バンパイアの惑星
マリオ・バーヴァ監督/1965年作品
マリオ・バーヴァ監督は何でも撮れる職人! 1965年にはSF映画「バンパイアの惑星」を完成させました。

とある惑星から人工的な信号を受信した宇宙船は、自分たち以外の知的生命体との接触を期待し、その惑星に向かう。着陸しようとしたら、突然、40Gの重力に襲われて船長以外は気を失う。 気を失っていた乗組員は、突如、暴徒と化して船長を襲ってくるが、船長が反撃するとハッと我にかえり「私は何をしていたのでしょう?」と、どうやら暴れていたときの記憶はなさそうだ。

着陸早々からなんだか嫌な予感がするが、果たして彼らは知的生命体と出会うことが出来るのか? ま、ネタバレしない範囲ではこんな感じの物語といったところでしょうか。

宇宙船の中と、着陸した惑星の、おおよそ2つのセットで物語は展開しますが、昔のSFなので恐ろしくチープなセットです。(とはいえ、1968年には「2001年宇宙の旅」が来るので、時代ではなく予算のせいとも言えるか…) あと、バンパイアは出てきません!(または、出てる全員バンパイア?)

【以下、ネタバレ】
実は、この惑星には肉体を持たない生命体がいて、相手が気を失ったり、死んだりして意識がなくなったときだけ、その身体に入り込んで行動することができるのだ。

だから、宇宙からやってきた異星人を殺し合いさせたり気を失わせたりして、意識のなくなった身体をいただいてその宇宙船で滅びゆく惑星から脱出しようと企んでいたわけ。 自分たちは肉体がないので、宇宙船も作れないし、単独で脱出できないからね!

そんなこんなで、ラスト、首尾良く身体を乗っ取って惑星を飛び立った2人は、地図にも載ってないよく知らない小さな星=地球に不時着することに。え? アタマから出ていた役者のみなさんは地球人ではなかったのか!?(地球人と同じ外見だったが。あ、衣装はヘンテコだったか!)

「我々はあの星で生存できるかな?」「はっはっはっ… 石と鉄で建物を造っているレベルの未熟な文明だから平気さ!」とニューヨークの街並みを見ながら高笑い。キミたち、肉体がないから何もできなくて、他人の身体と宇宙船盗んでここまで来てるんだよね…

完ッ!!!
僕のお気に入り度
これはもう二度と見なくていいかも。



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