芭蕉→乙由→柳居→鳥酔→烏明→
白雄→碩布→逸淵→西馬→
東京市深川区冬木町10番地 (江東区深川二丁目~冬木)
 春の草昨日は今日の昔かな
 空にみちあとこそ見えね時鳥
 名月や竹になりたる今年竹
 真白な山のうへまで小春哉
(鳥酔)→烏明→左明→坐来→兀雨→雪彩→
東京市日本橋区濱町二丁目一番地
  うちよせる波も隙ある霞かな
  起たれはつれのありたる午睡哉
  猿啼てかなしくしたり后の月
  朝かけや冬田へ下りる山からす
白雄→西馬→幹雄→
東京市日本橋区吉川町六番地(東日本橋二丁目あたり)
  散際のそもいさきよき桜かな
  是ほとの野に鳥も見ぬ暑さ哉
  初あらし柳はかるき木なりけり
  月花の友なつかしや冬籠
白雄→道彦→護物→見外→
東京市浅草区猿屋町九番地(台東区浅草橋二~三丁目)
  鶯や念なく念をいれて鳴く
  野鼠の葎出けり青嵐
  秋の月鴦の足掻きの見えにけり
  掻きわけし匂ひの煙る落葉哉
白雄→爐扇→漣々→富水(初代芙蓉庵)→富水(二世芙蓉庵)
東京市外大森駅南羽田浦新渡り
  鶯や初音の枝も極た顔
  今昇る末三日月や時鳥
  掃き寄て綺麗や萩の花斗り
  花の咲まてと着古す紙子哉
(白雄→護物→)田喜庵(二代・詩竹)→
東京市深川区黒江町六番地(江東区永代二丁目~福住~門前仲x町あたり)
  二代目田喜庵詩竹の門下。明治36年で60歳。かなりの実力者とお見受けします。
  明治36年「はたちしう」刊行。松月庵編、研斎老人序、東京大学総合図書館蔵。
  摘草や思ひ思ひのひとり言     (この句は少し面白いと思います。草の一人言にもとれる。 敏)
  涼しさに流れて居るや都鳥
  紫陽花のからひる音や秋の風
  風になり風に成りして時雨かな
鳥酔→白雄(ママ)坊→斗莚→乙彦→月朶→松雄→
東京市神田区松枝町二十番地(千代田区岩本町二丁目あたり)
  一月や梅も流石の太郎咲
  泥足の猫しかる時沓手鳥
  灯籠や吉原出れば能い月夜
  箕和田の鯉の使ひや寒四郎
(白雄)→道彦→護物→見外→菊外→
東京市神田区南乗物町15番地
麦林舎乙由の系統。春秋庵白雄-金令舎道彦-田喜庵護物-菊守園見外-菊守園菊外-菊哉
  蝶々や何うれしうて高あかり
  沫のたつ汀の音や雲の峰
  穂明りのしては夜に入る芒哉
  結構な日和を山の落葉哉
(白雄)→道彦→護物→見外→菊外→
東京市深川区富岡門前町
麦林舎乙由の系統。春秋庵白雄-金令舎道彦-田喜庵護物-菊守園見外-菊守園菊外-菊良
  言の葉の枝も素直やとしの花
  早かりし露のなじみや麦芒
  何事も揃へば見よき踊哉   (俳句がこうなってしまうのが怖いわけです。)
  なす事も心ゆりをの師走哉
(白雄)→道彦→護物→見外→菊外→
東京市深川区小松町七番地(江東区佐賀一丁目・永代一丁目あたり
乙由の系統。菊外の門下。
  よろこびの色を咲けり福寿草
  素黒野に風の色もつ卯月哉
  白菊や太平楽に日の匂ふ
  行年は松の間を通りけり
東京市京橋区木挽町一丁目十四番地
白雄→道彦→大梅→卓朗
梅あれば月も澄かとおもふ庭
声かけて上手になける早苗かな
山に酔う程は登らし木の子狩
初冬や花も実もある河原草
道彦→斗莚
→乙彦→松雄→在我
↓
↓月朶→紫紅
東京市日本橋区本町一丁目九番地
散る花や扇かさせば袂にも
打水やひら\/蝶の高上がり
蚊遣丈け遣ふ団扇や露の宿
紅葉にも菊にも降るや初時雨
碩布→逸淵→西馬→幹雄
東京市下谷区二長町三十三番地 (台東区台東一・二丁目あたり)
蜘の網をとるに群来る巣蜂哉
涼しさやたつた一つの月の出て
幸に口なし色そ女郎花
善不善とちらも出来す冬籠
道彦→乙彦→松雄→梅雄→
東京市本所区花町七番地 (墨田区緑四丁目あたり)
鶯の声に起よき旦かな
松柏に雨はまた乾す夏の月
月能さに更すや袖の濡る迄
時雨るや塒へ急く鳥は何
道彦→孤山→卓郎→山月→菊外→
東京市浅草区瓦町二十八番地(浅草橋一丁目~柳橋二丁目あたり)
若草や不意と気のつく道しるべ
親切に蝶もさはらすけしの花
漸寒う有明のある外山哉
遠余所に水田明りや野は枯て
大蕪→秋爪→文路→蕉鹿→蕉露(同名)→
東京市浅草区西仲町二十六番地(台東区雷門一~二丁目)
這ふ梅や今にも雲へ乗さうな
かる\/とした朝にして更衣
紅茸や只取迄の美くしみ
猿も来よ幻住庵の初時雨
芭蕉→凉菟→乙由→希因→闌更→梅室→為山→
東京市芝区今入町四番地
月之本為山が梅之本を開く。
  月と梅来ぬ夜の友を惜しみけり
  流すのは心の塵か御秡川
  朝寒や明る障子の内と外
東京市麻布区市兵衛町二丁目三十二番地
鶯や花に百歩の桑畑
白芥子にしはしこたへる夕日哉
来る空は翌日もあろうに雨の雁
いく時雨果は日暮て磯の波
芭蕉→北枝→希因→闌更→立左→篤石→ <北陸・京系>
東京市本所区緑町一丁目三十七番地
怒り立つ簑毛いさまし鶏合
眼もつらし是を火宅と夕蚊遣
灯籠や明るう過きて猶寂し
時雨るゝや沖の小島の見え隠れ
芭蕉→北枝→希因→闌更→蒼虬→蘆風→ <北陸・京系>
東京当時行脚
仏壇は目出度せまし花の春
詫住の宵寝をたゝく水鶏かな
身独りの憂にはあらす秋の暮
乞食にいつそならひて破紙衣