パーフェクト・ストーム
ウォルフガング・ペーターゼン監督/2000年作品


あらすじ

1991年に大西洋沖で3つの嵐が激突し、ここ半世紀中で最大の勢力を持つ嵐「パーフェクトストーム」となった。この映画は、そんな大嵐に巻き込まれた人々を描いた実話である。不漁に悩む「アンドレア・ゲイル」号の船長、ビリー・タインが、仲間とともにシーズン最後の漁に出発。彼らは、いつもよりはるかに離れた場所でようやく大量の魚を確保する。ところが船の製氷器が故障し、魚を腐らせずに持ち帰るには、発達中の巨大な嵐を突っ切るしか方法がなかった…。

主な出演者
ジョージ・クルーニー / マーク・ウォールバーグ / ダイアン・レイン / メアリー・エリザベス・マストラントニオ


感想

  この映画、注目のポイントは観る前からわかっているとおり、壮絶な嵐を観客にすごい映像と音響で見せてくれるところ。 確かにこの映画では、かつて見たことないようなすさまじい嵐の風景がすごい迫力でせまってくる。 ……ただ、結局それだけなんだよね。 しかも、嵐の風景も観ているうちに飽きてくる。 飽きないようにするには観客の心をわしづかみにする物語が必要だと思うんだけど、そこへんが非常に弱い。 嵐の中を突っ切ろうとする漁船の話ならそこにあるドラマをきちんと見せてくれればいいのに、中途半端なまま、嵐に巻き込まれたヨットの話にとんだり、その救助に向かったヘリコプターの人々の話になったり、あっちにいったりこっちに来たり。 もともとの漁船に乗っている人々のエピソードだって単純で弱いし、嵐が始まる前、前半に見せられる大漁を目指して海に向かうお話の部分は決して面白いわけではないし。 それなのに、せっかく嵐が始まるや、先に述べたように全然違うエピソード(まったく関連がないとは言わないが)にポンポン飛ぶので、物語にのめり込む以前に、とにかく嵐の映像を繰り返し見せられているだけのような気持ちになってくる。 確かにスゴイ映像だけど(これはすっごく認める!)、この物語じゃしんどいよなぁ……と、とても残念に思うのであった。映像がもったいなさすぎる! あと、根本的に無謀な行動に走る漁師達がアホすぎ(苦笑)。そんな行動したら死ぬって誰でもわかるじゃん。よって、主人公達に感情移入もできないのだ。
僕のお気に入り度
ホントにバカバカしいドラマ。価値があるのは大迫力のCGだけ。めちゃめちゃ安くなったら、DVD買って、嵐のCGだけもう一度見ようかなぁ〜。



(C) Tadashi_Takezaki 2002