クイズ・ショウ
ロバート・レッドフォード監督/1995年作品


あらすじ

1956年にアメリカ中が熱狂したテレビのクイズ番組があった。生放送の緊迫感とハネあがる賞金額に視聴者は興奮し、知識を武器に賞金と名声を手にする解答者に自らの夢を重ねていた。しかし、無敵を誇ったステンペルがヴァン・ドーレンにチャンピオンの座を奪われた時、その舞台の裏で起きている衝撃の事実を、そしてそれがTV史上最大のスキャンダルに発展しようとは、視聴者には知るよしもなかった……。

主な出演者
レイフ・ファインズ / ロブ・モロー / ポール・スコフィールド / ジョン・タトゥーロ


感想

 「クイズ・ショウ」を観た。 この映画は、1956年にアメリカで実際に起こったテレビの人気クイズ番組「21」の”やらせ”事件を描いたロバート・レッドフォード監督作品。封切り時に観損ねて、今日DVDでようやく観たわけだが……。 これが、また重いんだけどなかなか素晴らしい作品で、そうとう気に入ってしまった。 視聴率をかせぐため、番組を盛り上げるためならテレビは”やらせ”でも何でもする。しかし、それは「テレビ」という名のエンターテイメントを提供する側からすれば”決して間違っていない”という論理なのだ。視聴者を喜ばせ、視聴率をあげて、お金を出しているスポンサーにも喜んでもらう。それが「テレビ」。 真っ正直にやっていて視聴率があがらなければ「テレビ」の存在価値はなくなるわけだから……。 そのへんの描き方が、なかなか面白い。 また、クイズ番組を勝ち抜いた人物(この映画ではジョン・タトゥーロが上手く演じている)が、自分がうだつのあがらない人間であることを忘れ、大金を稼ぐスターになったような錯覚に陥るのも怖いなぁ……って思った。 そんな人間の愚かさやマスメディアの持つ力の恐ろしさをシビアに感じさせてくれる「クイズ・ショウ」。観終わった後、思わず黙っちゃうような映画だけど、観て良かった。 冒頭から洒落た音楽を聴かせてくれるマーク・アイシャムにも拍手!
僕のお気に入り度
DVDで繰り返し見ている映画。社会派で、エンターテイメントの功罪を考えさせられる作品です。



(C) Tadashi_Takezaki 2002