<スウェーデンハウス体験記>

Since 2012/12/30
Last update 2023/12/13




これから家作りをする方のために、我が家の体験が少しでも参考になれば幸いです。


玄関(2019年4月撮影)

我が家では、2012年にスウェーデンハウスで家を作りました。(2012年4月入居)場所は東京都の郊外です。
その体験記をこのページでご紹介します。



結論から言うと、できあがった家に満足しています。
ただ、スウェーデンハウスが誰にでも向くかというと、人によって向き不向きがあると思いますので、その特徴を良く理解しておく方が良いでしょう。
そのあたりを、これから書いていこうと思っています。

*特徴

1.遮音性が良い。
外の音はあまり聞こえないので、家の中が静かです。雨が降っているのに、気付かない時もあります。また、室内で音楽を大音量で再生しても、外で聞こえるのは普通にテレビを見ている音くらいの感じです。
その分、夜は換気システムの送風音が気になります。
また、他の部屋の音はけっこう聞こえます。特に2階で何か床に落とした時の音は響きます。

2.断熱性能が高い。
3層ガラスと木製サッシの窓は、冬の風呂場の窓ガラス以外は結露しません。
居間のエアコンを冬は20度に設定して常時動かしていますが、家全体がホワッと温かです。足元が寒いという感じがしません。
夏も28度に設定して、扇風機を併用していますが、十分に快適です。外から帰ってきた時に、玄関がひんやりしているのは気持ちの良いものです。
また、居間のエアコンのおかげで、1階全体が温度差の少ない空間になっています。風呂場と脱衣所、トイレまで、居間と2~3度差に保たれ、快適です。
ただし、木製サッシの外側は、定期的に塗装する必要があります。

3.木を生かしたインテリア
木製サッシと各部屋のドアが木目なので、木を生かしたインテリアになります。木が好きな人は、きっと気に入ると思います。
もっとも、このあたりは注文でどうにでもなりますし、和室も作れます。



*費用

肝心の費用ですが、我が家の場合、契約した段階で坪単価は89万円でした。
この中には、地盤調査と地盤補強工事の費用と太陽光発電が含まれます。

含まれないものを金額の大きい順に書くと
○外構工事費(フェンス、門扉、カーポート等)
○家屋解体費用
○エアコンと照明
○カーテン・ブラインド
でした。

そんなに贅沢な仕様にしたわけではなく、ほぼ標準仕様でしたが、屋根を瓦にしたのと、外壁の下半分を少し見栄えの良い材料にしました。
給湯は普通のガス給湯ですし、台所もガスです。

*地盤調査と地盤補強工事

家を建てる前に、地盤調査をしてくれました。これによると、やや弱い部分があるとのことで、地盤補強工事をしました。深さ3メートルまで、直径40センチの穴を30本以上掘り、セメントを流し込むと言うもので、かなり安心感があります。費用は60万ほどかかりましたが、見積もりに最初から入っていたので、予算不足にはなりませんでした。もし、地盤が固くて工事が不要でしたら、その分安く上がったことでしょう。


*太陽光発電

最初から太陽光発電のパネルを設置するつもりでした。費用は工賃込みで150万ほどでしたが、国と都と市からそれぞれ10万前後の補助金が出ましたから、実質120万ほどで設置できたことになります。
2.35KWのものですが、南向きの屋根と西向きの屋根に振り分けてありますので、実際の発電量が2.0KWを超えることは、ほとんどありません。それでも、月に3000円から5000円ほど電気を売っています。もちろん、日中に発電された分は、消費電力を相殺しますから、実際には売った金額も含めて、月に8000円程度は電気料金を得していることになりそうです。
年に10万節約できるとすると、元を取るのに12年となるはずですが、はてさて。

2013年5月分は、電気を売った金額が、使った電気料金より多くなりました。これは初めてです。(100円程度ですが)

2021年の収支を計算してみました。発電総量が2496KW/hでした。そのうち930KW/hを電力会社に売りました。したがって、1566KW/hを消費したことになります。単価を売却42円、消費電力を35円(どちらも小数点以下省略)とすると、
売った金額 930×42=39060円 消費(電力会社から買わなくて済んだ金額) 1566×35=54810円 合計93870円
だいたい、年10万程度のペースは保っているようです。4月に42円の契約は終わり8.5円になりますが、それでも年間6万円程度の節約はできるでしょう。
したがって、設備総額136万(下記の追加工事も含む)、今までに100万節約したと考えると、元を取るのにあと6年となります。
大雑把な計算ですが、最初の10年間は年10万円、以後6万円の利益と考えると、16年で元が取れて、以後は年に6万円の利益となります。問題は、いつまで故障せずに稼働するかです。

