特性としては最大出力0.7Wという事でスピーカー用としては非力な感じもしますが、使用を想
定する夏場に大きな音で鳴らしたのでは余計暑苦しく感じると思うので、実用上はこの位の出力でも
問題ないと思います。またON-OFF法で測ったDF値は、ミリバルではほとんど針が動かないの
で、仕方なくデジタルテスターで読み取ったのですが、精度も疑問ですし、半導体アンプでは計測す
る意味がないようです。
一方、本来の性能とは関係ない話ですが、本機は省エネを意識したアンプとして直接の消費電力以
外に部品の製造過程の省エネも考えて、再利用品を積極的に使うように心がけました。例えば半導体
アンプに付き物の基板スペーサーなどは、使い終わったキャップ式ボールペンを輪切りにして使いま
したし、終段の石に必要な放熱板も、アルミではなく銅板を丸めて放熱フィンとして被せました。
またCR部品もほとんどジャンク品ですが、特別にチェックして使った訳ではないのに部品の不良
に因るトラブルは皆無でした。・・・最近の部品はあまり故障しないようですね。
雑 感
本機は設計者ぺるけさん指定の石ではなく、あり合せ部品の寄せ集めで組んだので、オリジナル通
りの性能は望まず「音が出れば良し」と思っていたのですが、やはり設計が良いのでしょうか、得ら
れた特性も肝心の音も十分常用に値するセットとなり、当初の狙い通り、盛夏で真空管アンプを点火
するのが厭われる季節には打って付けのアンプとなりました。
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