ザ・ビーチ
ダニー・ボイル監督/2000年作品


あらすじ

リチャードはタイの安ホテルでドラッグ漬けの旅行者ダフィに出会う。彼は誇大妄想的な話を延々と続け、地上の楽園と呼ばれる孤島「ビーチ」の伝説をリチャードに語る。翌朝、リチャードは部屋のドアにピンで止められた小さな紙切れを見つける。それはダフィが伝説の島の位置を示した手書きの地図だった。これこそ自分が探し求めていた“これまでと違う何か”かもしれないと感じたリチャードは、再びダフィに会いに行くが、彼がそこで見つけたのは、自分の手首を切って息絶えている彼の変わり果てた姿だった。リチャードは、ダフィの地図をたよりに伝説の楽園ビーチを探して南へと旅立つ。何度も命がけの危機を突破した先に、その目的地はあった。そこは、20人あまりの人々が暮らす、エデンの園のようなコミュニティだった。青い空、白い砂、きらめく海……。自然と共生する夢のような生活を送り始めたリチャード。しかし、美しい夢は長続きしなかった……。

主な出演者
レオナルド・デュカプリオ / ティルダ・スウィントン / ヴィルジニー・ルドワイアン / ギョーム・カネ


感想

  「ザ・ビーチ」は、あの全世界でメガヒットを飛ばした「タイタニック」以来のレオナルド・ディカプリオ主演作品ということが先走って、作品内容とは関係ないところで話題になっている(ような気がする)映画。 監督は「トレイン・スポッティング」(これはなかなか新感覚な映画で、一度見てみるといいよ)という映画で一世を風靡したダニー・ボイル。 「ザ・ビーチ」は、一言でいえば、誰もが一度は思いをはせる「海も空も美しい、究極の楽園に行ってみたい」という夢が実現した場所で起こるできごとを描いた物語。 主人公は、自由気ままな生活を求めて旅をし、その途中、ちょっとした事件から”この世の楽園”への地図を入手し、そこへ向かうのだが……。 映画が終わった後、周りにいたお客さんの実際の反応は、「なんだかよくわからない」「面白くないよね」とあまり好評ではなかったし、すでに観た僕の知人たちからもちょっと不評。 監督の意図はどこにあったのかはよくわからないが、もしも「なんの痛み苦痛もない楽園なんて存在し得ないのだ」ってことなんだったらちょいと浅すぎるよなぁ……と思う(でも、それ以上のものが感じられないのも事実)。 少なくとも「タイタニック」の余韻で観に行く人の期待に応える作りの映画ではない。とはいえ”楽園”と呼ぶにふさわしいとっても美しいビーチを見ることができるのはうれしい!(行ってみたいなぁ、と思える)のだけは確かだ。 あと、ちょっとした発見。 劇中で使われていた音楽に「ツイン・ピークス」の「ローラのテーマ」にソックリなメロディがあって、「これ、パクリじゃん!」と思ってエンディングのスタッフロールを見たら、同じ作曲者の作品でした。アンジェロ・バダラメンティ、最近名前を見なかったのでちょっとうれしかったりして(笑)。 ←デヴィッド・リンチの映画では常連なんだけどね。
僕のお気に入り度
一度見たらもういいかな〜って思う映画。再び見たいのは、美しいロケーションだけ(笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2002