2000/4/29(土) どんな自分になるのかを決めるのは自分
今日は、「アイアンジャイアント」と「ザ・ビーチ」の感想を書くよ。
「アイアンジャイアント」は、ワーナーマイカル系列だけで上映されているアニメーション映画。アニメ界のアカデミー賞ともいうべきアニー賞で主要9部門を受賞したという「冠つきの」作品だ。
海外のアニメでつきものの、特に人間キャラクターの造形のとっつきにくさはやはりあるが、観ているうちに慣れてきて違和感がなくなる。それに、この作品の場合、肝心なアイアン・ジャイアント(巨大なロボット)の造形が万国共通で好まれそうな、どちらかといえば愛らしいデザインで好ましい。
お話の方はとってもシンプルで、大人から子供まで誰にもわかりやすい内容。空から落ちてきた巨大ロボットと少年の心の交流と、ロボットを巡る人々の恐怖と破壊という物語が過不足無く描かれていく。
「自分がどんな自分になるのかを決めるのは、生まれでも周囲の人々でもなく、自分自身なのだ」というメッセージは、当たり前だけど、ちょっと心が励まされる。そんな佳作。
「ザ・ビーチ」は、あの全世界でヒットした「タイタニック」以来のレオナルド・ディカプリオ主演作品ということが先走って、作品内容とは関係ないところで話題になっている(ような気がする)映画。
監督は「トレイン・スポッティング」という映画で一世を風靡したダニー・ボイル。
「ザ・ビーチ」は、一言でいえば、誰もが一度は思いをはせる「海も空も美しい、究極の楽園に行ってみたい」という夢が実現した場所で起こるできごとを描いた物語。
僕も仕事に忙殺されて毎日を過ごしていると、ふと「緑の海が広がる白い砂浜で大の字になってゴロゴロしたいなぁ……」なんて思ったりするけど(笑)、そういう生活が永遠に続くなんてことは想像もできない。
みなさんはどうでしょう?
「ザ・ビーチ」が終わった後、周りにいたお客さんの反応は、「なんだかよくわからない」「面白くないよね」とあまり好評ではなかったし、観た知人たちの意見も同様。監督の意図はどこにあったのかはよくわからないが、「なんの痛み苦痛もない楽園なんて存在し得ないのだ」ってことなんだったら浅すぎるよなぁ……と思う。
少なくとも「タイタニック」の余韻で観に行く人の期待に応える作りの映画ではないことと、とはいえ「楽園」と呼ぶにふさわしい美しいビーチが見られることはうれしい!(ここに行ってみたい、と思う)のだけは確かだ。
あと、ちょっとした発見。
劇中で使われていた音楽に「ツイン・ピークス」の「ローラのテーマ」にソックリなメロディがあって、「これ、パクリじゃん!」と思ってエンディングのスタッフロールを見たら、同じ作曲者の作品でした。アンジェロ・バダラメンティ、最近名前を見なかったのでちょっとうれしかったりして(笑)。
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