2022年4月、定額の買い取り期間が終了したので、電気の売却先をENEOSにしました。1KW/h11円です。最近は電気料金が上がっていますので、売るより自分で消費した方が得になっていますし、元が取れるのも早くなったと思います。

一年間ENEOSに電気を売った結果、8500円の収入になりました。夏冬は200円台、春秋は1000円を超える時もありますが、平均では月700円程度です。

*雨戸

雨戸はありません。最初、ちょっと心配でしたが、雨戸を開け閉めしないで済みますので、手間がかかりません。特に、夜遅く帰ってきた時や、朝早く起きた時など、近所の家に遠慮しながら雨戸を開け閉めする必要がないのはうれしいものです。

*玄関ホールのドア

我が家では、玄関ホールの左側に居間があるのですが、玄関ホールと居間の間にドアはありません。設計段階で、つけた方が良いかなと思いましたが、実際に住んでいる方の家を見学させていただいて、不要と判断しました。実際に住んでも、全く必要性を感じません。

*カーテン

ほとんどの窓をロール式のカーテンにしました。これは、ワンタッチで完全に閉まるので便利です。



*エアコン

スウェーデンハウスは、エアコンと相性が良いようです。エアコンを積極的に使うことで快適な空間が作れます。
我が家は、居間の場合、夏は28度、冬は20度に設定して、24時間動かしています。また、寝室は夏27度、冬22度で寝る1時間前にエアコンのスイッチを入れ、寝るときにタイマーで1時間後まで動かしています。それでも、電気代は20000円を超えません。エアコンをやたら切らないで使い続ける方が、効率が良いようです。
なお、春と秋はエアコンのスイッチを切り、窓を網戸にして換気しています。2014年は4月1日にエアコンを切りました。

*24時間換気システム

最近ではどの住宅も24時間の換気システムが装備されるようになって来ました。これはなかなか快適なもので、室内の温度差が少なくなるのと、窓を閉めたままにしても室内ににおいがこもりません。
さらに、花粉対応のフィルターを入れてから、花粉症の症状改善に効果がありました。夜、鼻づまりがあまりなく、寝苦しくありません。
また、洗濯物も室内干しで良く乾きます。我が家では、オプションの、天井から下がる取り外し式フックを各室内に取り付けましたが、これがとても便利です。洗濯物を干すのに大活躍しています。



*塗装

最初のペンキ塗りを2013年8月にしました。ウッドデッキの無塗装だった部分が、かなり傷んできたので水性のステインを塗りました。これは薄める必要がなく、扱いやすいものです。仕上がりもきれいでした。
2014年4月、木製ドアをスウェーデンハウスから購入した専用塗料で塗りました。
2014年5月から、窓の外側木部の塗装を始めました。窓が19あるのですが、南や西の日の当たる部分から初めて、7月中旬に塗り終わりました。天気の良い休みの度に、3枚くらいずつ塗るようにして作業を進めました。このペースだと、午前中に始めてお昼頃には終わるので、無理がありません。
築2年ですが、日の当たる部分はかなり傷んでいました。やはり2年以内に一度は木部の塗装が必要なようです。

2017年5月、築5年を経過しましたので、木部の塗装をお願いしました。全部の窓の木部と玄関ドア、庭のウッドデッキが対象です。費用は約17万円。3人で来て、1日半で、足場を組まずに梯子を使って二階の窓も塗装してくれました。この職人さんも、後述の「お客様センター」を通じてお願いした方で、仕事は丁寧で、スウェーデンハウスに慣れていて、安心してお任せすることができました。なお、この塗装は持ちが良く、5年たった2022年3月時点では、まだ再塗装の必要性を感じません。

*犬

我が家には雑種犬「ピピ」がいました。もともと外で飼っていたのですが、家ができてからは室内にいることが多くなりました。夏も冬もエアコンで過ごせるので、スウェーデンハウスを一番喜んでいたのはピピかも知れません。床はフローリングですが、ピピが歩く時に多少滑っているものの、特に問題はありませんでした。ピピは2015年の年末に14歳8か月の生涯を閉じましたが、晩年、室内でのんびり過ごせて、良かったのではないかと思っています。

