晴耕庵の談話室

NO.2


HELLO

標題: ホームページ拝見しました
96/ 8/25

はじめまして。H.K.と申します。大杉さんのホームページを拝見しました。
英国に関する文章、とても楽しく読ませていただきました。イラストもご自分
で書かれたのですか?文章もイラストもセンスが良いですね。
失礼ながら、60台の方がインターネットの最前線でこんなすばらしいページを
作られているのにびっくりしました。
銀行にずっとおつとめだったとのこと。私も現在某都市銀行に勤務しております。
大杉さんのように駐在したことはないのですが、仕事上年に1度ぐらいずつ海外
出張があり、ロンドンにも4回行ったことがあります。初めて海外出張したの
がロンドンだったこともあり、イギリスには親近感を覚えています。
昨年の出張時にはじめてロンドンを飛び出し、スコットランドやウェールズに
観光で行ってきました。特にウェールズに行ったときには、BRの駅名の表示が
英語とウェールズ語で併記されているのを見て、別の国に来たことを強く感じ
ました。
大杉さんが書かれているように、「イギリス」という呼び方では、このような
感覚はわからないでしょうね。
大杉さんのご本に興味がありますが、普通の書店で入手可能でしょうか。
特に「ロンドン憶良見聞録」を読んでみたいと思っているのですが。
私も大杉さんのようなホームページを作ってみたいと思っているのですが、忙
しさを口実に実現していません。(大杉さんと同じアサヒネットの会員です。)
大杉さんのホームページに刺激されましたので、これから自分なりにホーム
ページを作ってみようと思いました。

H.K.


THANKS

SUB:ホームページお立ち寄り多謝

H.K .様
メールありがとうございました。32歳の銀行員とのご紹介を拝見しました。
そのお年で海外御出張も多々されているご様子。国際部門でのご活躍と推察い
たしています。某都市銀行に勤めます私の息子と同年齢で、いささか感慨無量
です。
さて、拙著「ロンドン憶良見聞録」(日経事業出版社)は市販していません。
ご希望の方に私の方から郵送し、代金は振り込み頂いています。
ご住所をお知らせ下されば、直ちに発送いたします。
読後感など忌憚ないご意見をお寄せ下さい。
ではまた 1996.8.30


REPORT

題名:「ロンドン憶良見聞録」読みました

Date: Mon, 16 Sep 1996
From: H.K.

大杉さん、こんにちは。先日「ロンドン憶良見聞録」を送っていただいた H.K.
です。ご著書大変楽しく読ませていただきましたので、お礼と感想をと思い、メ
ールさせていただきます。

ご本を読んでまず感じたのは、大杉さんが本当に楽しんで文章を書かれていると
いうことです。まるで雑誌の連載エッセイを読んでいるようで、読者とのキャッ
チボールを楽しまれているようですね。
また、プロ級の巧みな構成力とタイトル選びにも感心しました。ユニークなタイ
トルで読者をひきつけておいて、読み進むにつれてその種明かしをされるという
パターンで、読者を飽きさせません。固い話が続くと息抜きに柔らかい(?)話
題に転じるなど、心にくいばかりです。
もちろん、内容も楽しいものばかりで、短い期間ですが何度か渡英経験のある私
には、特に興味深かったです。いろいろなエピソードを、自分がロンドンに滞在
した時のことと照らし合わせながら、どんどんひきこまれて読みました。大杉さ
んの趣味の広さと教養の深さには、何度も感心させられました。仕事に関係ある
ことだけではなく、もっと幅広い勉強をしなければいけないのだなと、反省させ
られました。

最近はリンボウ先生の著作などイギリスに関する本がたくさん刊行されています
が、それらの本にまさるとも劣らない素敵なご本だと思います。特に銀行にお勤
めになられた、私にとって大先輩にあたる方が書かれたものだけに、題材も親近
感を感じるものも多く、とても楽しめました。
わがままな読者としては、ぜひこの続編を、と希望したいです。もし可能でした
ら、大杉さんのホームページに連載されてはいかがでしょうか。知り合いにもア
クセスするよう勧めてみます。
最後に改めて、楽しい本をどうもありがとうございました。
H.K.


