あ と が き
自分の中に「あるイメージとしてもっている」つもりでも、形にしてみると思い通りに表現できないものですね。舞台の作り方
というものは、練習している時に直接行動したり話したりするから「生きた言葉」として相手に伝わる部分が出てくるのかもしれ
ません。ワープロに向かい、あるはずのものをさがしながらキーを叩いても、後から読み返すと、思っていることの半分も文字と
して書かれていないのです。もっと具体例を入れればよかったかななどと、原稿をまとめるときになって感じています。
岩手県高等学校演劇協議会で毎年発行している「創作脚本集」の、平成八年度分の経費をこの冊子の印刷補助費としてま
わしていただきました。会に百部納めることになっていますので、岩手県内の演劇部にも配布されることと思います。
沢山出版されている演劇関係の専門書には及びませんが高校の演劇部顧問を経験した立場から感じたことを、自分なりに
まとめたつもりです。前回の「舞台からのメッセージ」と合わせて、参考になるところが少しでもあれぱ嬉しく思います。
生き生きと活動し、大きく成長する演劇部貝の姿を見ることが楽しくて、三十数年という間高校演劇に係わってこれたのだと
思います。その生徒たちに出会えたことを感謝し、高校演劇がますます大きく成長することを願っています。
横澤信夫
一九九七年 六月
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