ファイブ・バンボーレ
マリオ・バーヴァ監督/1970年作品
先に見た「呪いの館」が大傑作だったので、次はマリオ・バーヴァ監督自身が"最大の失敗作"と位置付けた(と、パッケージにも書いてある!)1970年の作品「ファイブ・バンボーレ」を見てみようと… ホントに失敗作でした。見なくてもいい映画だったな。でも、マリオ・バーヴァ監督の映画群を俯瞰するなら、それでも見ておかねばねっ!

この映画、致命的にお話そのものが退屈。 加えて、81分しかないのに無駄が多い。そこ、そんなにダラダラ撮る!? みたいな。 映画前半は気を失いそうになるほど怠い展開で、後半に少しだけ盛り返すが、残念なまま終幕。何をしたかったのかよくわからないが、とにかく脚本がメタメタであることは間違いない。

そんな退屈な映画なのに、ピエロ・ウミリアーニの軽快な音楽がやたらと流れて賑やかだったり。インテリアや衣装が派手でカッコ良いのにも、話がこれだけ退屈な中では違和感しか残らない。

物語は、孤島で繰り広げられる欲にまみれた人間の醜い争い。以上。

「5 bambole per la luna d’agosto」というタイトルを訳すと、「8月の月の5体の人形」という意味か…

本作はアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を下敷きにしているそうなので、「そして誰もいなくなった」の「十人の小さな兵隊さん」から来てるのかな? 人が殺される度に、死体が巨大冷蔵庫にぶら下げられていくのが、そこはかとないユーモアを醸し出す。これが"5体のお人形"ってことなのかな?
僕のお気に入り度
これも、もう見なくていいかな。



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