晴耕庵の談話室

NO.82



標題:「ブレイブハート」参考になりました

APPRECIATION

2003/2/19

ロンドン憶良様


はじめまして、Hと申します。

通っている高校の授業で、去年の梅雨頃に
「歴史に関する映画を見て、その時代背景、人物について調べ、出来
事の意義などをまとめよ」
という宿題が出たので、メル・ギブソン氏の「ブレイブハート」を見、そ
れをきっかけにWebサイトを拝見させていただきました。

イギリス史、というとほとんどがイングランドのものばかりで、スコット
ランドは思ったよりも見つからずに困っていたので大変助かりました。
文章も非情にわかりやすく、おまけに挿絵つきでかたくならずに読め
るところが魅力だと思います。

おまけに内容もおもしろいので授業の調べ物を越えて楽しませてい
ただきました。

最近その宿題がきっかけでUK、特にスコットランドに興味を持ち始め
ているのですが、これも「ブレイブハート」と憶良さんのWebサイトのお
かげです。もう知りたいことがどんどん増えていきます。

ところで私が中学生だった時の英語の先生が
「イギリス人って言ったらEnglishって呼ぶけど、Britishとも呼
ぶよな。でもBritishよりEnglishの方がよく聞く呼び方だよな。それに
Britishって時には侮蔑的な意味も含まれてるみたいなんだ。でもな
んでかわからないんだよな。誰かわかる人いない?」
と授業中におっしゃっていたことがありました。

その質問をされた時はUKの方は皆Englishだと思っていたので、さっ
ぱりなぜだかわかりませんでしたが、これも憶良さんのWebサイトを
見て謎が解けました。

本当にBritishという言い方が蔑みを持って使われることもあるのかは
知りませんが、今ならその可能性は理解できます。

しかしよく考えてみればスコットランド、ウェールズという名の国に住
んでいるのにイングランドの名が全ブリテン島民族についているはず
もなく、今思えば浅はかな思い込みで恥ずかしいです。

それでは長めのメールになってしまいますのでそろそろ失礼致します。

                       H (高校生)
YOUR WELCOME

2003/2/20

Hさん


メールありがとう。
授業の参考になったそうで当方もうれしく思います。これからも充実
させて、若い皆さんの国際理解のお役に立ちたいと思います。

「ブレイブハート」は、若干虚構を織り交ぜているものの、イングランド
王エドワード1世に征服され翻弄されていたスコットランドの状況と、
抵抗の歴史がよく分かりますね。

この映画はスコッツの地方自治権獲得意識の高揚に大きく寄与した
と思います。
スコットランドとフランスの親密関係、あるいはアイルランドの傭
兵など、時代の背景もさりげなく描かれており、結構面白いですね。

GB(グレート・ブリテン)という表現は、車のナンバー・プレートにも
使われていますが、ブリティッシュという表現には蔑みは少ないと思
います。
ブリティッシュ・エア・ラインとかブリティッシュ・レイルなど、欧州では
UK同様に一般的に使用されております。広義の英国人ブリティッシュ
というべきところ、イングランド人に限られるイングリッシュが乱用され
ているのは日本ぐらいかもしれません。

英語の教師がイングリッシュとブリティッシュの区別を知らない現実
に、日本での英語教育の基本の欠落と悲しみを感じます。どうぞそ
の先生にさりげなく教えてあげてください。
先生の授業を受ける生徒数と勤務年限を考えますと、相当数の生徒
が、イングリッシュとブリティッシュの区別を知らずに、混乱したまま
進級し、社会人になることになりますから。

そのためにも私のホームページが皆さんのお役に立てば幸せです。
これからもどうぞご感想やご意見をお寄せください。

                         ロンドン憶良


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