エリン・ブロコビッチ
スティーヴン・ソダーバーグ監督/2000年作品


あらすじ

バツ2で3人の子供を抱え求職中のエリンは、交通事故で和解金を取れなかった弁護士・エドの事務所に押し掛け、強引に職を得る。ある日、ファイルを整理していたエリンは、不動産案件の書類に医療記録が入っているのを発見し不審に思う。大手電力・ガス会社PG&Eが、ヒンクリー在住ダナの土地の買収を図っているのだ。ロサンゼルス郊外にあるヒンクリーは、PG&Eの工場でもっているような砂漠の小さな町。ここに出向いたエリンは、ドナばかりではなく、住民の多くが体調を崩している事実を知る。ファイルに医療記録が入っていたのは、工場がクロムを使用しているので、会社が各家族の定期検診を行っていたためだった。エリンは毒物学の教授に話を聞いたり、水道局にデータを調べにいったりする内に、PG&Eが安全なクロムではなく、癌をはじめさまざまな病気の原因となり得るきわめて有害な6価クロムを使用、それを隠蔽していたのではないか、との確信を深めていく……。

主な出演者
ジュリア・ロバーツ / アルバート・フィニー / アーロン・エッカート / マージ・ヘルゲンバーガー


感想

  「エリン・ブロコビッチ」、この映画はもうジュリア・ロバーツの”スター映画”で、これでもか!これでもか!……という勢いでジュリア・ロバーツがドアップで迫ってきます(笑)。 僕はコメディエンヌとしての彼女を非常に好んでいるのですが、今回はちょっと違ったイメージで実物大の女性を演じています。でも、これまでに何度かシリアスな役を演じて失敗していたのとはちがって、ちゃんと役柄に合っていて違和感はありません。 お話は、バツ2で子供を3人かかえるエリンがいよいよ貯金も尽き果て、仕事もなくて途方に暮れているところから始まります。学歴もなく、過去にさしたる労働実績もなく、服装も口のきき方もなってないエリンは当然のごとく就職先が見つからず、あげくに交通事故に遭っても有利だった裁判で罵詈雑言を飛ばしたために敗訴して人生最悪・大ピンチという事態に。万策尽きた彼女は、その裁判を担当した弁護士の事務所に乗り込んで無理矢理仕事を手に入れます。 当然、たいした仕事もできない彼女には”書類整理”なんて仕事が回ってきたりするのですが、あるときエリンはそんな書類の中にふとした疑問を抱いて調査をはじめ、大企業が隠している水質汚染問題につきあたるのであります……。 誰にも見向きもされなかったロー・クラスの女性がひとつの発見から、人に頼られ、尊敬され、必要とされていき、そこに生き甲斐を感じて人生を変えていくというサクセス・ストーリー。 大企業相手の公害訴訟問題って、いろんな本を読んでいる限りではなかなか簡単に事が運ぶわけないのですが、この作品は(時間をはしょるためかもしれませんが)妙にサクサクと物事が進んでいくので「?」って感じるのだけど、実話なんだから仕方がないか(笑)。 ま、その分、重くならずに観れる映画に仕上がっているところが、またジュリア・ロバーツのキャラクターに合ってていいのかも……ね。 パートナーとなる弁護士のエドがちょっと愛川欽也っぽくて、なんか微笑ましかった(笑)。
僕のお気に入り度
そんなに繰り返し見るわけではないけど、ジュリア・ロバーツが結構好きなので、ジュリア・コレクションのひとつとして買っておいてもいいかな〜って感じかな。



(C) Tadashi_Takezaki 2002