芦野氏陣屋裏門

那須郡那須町芦野字上の町、大塩家   




 芦野氏は那須一族の流れをくむこの地の戦国時代からの豪族で、徳川の世になると三千石の

旗本として戦国時代に築かれた芦野城の二の丸跡に陣屋を構えました。通常の旗本陣屋の場合

は代官屋敷程度の陣屋が多いのですが、芦野陣屋は戦国時代の山城の中腹に築かれた事からも

大名陣屋に匹敵する規模と構えの陣屋だったようです。実際の禄高も一万石に近かったようで

格式としても江戸城での控えの間が譜代大名と同じ帝鑑の間詰で、参勤交代が義務付けられた

交代寄合の旗本でした。つまり領主が三年交代で芦野陣屋に居住するので御殿等も必要になり

陣屋の規模も大名並みになっていたようです。

 ただ明治になると陣屋は廃止になり、現在の芦野城址には建物は何も残されていませんが、

陣屋の裏門が城下の民家の入り口に移築され残されています。また城址も芦野陣屋跡として町

の史跡に指定され、地形も当時のままに保存状態良く整備されています。




    芦野陣屋裏門


 城下の民家の入り口に移築

されて町の文化財にも指定さ

れています。本来は長屋門形

式の門で、左手は厩になって

いたそうで元から左右対称で

はなかったようです。





    城址の丘遠望


 手前の建物は那須歴史探訪

館で模擬陣屋門もあるのです

が、表門は四脚門だったので

芦野陣屋の門とは違うようで

す。その陣屋は山頂部ではな

く右手の一段低くなった二の

丸にありました。




   城址への登り道


 城址への探訪路はきちんと

整備されていて足を滑らせる

事も無く、少々息が切れまし

たが気持ちの良い城跡散策が

楽しめます。






    芦野城本丸跡


 ここは戦国時代に築かれた

本丸跡で、空掘りで隔てられ

た複数の郭が連結式になって

いるようでした。本丸跡から

は西方の眺めが良く那須連山

が良く見えます。