ここでは、少しくらいまじめに海のことを考えてみたいと思います。 といっても普段がえぇかげんな私にそんなことができるはずもなく、 とりあえず、徒然なるままに2001年8月末に行った沖縄の話を書いていきたいと思います。
福岡空港まではJRと地下鉄を乗り継いで行った。この時点では荷物の重さも苦にならない。 空港では時間に余裕があった。飛行機大好きな息子(4歳)はJALだ全日空だとおおはしゃぎである。 滑走路が見えるレストランで何枚もの飛行機の写真を撮らさせられた。
その息子が初めて一人で座席に座った。緊張している。飛行機は着陸態勢に入った。 臆病な彼は着地のショックへの驚きと大好きな飛行機への興奮とからか突然「とぅちゃーく〜!」と2回、 機内中に響き渡る大きな声で叫んだ。なんとも緊張の瞬間であった。 その後のスチュワーデスさんのアナウンス「みなさま、ただいま沖縄、那覇空港へ到…(わずかな沈黙)…着陸しました。」 みごとに影響を受けている…
こレンタカーを借りる予定にしていた。Vitzクラスということで、かみさんはVitzを期待していた。 しかし現れたのは…なんじゃコリャ?見たことない。光岡自動車の優雅…なんかやだなー(ごめんなさい) というのが全員の意見だった。カーナビ付きなので少し助かった。沖縄の道って結構わかりづらいんですよね。
沖縄本島最南端の岬である。なんとなく名前を覚えていたので、一日目の夕方ここへ行くことにしていた。
車が離合できないような道を通って、やっとたどり着いた。ちょっとした休憩所と記念碑が建っている。
景色がいいだけでなんともぱっとしない断崖絶壁である。その記念碑を読み息子(10歳)に説明した。
この崖からはひめゆりの塔などと同様に戦争で逃げ道を失った人たちが次々に飛び込んで死んでいった。
崖の上の展望所からは海の底まで見える。言うまでもなくきれいな海である。そこが一層悲しくもある。
国際通りの「てぃだ」という店で夕食をとった。じつは毎回ここには来ている。
かみさんと二人なら別の店へ行くかも知れないが、子連れだとそれが限られる。
ここは普通の食堂と言った感じで、うちにはちょうどいい。しこたま食った。本当に「しこたま」という表現がぴったりである。
オリオンビール生、泡盛、ゴーヤチャンプル、ソーキそば、ジマーミー豆腐、豆腐よう、ゴーヤのてんぷら、ほかにもまだまだ。
・・・しあわせ。
いよいよ海!である。朝、泊港からクイーン座間味号(高速船)でケラマ諸島の座間味島へ向かった。 古座間味ビーチという海水浴場である。初めてここを訪れたのは1994年だった。まずはその当時の感想を…
シュノーケリングセットをレンタルで借りて潜った。
波打ち際から歩いて海に入るとすぐに腰くらいまでの深さになる。
そこから先はシュノーケルを立てて泳いだ。
すごい!いきなりのサンゴ礁。カラフルな魚。大きいの小さいの。
サンゴもいろいろな種類があたり一面に色を競っている。
どんなに潜っていてもぜんぜん飽きない。むしろ時間が足りない。
魚肉ソーセージをちぎると魚が集まってきて怖いくらいだ。
水中で立つと海面の温度と足元の水温がかなり違うのがわかる。
サンゴが切れた砂地で、たこが何度も魚を取りそこなっていた。
このときは客も少なかった。ビーチにテラスもなく、いわゆる「観光地」ではなかった。 ただ、いくつか気になる点はすでにこの時からあった。
ジェットスキーをしている人(たぶん現地の人)がいた。
魚肉ソーセージでの集魚は面白いが、みんなでこれをやったらどうなるか… 魚肉ソーセージを包むオレンジ色のビニールが海底に1枚落ちていた。
その後数回ここを訪れたが、いつもこれらのことが気になっていた。そして今年…
たしかに初めてみる分には、まだ十分に感動できる。熱帯魚屋でしか見られないような魚が普通に泳いでいる。 ピンクや紫のサンゴもいる。しかし、比較すればその数は激減していると言っていいだろう。 黒く死滅したサンゴは誰が見てもわかる。ときどき新聞に載っているサンゴの白化現象。 波打ち際に黒く汚れた線ができている個所もある。そしてゴミもある。 現地のホテルやダイビングショップなどの方々が日々努力されて、ゴミを拾ったりされているのだと思うが、 それでも間に合っていないようである。
今年はビーチを埋め尽くすほどのたくさんの人が来ていた。 このまま、またひとつ誰もが手軽に楽しめる「本当の海」が消えていくことになるのだろう。 観光は一番手っ取り早い収入源だ。これで生活が豊かになった人もたくさんいるだろう。 しかし、その代償が大きすぎる。一部の人がどんなにがんばっても、無数の観光客には到底勝てない。 沖縄や海外のツアーには次から次に新しいビーチ、離島が紹介されている。 ここまでの私の話を読んで、「座間味は行く価値なし」と判断された方もいるかもしれない。 しかし、あえて「じゃぁ次はどこを破壊するつもりですか?」と問いたい。
もちろん、座間味島を破壊した犯人のひとりが私であることは否定しない。自首します。 言いたいことは、観光客である私たち一人一人が自分の足元「地球」を考えなければならない。ということである。
泳いでいて、折れた枝サンゴを見つけた。50cmはあった。色はまだピンクできれいだった。 しかし、根元の方は黒くなっていた。最近折れたのだろう。誰かの足ひれが当たって折れたのかもしれない。 泳ぐだけでも自然破壊してるのかなー…
船が出る時間が近づいた。シャワーを浴びて港へ向かった。
そんな名前の料理も店もない。サムズグループの店のことである。ここでは目の前でステーキを焼いてくれる。 各テーブルに料理人が来て、かっこよく料理してくれる。ナイフでシャカシャカっと野菜や肉を切ったり、 塩と胡椒の缶をリズミカルにたたいたりクルクルっと飛ばしてキャッチしたり。子供たちが好きでねー。 しゃかしゃかステーキと言って行きたがるんですよー。もちろん料理もおいしい。
きれいに復元されて、琉球王朝の時代をイメージできる。王様がいた部屋にはとても涼しい風が吹く。
しばらくそこにとどまっていたい気がした。石垣から望む下界は近代化されているが穏やかに見える。
海も見える。きっと当時も同じように穏やかな風景が広がっていたのだろう。沖縄っていいよねー。
何がいいんだろう?なんだろうねー。でもいいよねー。
いかがですか?沖縄の風を感じていただけましたか?このあと福岡へと帰っていったわけですが、
疲れもあってこの後特にハプニングもなく旅は終わりました。いろいろな事情(金銭面含む)から、
もうしばらくは沖縄へ行けないと思います。しかし、いつか息子が沖縄へ行ったとき、これまでの思い出と比べながら
旅してもらいたいと思います。そして、その比較の結果、あまり変わらないという答えを期待したいですね。
みなさん、どう思います?