My 映画ベスト10
個人的に大好きな映画を10作選んでみました。
それぞれに簡単なコメントも付けてます。

(第1位) 雨に唄えば
ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督 1952年作品
 かなりクラッシックなミュージカル作品。ジーン・ケリーが雨の降る街角で踊るシーンが有名だけど、もちろんそれは単なる1シーンでしかなく、全編があのイメージというわけではない。どちらかというと全体的にはコメディの要素が多く、楽しくて、歌とダンスがあって、華麗な映画なのだ。僕の中でこの映画がベスト1なのは、この映画が終わった映画館から出てくる人がいつも素敵な笑顔をしているから。誰が見ても、見終わってちょっとタップ踏んじゃいそうな幸せな気分になれる映画ってなかなかないじゃない!(笑)

(第2位) お熱いのがお好き
ビリー・ワイルダー監督 1959年作品
 これも古い。なんとモノクロ映画です。でも、僕が今まで見たコメディの中でこれを超えるものはないのです。偶然ギャングの殺人現場を目撃した二人のバンドマンは、ギャングから逃れるために女性だけの楽団に女装してもぐりこむ(笑)。そこにはマリリン・モンロー扮する愛らしい歌姫がいて……。しかし、楽団の行き先でなんとギャング達と遭遇!…と、恋ありスリルあり笑いありで、最後の最後までドキドキさせてくれる1作。「良い脚本、良い演出とはこういうもんだ」って見本のような映画です。

(第3位) 情婦
ビリー・ワイルダー監督 1957年作品
 ふとタイトルだけ見ると「情婦?ふーん…」って興味も持たずに通りすぎてしまいそうな映画なんだけど、これが大違い!原題は『検察側の証人』。殺害容疑をかけられた男のアリバイを証明できるのはその妻だけ。でも、その妻が法廷で語った証言は驚くべき内容だった! もう本当に驚きの連続で、これも脚本&演出の素晴らしさに舌を巻く作品。こんな映画見たら最近の映画は物足りないよ〜。

(第4位) ファントム・オブ・パラダイス
ブライアン・デ・パルマ監督 1974年作品
 歌手になりたい青年。ルックスには問題があるが、彼の作る曲はなかなか魅力的だった。ちょうどその時代に音楽業界を席巻していたプロデューサーは彼の音楽に目をつけ、それを盗もうとする。当然青年は抵抗するが、プロデューサーは青年が恋した歌姫をスターにする約束をし、二人を巧みに利用する。そして…そこから愛と嫉妬と憎悪の可笑しく悲しい物語が始まるのだ。 肝心の音楽が今となっては古臭く聞こえるのが残念だが、映像とその哀しさは色褪せない。泣ける1作。

(第5位) ロッキー・ホラー・ショー
ジム・シャーマン監督 1975年作品
 「映画に観客が参加する」というアプローチを(結果的に)成立させた奇跡的な映画。物語は冒頭からヘン。結婚を決めたカップルが恩師に報告に出かけたところ、道に迷って不気味な洋館に紛れ込んでしまい、そこでは謎の人々が歌って踊って人造人間ロッキーの誕生を祝っていたという…。わけわかんないでしょ?(笑) ただ、チープなはずなのに何故か古びない舞台、歳をとらない音楽と、時を経てなお楽しめる不気味なコメディ&ロックミュージカルなのだ。 冒頭でも述べたように映画館では観客も仮装して一緒に歌って踊って画面や台詞にツッこんで…新しい楽しみ方によって、この映画はカルトムービーの地位を不動のものにしたのであった。

(第6位) グラン・ブルー
リュック・ベッソン監督 1988年作品
 海に魅せられた男と、その男に魅せられた男と女の物語。ただ、個人的には主人公は海だと思っている。映画を見ている自分自身が深い海の中に浸っているような感覚と、その心地よさ、冷たさ、静寂。音楽と映像に包まれるような映画である。僕は、すごく好き。 この映画、完全版である「グラン・ブルー」と最初に公開された「グレートブルー」があるけど、僕は後者が好き。恋愛映画の要素を楽しみたければ前者を薦めますけど。

(第7位) さびしんぼう
大林宣彦監督 1985年作品
 男の子の映画。学生時代に清楚な美少女に静かな恋をするせつなさや喜びや悲しみを、静かに描く青春映画。好きな人はめちゃめちゃ好き、嫌いな人はいろんな部分が鼻につく、そんな作品なのだ。僕は好きなんだけど…甘いから(笑)。 ただ、好きな人が見ても途中の笑えないギャグには失笑。監督の語るところによる演出意図はわからなくはないけど、ちょっと厳しいかも。その辺は心を広くかわして、映画全体の流れを受けとめてください。

(第8位) ナイトメア・ビフォー・クリスマス
ヘンリー・セリック監督 1993年作品
 ハロウィンタウンの人気者ジャックは、ハロウィンをやらせればピカイチの存在。しかし、彼は毎年同じ事を繰り返すのに飽きていた。そんな時、ジャックは「クリスマス」の存在を知り、「自分達もクリスマスをやろう!」と決意するのだが…。全編をモデル・アニメーションで描き、自在に動き回る独特の毒と愛嬌があるキャラが見るものを魅了した、ちょっと不気味で不思議なファンタジー。音楽も素敵で、赤と白と緑のクリスマスに飽きた人にオススメ(笑)。とてもひたむきで愛らしい映画です。

(第9位) ザ・フライ
デヴィッド・クローネンバーグ監督 1986年作品
 ホラー映画の姿を借りた厳しいラブ・ストーリー。自ら発明した瞬間物質転送装置の実験台になった若き科学者。その際、転送装置には1匹の蝿が紛れこんでいた…。恋人を愛するがあまりの嫉妬心が引き金になって起こった事故は、彼と彼女と彼女の元恋人を恐ろしい悲劇に巻き込んでいく。自分の愛する人がどんな姿になってもあなたは恋人を愛し続けることができるか?そんな厳しい問いかけを見る者に突きつけるキツイ愛の映画なのだ。でも、グチョグチョなホラーです(笑)。

(第10位) エルム街の悪夢
ウェス・クレイヴン監督 1984年作品
 眠りに落ちると夢の中で夢魔フレディに襲われるというダーク・ファンタジー。そのフレディを唄った数え歌と、嘘のように明るい日中の日差し、おぞましいほど暗い夜の姿が現実と夢の境をあいまいにし、見る者を恐ろしい夢の世界へ誘い込む。その完成度は数あるホラー映画の中でも他の追随を許さない。まさに完成された1作。ただし、続編は普通のホラー映画になってしまい、1作目とは別物になります(笑)。

(C) Tadashi_Takezaki 2002