光る眼
ジョン・カーペンター監督/1995年作品
 ジョン・カーペンター監督が、1960年の映画「未知空間の恐怖/光る眼」をリメイクしたSFホラー「光る眼」を見た。

カリフォルニア州のミッドウィッチという小さな町で、町中の人間や動物が一斉に気を失い、6時間後に目を覚ますと町の女性が妊娠していたという奇妙な事件が起きる。そして、その女性たちから生まれた子供たちは非常に頭が良く、成長するにつれ光る眼で大人たちの心を読み、精神を操るようになる。(大人は自殺させられたり、殺し合いさせられたりする。)

子供たちの主張は、「種は生き残りをかけて生存競争をするものであり、自分たちの方が人間より優れているので自分たちが生き残るのだ」と言うことなのだが、この宇宙人(?)による侵略は、カッコウの託卵のごとく人間のお腹に子供を
産みつけ、人間に育てさせるという非常に気の長い話である上に、まだ子供の段階で自ら目論見を語っちゃうという詰めの甘い作戦なので、見ていて緊張感に欠けるし、怖くもない。

愛する子供の手で大人が殺されるという恐怖は確かにパンチが効くネタだが、この展開だと、そのパンチもヨレヨレパンチだ。(「ザ・チャイルド」の方がよほど上手くこのネタを使っている。)

画的にはなかなか良く出来ていて(加えて今回のHDマスターは新作のように綺麗!)、クリストファー・リーヴ、マーク・ハミル、カーティス・アレイらキャストも豪華で、見どころは結構あるのだけど、どうも後半の展開が尻すぼみになってしまうのが残念。

まぁ、そんな子供の宇宙人でも”光る眼”を使って大人を操れば、世界征服もできちゃうんだよね。
僕のお気に入り度
一度は見てもいいけど、繰り返し見ることはないかな。



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