リサと悪魔
マリオ・バーヴァ監督/1973年作品
マリオ・バーヴァ監督の1973年作品「リサと悪魔」を見た。

バスツアーで友達と一緒に観光に来たとおぼしき主人公のリサ。悪魔が描かれた壁画を見ていたときに、ふと近くの骨董品屋が気になり、友達に断って1人で覗きに行く。 そこでは頭の禿げた紳士が等身大の男の人形を作る指示をしていた。

この紳士がさきほど絵で見た悪魔にそっくりだったことにビックリしたリサは慌てて店を出るが、そこはさっきの広場でなく、人気のない見知らぬ街であった。友達やツアーの仲間とはぐれて知らない街を彷徨い歩くリサ。

やがて夜が来て、ひとり心細いリサは通りかかった車に乗せてもらうが、この車もエンコしてしまい、たまたまそこにあった大きなお屋敷に泊めてもらうことに…。

屋敷ではなんと骨董品屋で会った禿げの男が執事として働いており、屋敷に住む知らない若者からは「エレナ、帰ってきてくれたんだね! 嬉しいよ」と抱きしめられ、ますます迷宮のような展開が加速する中、次々と殺人事件が起きてリサは逃げ惑うもどうやってもこの世界から抜け出せない。

という、かなり不思議な物語。

なぜこんなことが起きているのか説明されることはなく、夢の中を彷徨い続けるような、ちょっと挑戦的な映画を作ってみたようなんですが。 実は本作、完成したものの配給会社が見つからずお蔵入りになったのだそうだ。映画の中身も迷宮だったが、映画そのものも迷宮入りしてしまうとは…
僕のお気に入り度
まさに迷宮的な不思議な魅力があるので、もう一度くらい見ちゃうかもなぁ…



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