和井田屋敷全景


 刈入れ後も水の残る深田の

中に、島のように浮かぶ豪族

屋敷で、屋敷林の中に環濠が

見られます。今でも子孫の方

が居住されているようですが

堀などの整備はされていない

ようで少々荒れています。





    和井田家主屋


 近年重要文化財に指定され

て、日時限定ですが見学出来

るようになりました。生活様

式の変化などで増改築されて

いますが、建築当初の、一般

の農家とは明らかに違う中世

武家住宅の名残の見られる建

物となっています。