*改修

2013年11月に、洗面所の窓にプリーツ式の網戸を取り付けました。春や秋に外気を取り入れる時に役に立つと思います。取り付け料込みで17800円でした。
その後、和室の天井に、前記の取り外し式フックを2つ設置しました。(約18000円)

このような修理や改修は、スウェーデンハウスの「お客様センター」に電話するとやってくれます。自分で業者を探さなくても良いので安心です。このあたりも、スウェーデンハウスを選んだ理由の一つです。

*今までのトラブルとメンテナンス

引き渡しを受けてから、もう10年を過ぎました。今までのトラブルをまとめてみると、引き渡しを受けてすぐに見つかったのが、玄関のひさしの雨樋からしずくが落ちてくることと、玄関の収納の扉がこすれること、風呂場の窓がこすれることでした。これは定期点検で見つかり、すぐ修理してくれました。
その後、玄関ドアがこすれるようになりましたが、これも定期点検の時に直してくれました。
2014年1月に、ウォッシュレットのノズルが5センチくらい出たままで戻らなくなりました。これはTOTOのサービスに直接修理を依頼しましたが、保証期間内と言うことで無料でした。

2014年2月の大雪の時に、屋根から落ちてきた雪の塊が車を直撃して、車の屋根全体がへこんでしまいました。南側は太陽光パネルがあるので、雪止め瓦が無くて、雪が一気に滑り落ちてきたのです。
これから家を作る方は、車を駐める場所の上の屋根には、雪止め瓦をつけることをお勧めします。
その後、2016年1月に太陽光パネルに滑り止めを取り付ける工事をしました。パネルとパネルの間の板を交換して、そこに雪がひっかかるようになるはずでした。足場を組んでの工事で、16万2000円かかりました。ところが、その次の大雪で早くも車の屋根に落雪。またへこんでしまいました。そんなわけで、設計時に落雪のことだけは注意が必要です。

2019年4月に7年目の定期点検を受けました。特に問題はありませんでしたが、換気システムの掃除を定期的にするよう、アドバイスを受けました。
2020年8月に息子の部屋のエアコンが冷えなくなりました。修理費用がかなりかかるとのことで交換しました。約17万円。
2020年10月、ネットで探した専門業者にエアコン3台の掃除をお願いしました。1台1時間程度の時間がかかり、費用は1台11000円でした。
2021年4月に給湯器のエラーが表示されました。サービスに来てもらうと、内部にある中和器の寿命とか。交換すると約2万だそうですが、本体の寿命も近いと判断し、本体を交換しました。10年後までの補償をつけて約37万でした。
2021年7月にガスコンロが点火してすぐに消えるようになり、修理をお願いしました。部品交換で、約16000円です。
2022年3月に10年目の定期点検を受けました。今回は床下も点検して、大きな問題はありませんでした。ツル性の植物が土台の中に入らないよう気をつけることと、風呂場は、換気をするためなるべく網戸にしておくと良いとのアドバイスがありました。
2022年3月にシロアリ防除をしました。定期点検の時に紹介された業者にお願いしました。費用は約17万円です。
2022年7月に居間のエアコンが故障しました。これは近くの家電店で交換をお願いしました。約18万円。暑い季節でしたが、交換までの10日間は、隣の和室(四畳半)のエアコンを稼働させて十分に過ごせました。

もう新築から10年を越えましたので、エアコン、食洗機、洗浄便座などの交換時期が次々に来ると思います。それなりの費用を覚悟しておいた方が良さそうです。

*3大欠点

10年以上住んで、スウェーデンハウスの欠点がはっきりして来ました。発表してしまいます。

1.建築費が高い
2.窓枠のメンテナンス(ペンキ塗り)が大変
3.2階の音が下に響く

これを知らずにスウェーデンハウスにすると、がっかりするでしょうし、これを承知の上でスウェーデンハウスにするなら、満足度は高いでしょう。(和)続く

スウェーデンハウスのホームページ


ご質問など、メールの宛て先は ci8k-wkmt@asahi-net.or.jp です。

  メインメニュー 「若本和秀と恵子のホームページ」へ 「ケイコのケーキ」、「ケイコのキッチン」、「ケイコの小物」、「文学散歩」(鷗外、太宰、志賀直哉、斎藤茂吉)もこちらからどうぞ。