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Windows 環境のカスタマイズ - 複数 Windows でデスクトップやお気に入りを共有する

注意

本テキストの記述は、私個人の調査によるものです。私の環境では動作していますが、他の人の環境でも大丈夫かどうかはわかりません。実行する場合、ご自分の責任で作業してください。情報提供や間違いの指摘などは歓迎します。

はじめに

同一 PC で Windows 98 と Windows 2000 Professional を切り替えて使うようになった。Windows 2000 のデュアルブートではなく、PowerQuest PartitionMagic 付属の BootMagic を使って、互いのパーティションが見えないようにしている。

最終的には Windows 2000 に統一するつもりだが、今までの環境を完全に移しきれていないのと、Windows 98 でしか使えないアプリケーションがあるために、まだ Windows 98 を使っている。

ところで、Windows を切り替えてもできればそのまま使いつづけたい環境に、Windows や Internet Explorer 標準の各種フォルダの設定がある。

Windows デスクトップ（実体は Windows システム内のフォルダ）
Microsoft Office がデフォルトで参照するフォルダ
Internet Explorer の「お気に入り」
Windows プログラムメニュー

Microsoft 製品が使用するフォルダなどの情報は、Windows 95 以降、レジストリに保管されるようになった。そのため、レジストリの内容を変更することで、デスクトップや「お気に入り」の場所を移動し、複数の Windows で共用することができる。

一冊丸ごとレジストリ解説の本など、レジストリについてまとめた資料を見かけるが、私が読んだ範囲で、この情報について整理したものはないようだ。私自身の整理をかねて、これを書いた。

作業手順

各 Windows で次の作業を行なう。Windows 95, 98, NT, 2000 で共通。

現在のフォルダを確認しコピーする

レジストリエディタ regedit を起動する。
次のレジストリキーの下に書かれているフォルダ情報を記録する。（意味は後述）
```
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Explorer¥Shell Folders
```
レジストリエディタを終了する。
記録したフォルダの中身を、エクスプローラなどで適当なフォルダにコピーする。コピー先は、使用する複数 Windows から読み書き可能なパーティションにする。
私の場合は、データ専用の FAT32 パーティション（Windows 98 と Windows 2000 両方で認識可能）を作って、そこに置いている。

新しいフォルダを設定する

再度、レジストリエディタを起動する。
次のキーの下に記録されているフォルダ指定を、コピー先のフォルダに変更する。先と同じキーでないことに注意。
```
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Explorer¥User Shell Folders
```
（このキーでのフォルダ指定は、Windows NT/2000 ではデフォルトで %USERPROFILE%¥... というような形式になっている）
レジストリエディタを終了し、変更内容を保存する。
Windows からログオフする。

次回のログオンから、新しいフォルダが使われるようになる。

設定例

私の環境での設定例を示す。ドライブ E: に FAT32 パーティションを作り、私個人のユーザーフォルダ ¥Users¥Nomura の下に環境をまとめている。この設定内容を、Windows 98 と Windows 2000 で共用している。

この設定例は、レジストリエディタの「レジストリファイルの書き出し」でテキストのレジストリファイル *.reg に落とした。このように内容をレジストリファイルに保存しておけば、新しい設定でトラブルが起こった時や、Windows 本体を新しくインストールしなおした時も、フォルダの設定をすばやく変更することができる。エクスプローラで *.reg をクリックすればよい。

REGEDIT4

[HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Explorer¥User Shell Folders]
//"AltStartup"="%USERPROFILE%¥¥スタート メニュー¥¥プログラム¥¥Startup"
//"AppData"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Application Data"
//"Cache"="%USERPROFILE%¥¥Temporary Internet Files"
"Cookies"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Cookies"
"Desktop"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Desktop"
"Favorites"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Favorites"
//"History"="%USERPROFILE%¥¥History"
"NetHood"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥NetHood"
"Personal"="E:¥¥Users¥¥Nomura"
"PrintHood"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥PrintHood"
//"Programs"="%USERPROFILE%¥¥スタート メニュー¥¥プログラム"
"Recent"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Recent"
"SendTo"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥SendTo"
"Start Menu"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Start Menu"
"Startup"="E:¥¥Users¥¥Nomura¥¥Startup"

行頭の // はコメントアウト。
レジストリファイルでは、フォルダ区切りなどの ¥ は ¥¥ と二重に書かれる。

技術情報

Shell Folders と User Shell Folders の内容

レジストリキー HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Explorer¥Shell Folders と ¥User Shell Folders の下に格納されるフォルダ情報の用途は、下のとおり。98/NT/2000 で確認した。（95 でも同じ動作を期待できると思われる）

Cookies: Internet Explorer の Cookies ファイルが保管されるフォルダ。
Desktop: Windows デスクトップの内容が保管されるフォルダ。
Favorites: Internet Explorer の「お気に入り」で参照されるフォルダ。
History: Internet Explorer の「履歴」のデータが保管されるフォルダ。
NetHood: このフォルダに共有サービスなどへのショートカットを作ると、Windows NT 4.0 デスクトップの「ネットワークコンピュータ」や Windows 98/2000 デスクトップの「マイネットワーク」に、他のコンピュータと並んで表示される。
Personal: [スタート] メニューに追加される Microsoft Office の「Office ドキュメントを開く」、Windows 98/2000 デスクトップの「マイドキュメント」などで参照されるデフォルトのフォルダ。Windows 標準以外のフォルダで文書などを作成管理するユーザーには、一番有用と思われる。
Programs: （スタートメニュー設定の1） [スタート]-[プログラム] の各ユーザー専用の内容が保管されるフォルダ。
（Windows NT/2000 では、この他に、別フォルダに全ユーザー共通の設定が置かれる）
Recent: [スタート] メニューの「最近使ったファイル」の内容（実体はショートカット）が保管されるフォルダ。
SendTo: マウス右クリックメニューの [送る...] の内容が保管されているフォルダ。
Start Menu: （スタートメニュー設定の2） [スタート] メニューの各ユーザー専用の内容が保管されるフォルダ。
Startup: （スタートメニュー設定の3） [スタート]-[プログラム]-[スタートアップ] の各ユーザー専用の内容が保管されるフォルダ。