アパートの鍵貸します
‪ビリー・ワイルダー監督/1960年作品
 ビリー・ワイルダー監督「アパートの鍵貸します」を久しぶりに見ました。 この映画、確かに傑作だと思うのですが、シャーリー・マクレーン演じるフランも、ジャック・レモン演じるバクスターも心根が良い人物なのに辛い状況が続いて、見ていて悲しくなっちゃうんですよね…。

 一応、コメディの体なんですけれど、そこで描いているものは暗くて。だって、会社の上司が女性と密会するために自分の部屋を貸すお話ですからねぇ。バクスターは上司に貸しを作ることで出世するものの、出世欲のためというよりは断りきれなくて部屋を貸している雰囲気だし。‬

 ‪ ‪メインの登場人物は楽しそうじゃないんだけど、起きているひとつひとつの出来事は可笑しな内容になっていて、さすがの脚本コンビ! しかも、小道具の使い方まで完璧!!! 俳優の演技も見事です。‬

 ‪だから評価が高いのも良くできているのも否定できないのですが、個人的にはもっとストレートに笑いたいなぁ…と。‬ ‪物悲しい中の可笑しさっていうのが深くて、そのへんのコメディとは一線を画しているのですが、「お熱いのがお好き」のように、もっとハチャメチャな作品の方が趣味なんだなぁ…って、改めて思っちゃいました。

 ‬ ‪とはいえ、ビリー・ワイルダー監督の傑作のひとつであることには変わりありません!‬
僕のお気に入り度
どうしても「お熱いのがお好き」に行っちゃうのですが、たまにはこちらもね!



(C) Tadashi_Takezaki 2002