プログラミングの学習

作成日:2000/02/27


プログラムを作成することはかなり難しいと思います。 それは、いろいろな分野の事柄が重なって膨大な知識が必要になるとともに、 ベースとなる技術がどんどん新しくなりそれまでの知識が陳腐化するのも 早いからです。 今回は、プログラムを作るに当たって、ベースとなる知識を 学習するための本をいくつか紹介したいと思います。 みなさんがご自分で選ばれるときは、どうしても平易でわかりやすそうな 書籍を選んでしまいがちですが、平易だが不十分な本よりも、 読み解くのに時間がかかってもいつまでも手元に置いて 参照できるような本を選ばれるようにする方がよいと思います。 また、特定の言語そのものの解説より、IDE(統合開発環境)の使い方や バージョンに依存する特定コンパイラの書籍より、より一般的な書籍を求めた 方がよいでしょう。たとえばコンパイルの仕方などに多くのページを割いて わかりやすく書かれていても、一度そうさを覚えてしまえばそんな情報は不必要です。 そのような部分は、雑誌や立ち読みで十分と言うのが私の考えです。 次にあげる書籍はどれもボリュームがあり、集中して読む必要がある本ばかりです。 そのかわり、苦労して読み終えた後、得る物は大きいと思います。

プログラミング言語

コンパイルの仕方や、言語の文法の概要が何となく分かってきた頃 以下の書を読んでみると、さらに理解が深まると思います。 また、一つの言語に固執することなく、ほかの言語を学ぶことにより より全体が見えてきますので、大きな視野で勉強してみてください。

表紙タイトルコメント出版社
プログラミング言語C C言語の原典ともいえる書。著者の名前からK&Rとも呼ばれる。 1981年出版されたが、その後ANSI規格を取り込んだ改訂版が出された。 簡単ではないが、すっきりした内容でぜひ手元に置いておきたい。 共立出版
プログラミング言語C++ C++言語の原典ともいえる書。著者はC++の開発者。言語解説にとどまらず、 プログラムを作成するときの構造や考え方、設計や開発まで考えた深い内容を持つ。 読み解くのは一筋縄ではないが、何度も読み返すとそのたびに新しい発見があるはず。 アジソン・ウェスレイ
プログラミング言語AWK テキスト処理言語のAWKの解説本。AWKという名前は作者3人の頭文字から採られた。 Kの文字のカーニハンはプログラミング言語Cの著者でもある。 AWKはインタープリタ系のスクリプト言語で、ちょっとした処理を非常に簡単に書くことができる。 トッパン
プログラミング言語Perl スクリプト言語のPerlの解説本。 WebページのCGIで最近は有名だが、非常に強力な言語で、モジュールを追加することで 様々な処理をさせることができる。アルゴリズムの確認や、プロトタイプ作成から 本格的な処理まで行える。 オライリー
オブジェクト指向スクリプト言語Ruby Rubyの解説本。 Perlのようなスクリプト言語だが、はじめからオブジェクト指向を取り込んでいるため 非常にすっきりとオブジェクト指向プログラミングが可能。 クラスライブラリを使うことで様々な処理を行わすことができる。 生まれて日の浅い言語ではあるが、作者が日本人なのでフィードバックすることで これからの進化も楽しみ。 アスキー

基礎知識・理論

以下はプログラムを作るために知っておいた方がよい知識です。 このような知識はなくてもプログラムは作れますが、 効率や正確な処理を行うためにはなくてはならないでしょう。

表紙タイトルコメント出版社
プログラミング言語理論への招待 数学的な意味合いから正しいプログラムを書くための理論書。 プログラミング言語をそこにあるから使う、動けばよいというのでなく、 確かな土台からきっちりプログラムを構築していくための書。 アスキー
プログラミング言語の概念と構造 主要なプログラミング言語の変遷と概念を学ぶことにより、 より深くプログラミング言語について学んでいく。 数々の言語は見かけは違っていても基本概念はほとんど同じなので、 概念を学ぶことによってほかの言語についての理解が深まる。 著者はコンパイラ設計理論の書「ドラゴンブックで」も有名な 方なので、内容も確か。1つ以上の言語でプログラムしたことのある方なら 読んで損はないだろう。 アジソン・ウェスレイ
コンピュータの数学 TeXの作者で、チューリング賞も受賞されているクヌース先生の著書。 プログラムを作るにはプログラミング言語の知識のみならず、 問題解決のためのモデリングなど数学的知識も必要です。 この本はそういったコンピュータを使うに当たっての数学的知識を 養うには絶好の書です。 共立出版

その他

表紙タイトルコメント出版社
岩波ソフトウェア科学 数学的な意味合いから正しいプログラムを書くための理論書。 プログラミング言語をそこにあるから使う、動けばよいというのでなく、 確かな土台からきっちりプログラムを構築していくための書。 岩波

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