2001/2/2(金) いろいろな疑問に
この数日の発表やらなにやらで、いろいろな心配の声や
いろいろな質問が来ているので、その一部にだけですが、
僕なりにお答えしようと思います。
まず、D-DIRECTについて。何故か今回の発表を受けて「D-DIRECTが終わってしまうのでは?」と、心配してくれた人がたくさんいたんだけど、全然そんなことはありません!
だって、これから先、もしもドリームキャストを扱わない店が出てきてしまったときに、必ず最後までみなさんにドリームキャストやそのソフトや周辺機器を提供できるのは、間違いなくD-DIRECTじゃないですか。
31日の発表でも「お客様に確実にソフトを届けるためのD-DIRECTの強化」というのは言われているし、発表会の質疑応答では香山さんから「D-DIRECTには重点的に予算を配分していく」なんて心強い言葉をいただいてるし(笑)。
それに、D-DIRECTってきちんと黒字を出しているお店なんですよ、みなさんも知っての通り。利益を出している店をセガが畳むわけないじゃないですか。っていうか、僕は絶対に畳ませないですよ(笑)。だから大丈夫! これからますますD-DIRECTは拡大路線で日本のEC(インターネット通販)業界をブッチギリたいと思ってます!
次に、今日発表されたドリームキャスト本体の値下げについて。
3/1から本体が9900円に値下げされることを知った方から、早速いろんな声をいただいてます。
「9900円なんて、セガはもうドリームキャストがいらないってこと?」
違います。発表の通り、過去1年に売れた数とほぼ同数の本体在庫をセガは現在持っています。今後、ドリームキャストのソフトビジネスを続けていくためには、ソフトが売れ続けることが必要で、そのためには1台でも多くのハードがたくさんの人の手元に届いて、使ってもらえることが何より大切なのです。
だから、今までDCのソフトはやってみたいけど、2万円で本体を買うのはなぁ……って言ってた人に思い切ってもらうために、思い切った値段を提案してみようってことになったのです。
「19900円でも1万円赤字って言ってたんだから、こんな値段で売ったらさらに赤字が大きくなってセガが危なくなるんじゃないの?」
確かにDC本体を1台作るには2万ウン千円というお金がかかります。
しかし、31日の発表で、今後新規に本体を製造することはないと決まって(つまり、これ以上DC生産にお金が出ていくことはない)、製造済の本体の価値は現実的なレベルに見なおしてこれだけ赤字が出るって発表したわけですから、もうこれ以上赤字が拡がることはないのです。だから、逆に本体を売れば売っただけセガにはお金が入るわけですし、逆にこのまま残していても何の役にも立たないわけ。だから、9900円で買ってもらってもセガの経営が危なくなることはありません。逆に、今までDCを買ってくれなかった人には「このチャンスに!」と、ぜひオススメしてほしいくらいです(笑)。
「セガは商売が下手だ。あんな発表をする前に本体を9900円にして、ハードを普及させたら良かったのに!」
ここまでに書いているように、あんな発表があったから初めてこういった思い切った値段が設定できたわけです。これ以外の順序はありえなかったとご理解ください。
「セガが宣伝費をガンガン使わなかったからDCは売れなかった。それが一番の失敗なのでは?」
今回の発表があったので初めて言えますが(苦笑)、経営の状態がこんなでは宣伝費(=莫大な支出)は使えません……。DCを始めたときは、それでも莫大な宣伝予算を使ってましたが、その結果DC本体やソフトで収益が出なかったため、宣伝費は縮小せざるをえなくなっていきました。
「発表されたDCソフトは本当に出るの?」
これは香山さんも「絶対に出すと約束する」っておっしゃってますから、安心してください。その後も、ちゃんとDCソフトがきちんと売れてくれれば新作が作っていける環境は続きます。
過去の1年に日本で売れたDCソフトの本数は、本体の普及台数とほぼ同じで1台に対して1本しかソフトが売れていない計算になります。それだけソフトは買ってもらえていないのです。
DCを出した以上、セガにはDCのソフトをできるだけ開発し続ける義務があるのだと思いますが、全然買ってもらえなくなるなら、そりゃあやがてDCソフトは開発できなくなるでしょう。でも、それは過去のすべての家庭用ゲーム機と同じです。
つまり、ちゃんと買ってもらえるならDCソフトは出続けるわけです。
D-DIRECT専売ソフトなんて、なるべく少ない予算でみなさんに喜んでもらえるソフトを開発し、営業や宣伝の費用を使わずに欲しい人にだけ確実に買ってもらって採算をとろうとしているわけで、たとえ5年先になっても、このような状況が続くのであればDCソフトは作れるじゃないですか。だから、面白いと思うソフトはぜひ買って、遊んでください。
逆に、作る側は誰にも買ってもらえないソフトは作っちゃイカンってことですよね(笑)。買いたくないようなソフトなら出ても仕方がないですもんね?
今日のところは、こんなで許してください。
いろんな形でいただく質問に関しては、また週末辺りにとりまとめてセガ経営陣に聞いてきますから、「次回につづく」ってことで!
ちなみに「SEGAを応援してくださるみなさんへ」に対していただいた多くの方からのメールは、セガの社内LANですべて発表させていただいて、セガ社員はその厳しい叱責も、暖かい激励もすべてを読めるようにしています(個人情報はふせてありますのでご安心下さい)。当然、経営陣も見ています。これからも、みなさんの声をきちんと聞く会社にすべく、僕も微力ながらがんばっていきたいと思います。
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