Logo TrainJR全線完乗記 まえがき

自己満足の極致─私のJR旅客営業線全線完全乗車

 平成9年4月19日(土)私にとっては大いなる記念日となった。昭和53年,私が中学一年生のときに志しをたてて以来約18年,JR線(その当時は国鉄)旅客営業線全線の完全乗車をやっとのことで完了した。なぜ旅客営業全線などと長ったらしいことを書くのかといえば貨物専用線には乗りたくても乗れないという恨み節の少々含まれているからである。とにもかくにもJR線の乗れる所は全て乗ってしまった。

 なぜそんなことをめざしたのかといえば,それは自己満足でしかないと思う。私が全線完全乗車をめざし始めたちょうどそのころ,国鉄が“チャレンジ2万キロ”という全線完全乗車に対して賞品を出すキャンペーンをやっていた。このキャンペーンでは各線の起点駅と終点駅で駅名標示板を背景にして自分を写した写真を撮ることが各線を乗車したことの証明になっていたという。

 私は別に賞品をもらいたくてやったわけではないから,そのような証明を集めることはほとんどやらなかった。そのため「おまえJR全線に乗ったというがその証拠はあるのか」と問われれば「ない」と答えるしかない。でもそれでよい。私がJR全線に乗りたいと思ったのは単に一介の鉄道少年が全線の車窓風景を見たい。そして全線乗ったらどんな満足感を味わえるのかと思ったからである。(どんな満足感が味わえたのかという点については各線区ごとのエッセイの某線区版に書いてます)

 18年という長きにわたったので,その間いろいろなことがあった。そしてその間に生きざま,考え方,めざすものもかなり変わったと思う。一番大いに変わったのは“めざすもの”だと思う。中学一年生当時,私は100パーセント絶対鉄道職員になろうと決めていた。しかし現在私は地方公務員となっている。これは中学一年生当時ひとかけらも考えてなかったことである。

 それでも変わらなかったこともあった。そのひとつが私の不器用ぶり,そしてもうひとつがJR全線に乗りたいという夢であった。それだけ長く夢として持ち続けられたことは,理屈抜きでとてもうれしい。

 次は何をめざすべきなのだろうか,(外野からの声)「少しはもてるようになったほうがいいんじゃない」。(私)「よけいなお世話だ」。とりあえず日本国内全都市踏破をめざそうかな…。

 

 

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