REPORT

標題: Ns' Snowdonia Conquest
4 May 1998

ご丁寧にお返事ありがとうございました。何を隠そう、私今年からパソコンを
始めたばかりの新米で、ホームページ宛てにメールを出したのも初めてでしたの
で、お返事を戴き驚くやらうれしいやら、さっそく今回の旅行についてお便りさ
せていただきます。 (それにしても、こんなに離れた所の、しかも見も知らぬ方
とこういう形で'文通'するのは、実に不思議な気がします。10年前も夫の仕事の
関係で外国にいましたが、あのころでもまだ、ロンドン憶良さんと同じように、
日本が遠く感じられたものでした。)

さて今回の旅行は、たまたまAAのホームページでLlandudnoによさそうなホテル
をみつけたのがきっかけで急に思い立って決めました

旅程

5月2日 Bolton発、M6を南下しChesterの北を回ってWalesへ。Conwy城見学。
5月3日 LlanberisからSnowdon登山鉄道乗車。 下車後Caenarfon城見学
5月4日 Llandudno発、帰宅。

5月2日
朝から素晴らしくいいお天気、まさに絶好の行楽日和。おにぎりのお弁当もつん
で、いざ出発。ちょうど2時間でConwy城到着。子供達(恒和・7歳/めぐみ・5歳/
和泉・2歳)は、本物のお城に大喜び、"さあ、のぼろうではないか!"と元気に石
段を駆け上がって行きました。親は、手すりの間から子供が転げ落ちるのではな
いかとひやひやしながら見学です。こんな立派なお城をわずか4年で建ててしま
うなんて、この王様絶大な力を持っていたのですね。そしてまた、よほど事態
切迫していたのでしょう。
塔の中にあった、当時の城と城壁内の街の模型がとてもよくできていて参考にな
りました。

5月3日
この日も上天気。Snowdon山のあたりは悪天候で有名らしいですが、雨具は使わ
ずに済みました。
2歳から鉄道ファンの恒和は、アプト式の蒸気機関車をはじめてみます。"ぼく、
この石炭のにおいが好きなんだよねー。"と、機関車に張り付いていました。
この時期は頂上までは行かず、途中のClogwyn駅で折り返しとのこと。それでも
上は風が強く、冬物のコートでも寒いほどです。さすがにここまで上ると羊もい
ませんでしたが、ベビーカーを押して歩いて登っている人には驚きました
。 イギリス人(でしょう、たぶん)って、本当に歩くのが好きな人たちですね。(目
的地に1メートルでも近く車を乗り付けたいアメリカ人との何という違い!)"今
度、○○へ歩きに行かない?"というお誘いをしばしば受けます。WALKINGは、ご
く自然に生活の一部になっているのでしょう。
午後は、Caenarfonの城へ。わざわざこの城に后を呼んでお産をさせたというの
で、どんなところかと思ってみたのですが、きっとこんな辺境の地でお産をする
のは心細かったことでしょう。歴代皇太子の立太子式を行う由緒ある城にして
は、こぢんまりと小さく、さほど威厳ありげには見えませんでした。次にここで
皇太子となるのはいったい誰なのでしょう。もし巷間噂されるように現皇太子が
王位を継承しなかったら、ウィリアム王子は、皇太子になることなくKINGになる
のでしょうか。ともあれ、次にこの城がスポットライトをあびるときは、
"あっ、ここ行ったことあるよね"と子供達と話すことでしょう。

5月4日
Llandudnoは、子供向けの移動遊具を歩行者天国いっぱいに集めてFestival開催
中でした。回転木馬やミニSLを見つけて子供達はまたまた大喜び。イギリスは、
レストランやホテルなどで厳しく大人と子供を分けていますが、その分子供にも
ちゃんと楽しみを見つけてあげられるようにできていて、そういう場所では大人
も童心にかえって、(子供にしぶしぶお付き合いするのでなく)心から楽しんでい
る人が多いような気がします。

