晴耕庵の談話室

NO.13


HELLO & REQUEST


98/11/ 1
標題: はじめまして!

こんにちわ!
いつもHP楽しく拝見させてもらってます。
まだ行ったことのないUKでありながら、LONDON憶良さんのわかりやすい
絵と説明で、一度はUK(特にスコットランドとアルスター)に行こう!と夢見
ています。

申し遅れました、私は今米国に留学中の学生です。
「ロンドン憶良見聞録」での車の免許取得のエピソードなど僕も同じような体験
をしていたので、「そーいえば免許取りに行く時、免許持ってないのに試験場ま
でいったっけ・・・」
と、頷きながら読みました。

さて、僕がこのHPを知ったきっかけはスコットランドに関して調べている時で
実は今、Globalization & Ethnic Identity という授業で北アイルランド紛争を
テーマに論文、そしてそれを元にプレゼンテーションをすることになっています。
あらかた概要はできていますが、やはりUKの一員としての、アルスターの地理
的、社会的立場を説明するにはコトバだけではうまく説明しきれない、というの
が課題になっていました。
やはり、憶良さんの絵と説明文が一番わかりやすいと思い、こうしてメールを書
いている訳です。

一度は自分で書いてみましたが、どうしても分かり難くなってしまうし、期日も
迫っているので、憶良さんの承諾が得られれば・・・・、と考えています。

お忙しいところをすみませんが、画文引用承諾の件、お願いします。
できれば2、3日中にお返事をいただければ幸いです。

さて、長い文になってしまいましたが、今回はこのへんで。
これからもHP楽しみにしています。

                          T.S.


APPROVE


T.Sさん

メールありがとうございます。
米国からのアクセスうれしく思います。
私の画文どうぞ引用されて結構です。大学や高校生のレポートの参考にされ
ることは、この上もない喜びです。(ただし引用先として私のURLを明記して
おいてください)

米国留学生としては初のメールです。談話室に載せてもよいでしょうか。
またもし英文に翻訳されるのであれば、レポートを頂けませんか。

来年以降のテーマとして、英語版を考えていますので、その際にはいろいろ
教えてください。そのとき初めてジャパニーズ・ネットから真のインターネ
ットに脱皮できると、自分に課題を与えています。
今後ともどうぞよろしく。

1998.11.1               ロンドン憶良


THANKS & REPORT


98/11/ 3
標題: メールありがとうございます


ロンドン憶良様

快く画文引用の件承諾していただき、本当にありがとうございます。
まだまだ論文自体は、完成とは程遠い段階ではありますが、プレゼンテーション
が終わり次第、校正をした後、お礼の意味も込めて送りたいと思います。

まだHPすら持っていない私としては、あの内容の濃いHPのコンテンツだけで
も十分驚かされているのに、さらに英語版も考えていられるなんて、憶良さんの
創作意欲には脱帽させられます。

さて、今日も北アイルランド紛争について色々調べていましたが、教授の一人が
アイリッシュ出身のカトリックと聞いたのでさっそくインタビューしたところ、
面白い話を話してくれました。
以下、意訳ですが忘れないうちに書いておこうとおもいます。


「最近の90年代のIRAの闘争とゆうのはカトリックとプロテスタントの争い
、というより、IRAと英国軍(特に、「SAS」というテロ防止、対策専門の
特殊部隊だそうです)との私怨の争いだったんだよ。IRAメンバーはSASの
軍人だけでなく、退役軍人にも爆弾を仕掛けた。ベルファストに駐留していた、
と、ただそれだけの理由でね。犠牲者がでるとSASはIRAのメンバーを射殺
する。
そうやって泥沼化していったんだ。」


その教授はあくまでIRAの爆弾テロには反対していましたが、やはり彼らの気
持ちもわからないでもない、とこんな話も話してくれました。


「60年代にカトリック教徒による公民権運動が盛んで、様々な差別に対するデ
モを行ったのは知っているかい?しかしこれはプロテスタントの反感を買った。
だけでなく、プロテスタントの過激派を鎮圧するはずのアルスター警察ですら、
カトリックに対して攻撃を加えたんだ。ほとんど内戦状態だね。
これに対して英国政府は英軍を派遣してアルスター警察、プロテスタントを鎮圧
して、カトリックの人々はやっと平和がくるとおもった。けれど英国軍は次第に
カトリック教徒達の行動を制限し始めたんだ。そして待っていたのは、またして
も英国軍(SAS)による支配だったんだよ。」

「つい最近のIRAメンバー達のたいていが30、40代だったのは、その支配
されていた当時まだ少年だった者がほとんどなんだ。」


と、少しかいつまんで書きましたが、僕はこの話を聞かされたあと、世界各地で
起こっている紛争の本質を見たような気がしました。
それにこの話をすんなり理解できたのも、憶良さんのHPでの基礎知識があった
からこそだなぁ、と思ってます。

さて、長くなりましたが今回はこのへんで。

P.S.「晴耕庵の談話室」掲載についてですが、自分のような駄文が掲載とは
光栄です。
                            T.S.


THANKS


T.Sさん


教授のお話は大変興味深く拝見しました。
IRAと英国軍の抗争は、どろどろした人間の動物本能的な私怨の殺し合いになって
いる一面があるとのこと。これは傍観的な他者ではわからない問題でした。

少年時代受けた教育や経験が尾を引いているとの指摘も、軍国主義時代の日本や
他国の紛争を見るとよく理解できます。

映画「デビル」(この邦訳は不適切と思いますが)や「父に祈りを」などが
もっと理解しやすくなりました。

アイルランド人カトリックの教授の大変得難い貴重なコメントでした。
プレゼンテーションの成功を、期待しています。

ではまた             ロンドン憶良 

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