TAKEZAKI.NET／映画の話

あなただけ今晩は
‪ビリー・ワイルダー監督／1963年作品
僕の好きな映画監督の中でいのいちばんに出てくるのがビリー・ワイルダーなのですが、名画座で観た以外だとレーザーディスクで発売された作品をひと通り見て、その後またDVDで発売された作品をひと通り見て… 　その中で一番好きになった「お熱いのがお好き」だけは何度も繰り返して見ていたものの、他の作品はしばらく見ていませんでした。最近、友達から「自分の一番好きなワイルダー作品は『あなただけ今晩は』です」というコメントをいただいたのを機に、改めて本作を見直してみました。　ジャック・レモン扮する正直で仕事に熱心すぎる巡査は、見て見ぬふり＆持ちつ持たれつで容認されてきたパリの娼婦街に配属された初日に張り切って手入れをしたために警察をクビにされます。　失意のどん底で娼婦街に戻った彼は、ひょんなことからイルマという娼婦のヒモを喧嘩でやっつけ、流れでイルマのヒモに収まってしまう。本気でイルマに惚れ込んだ主人公は、イルマが客をとらずに済むように画策を始めるのだけど、イルマの方は「ビジネスはビジネスだから！」「あなたは私が働いて楽させてあげる」と客をとることをまるで気にしていない。　ここから主人公がとる作戦と、その結果、想定外のことがパタパタと起きてしまうところが大変面白く、最後の最後までお見事な脚本！　まさにコメディとして、お手本のような作りなのですが… たぶん、僕がこの作品より「お熱いのがお好き」の方を好きになったのは、娼婦街の方が楽団より気恥ずかしかったからかなーって思いました。　ジャック・レモンの人が良い真面目でとぼけた演技も、ルー・ジャコビの名脇役っぷりも素晴らしいのですが、なんといっても、"可愛いイルマ"を演じたシャーリー・マクレーンの可愛さが凄いのです！友達のおかげで改めて「あなただけ今晩は」を見返すことが出来て、本当に良かったです。
	僕のお気に入り度ビリー・ワイルダー監督の傑作としていつも持っておきたい1作です。