ハンガリーの昆虫切手

ハンガリーは9世紀末にアジア系のマジャール人が王国を建設しました。16世紀に入りオスマン・トルコの支配を受け、18世紀以降はオーストリア・ハプスブルグ家の支配下に入ることになりました。1867年にハプスブルグ家とオーストリア・ハンガリー帝国を形成し事実上の独立を達成しました。しかし、第1次大戦後に帝国は崩壊し、第2次大戦を契機にソ連に占領され、1949年に人民共和国として社会主義国家になりました。1956年にハンガリー動乱が発生し、ソ連が軍事介入しました。30年後の1989年に急進改革派が実験を握り共産主義体制は崩壊し、西欧型社会民主主義に生まれ変わると共に、国名がハンガリー共和国となりました。
ハンガリーは、旧共産圏のポーランド、チェコスロバキア、ルーマニアなどと共にかつては大量の切手を発行していました。とくに動物、絵画、乗り物などいわゆるトピカルと言われるあるテーマの図案を描いた切手を同時に何種類もセットで発行していました。
昆虫切手についても1954年に最初の10種のロングセットを発行して以来、1959年(7種)、1965年(9種)、1969年(8種)、1974年(7種)、1980年(6種)、1984年(7種)と何回もロングセットを発行しています。ここではその最初のシリーズと1980年の6種花と昆虫セットを紹介します。
2014年に昆虫を描いた切手4種と昆虫1種を描いた小型シート1枚が発行されました。

Hungary ハンガリー
1954.2.5 昆虫切手
葉の上のヨーロッパヒゲコガネ
Polyphylla fullo
(コガネムシ科)
水を飲むヨーロッパヤマカミキリ
Cerambyx cerdo
(カミキリムシ科)
ブドウの実を食べるスズメバチ
Vespa crabro
(スズメバチ科)
食物を食べているゾウムシ
Cleonus punctiventris
(ゾウムシ科)
枝の上のオトシブミ
Rhynchites bacchus
(オトシブミ科)
ムギの上のゴミムシ
Zabrus tenebroides
(ゴミムシ科)
水中で生活するガムシ
Hydrophilus piceus
(ガムシ科)
鳴き声の美しいコオロギ
Gryllus campestris
(コオロギ科)
雄のヨーロッパカブトムシ
Oryctes nasicornis
(コガネムシ科)
雄のヨーロッパミヤマクワガタ
Lucanus cervus
(クワガタムシガ科)


1980.1.25 花と昆虫の切手
ハチノスカッコウムシ
Trichodes apiarius
(カッコウムシ科)
マルハナバチの一種
Bombus hortorum
(コシブトハナバチ科)
ヨーロッパアカタテハ
Vanessa atalanta
(タテハチョウ科)
バラツヤハナムグリ
Cetonia aurata
(コガネムシ科)
アカスジカメムシの一種
Graphosoma lineatum
(カメムシ科)
トラカミキリの一種
Chlorophorus varius
(カミキリムシ科)


2014.9.9 昆虫切手
ウスバカゲロウの一種
Dendroleon pantherinus
(ウスバカゲロウ科)
カマキリモドキの一種
Mantispa styriaca
(カマキリモドキ科)
コガネオサムシ
Carabus auronitens
(オサムシ科)
オオセイボウ
Stilbum cyanurum
(セイボウ科)
ミドリルリボシヤンマ
Aeshna viridis
(ヤンマ科)


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