前回出かけたヨークのミンスターは、あまりにも立派すぎ、また整いすぎてい
て(それはそれで、神の偉大さを示す宗教的意義に叶ってはいるのでしょうが)何
かこう受け入れがたいものを感じたのですが、今回のConwy城は、あの黒っぽい、
風雨にさらされ角が取れかけた石の建物が奇妙に懐かしく感じられました。ここ
には確かに血の通った、体温を持った人々がいたのだということを素直に信じら
れた気がします。
このあたりの歴史をもっと詳しく知ったら、もっと面白く興味深く見られたのに
・・・
残念ながら現在我が家には、中央公論の'世界の歴史'があるだけなので、概説的
なことしかわからないのです。日本語でかかれたイギリス通史のよい本があった
ら、ぜひご紹介ください。

昨夜、'見よ あの彗星を'を16章まで読ませていただきました。面白くて、主人
と夢中で読みました。15日の更新が楽しみです。
今回ぜひ写真をお見せしたかったのですが、デジカメの調子が悪かったようで
す。ここで撮影担当の主人をご紹介いたします。いまやすっかりロンドン憶良さ
んのホームページのファンになっています。

===バトンタッチしました。Y.N.です。デジカメの操作がうまく行かず、
Conwy城の写真をお届けできなくて残念です。
以前から英国史には少し興味があって、市立図書館などで本を借りたりしていた
のですが、ノルマンコンクェストについてあまり詳しいものに出会えませんでし
た。たいていの本が「ウィリアムが王位継承権を主張した」とか「ハロルドが王
位を簒奪した」といった程度の簡単な記述でしたので、ロンドン憶良さんの「見
よ、あの彗星を」は大変勉強になりました。イラストも素敵ですね。
昨年からBoltonに赴任しましたが、同時に赴任した日本人スタッフも(私以外全
員単身赴任です)休日ごとに古城巡り、連休が明けると歴史の話に花が咲くよう
になりました。
「見よ、あの彗星を」は一般書店で入手可能でしょうか。ぜひ読ませて戴きたい
と思います。

長くなりましたので、このへんで失礼します。またお便りします。

MR & MRS Y.N.


THANKS

Nさん

メール拝見しました。スノードンには頂上までいけず残念でしたね。私の家族
の当時の写真も頂上の寒さに震えている様子を残しています。
少し下がるとぽかぽかなのに、やはり高山ですね。アーサー王伝説やウェールズ
の歴史でしばしば出て来る懐かしの名山ですね。

北ウェールズの古城めぐりのドライヴはそのうちホームページで紹介したいと
思います。とくにイングランド王エドワード一世のウェールズ鎮圧と関係が深く
それが現代まで続きましたから。

拙著ご購読のご希望うれしく思います。本屋のルートに乗せていませんので、
希望者には当方から直送しています。住所をお知らせ下さい。
送金は書籍到着後で結構です。送金先はメモを入れておきます。

初版は昭和57年ですが意外に人気があり、平成6年復刻再版を出したものです。
私家版なので本来ならば無料とすべきですが、実費の一部をご負担していただく
ことにして1000円としましたのでご了承ください。

なお私の資料ではBoltonはサミュエル・クロンプトン出生の地で、中世の史跡の
多い町のようですね。織物関係のお仕事でしょうか。
湖水地方にも近いので英国の田園生活もお楽しみください。

  1998.5.9 ロンドン憶良


POSTSCRIPT

Nさん
なおかってご質問を受けた事項ですが、日本語の参考書としては
福田恒存「私の英国史」中央公論社¥1700
森護「英国王室史話」大修館書店¥3800
森護「スコットランド王国史話」大修館書店¥2400
あたりが読み物として面白いと思います。

1998.10.2 ロンドン憶良

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