2000/9/16(土) 雷雨で停電の土曜日
いや〜、今日はすごい雷雨の日だった。特に午後はひどくて、2回ばかり落雷で停電したり。作りかけていたホームページが突然の停電でふっとんで、すっかりやる気をなくした僕は、またもや映画の世界に逃亡……(笑)。
「フランティック」って1987年の映画がありまして。
監督はロマン・ポランスキーで、主演がハリソン・フォード。すごく面白い映画じゃないんだけど、なぜかちょっと心に残る不思議な映画だ。
アメリカの医師が学会に出席するためパリを訪れたところ、ホテルに着いてからスーツケースが取り違えられていたことに気づき、どうやらそれが原因で妻が行方不明となる。言葉も地理も慣習もわからないパリの中、普通の男がとまどいながら、ひとりで失踪した妻を捜すというサスペンス物語。
繰り返すが、そんなに面白い話ではない。だが、パリという都会であっても言葉も地理も知らないで迷い込んだらそこは”迷宮”であるという不思議な感覚を味合わせてくれることと、エンリオ・モリコーネが担当した音楽がとても不思議な魅力を醸し出しているのがこの映画を忘れられなくさせる原因だと思う。
観るたびに「そんなに面白くないよな、この映画……」と思いつつ、オープニングでモリコーネの書いたテーマ曲がかかるだけで不思議な世界に迷い込むような印象を受け、なんだか気持ちが引っ張られて、結局何度も観てしまうわけなのだ……。謎の映画!
途中から登場するエマニュエル・セイナーって女優もなんだか不思議な魅力。完璧な美人ってのじゃないんだけど。
「フランティック」を観て落ち着いた僕は、ふたたびホームページ作成に復帰(笑)。takezaki.netの方で最近観た映画の感想をきちんと書き直してアップする。
で、この前、途中で寝ちゃった(お酒飲んで、最初から寝る際のBGVとして観ていたので……)「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を今日はちゃんと観る。
ミニシアターで大ヒットして、いつも人がいっぱいだと聞いたためにDVDを待った映画だが、今までに得た情報から自分が想像していたものとは全然違っていた。
まず第1に、画質が、いわゆるフィルムのそれではなく、TVのドキュメンタリー番組やミュージシャンのライブ映像のようなものだったことに驚いた。
しかし、映画が進んでいくとこれはもっともなことだと解る。
この映画はキューバのミュージシャン達が彼等の生き様を語り、自分の音楽を演奏している彼等の姿と、その音楽を観客にストレートに見せてくれる「ドキュメンタリー」であり、「ライブ」である映画だったのだ。
メインで登場するキューバのミュージシャン達は、70歳とか90歳とかけっこう”老人”といっていいほどの年齢に達しているが、彼等は年老いた風でもなく、現役で元気ハツラツ音楽を奏でている。
92歳でなおダンディな老人は、葉巻をくわえながら「人生で大切なものは、女と花とロマンスだ」なんて笑顔で語る。カッコいい!
そんな風な、音楽と人生を愛してやまないミュージシャン達の姿を生き生きと描いていくのがこの映画なのであった。
歳をとるなら、こんな風になりたいなぁ(笑)。
さて、話は変わるが、さっき自分が昔書いたエッセイやら小説やらを読んでいたら、1989年1月22日に書いたものの中にこんな記述を見つけて笑ってしまった。
「情報処理1種に受かって最初は喜んでいたが、考えてみると、俺って学校を出てからも休みは勉強と映画ばっかりだ。資格取りまくって勉強してるうちに30歳になってしまうんじゃないかと思うと、落ち込む」な〜んて、悩んでるわけよ、これが(笑)。
昨日、「オレって仕事とゲームと映画だけの人生かも?」って書いたばかりでこれを発見したので、「うわ、なんて俺って変わってないんだ〜!?」と、驚いてあきれて笑いました。
いやはや、まったくってヤツですな……。
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