フォー・タイムズ・ザット・ナイト
マリオ・バーヴァ監督/1971年作品
マリオ・バーヴァ監督が1971年に撮ったコメディ映画「フォー・タイムズ・ザット・ナイト」を見た。マリオ・バーヴァってこんなのも撮ってたんだなぁ…と思えたことは収穫だけど、特に映画として完成度が高いわけでも面白いわけでもなかった。

純情そうに見せかけて男をナンパする女と、高級車に乗って道行く女性に次々と声をかけるナンパ男がある晩デートをすることになった。ま、どっちもどっち的なキャラクターなんだけど。

で、そのデートの後に女性は男性の家に連れて行かれて襲われたと言うのだが、男性が友人たちに話したその夜の状況は全く違っており、さらに二人の様子を覗いていた守衛の見たものはこれまた全く異なる。「羅生門」じゃないけど、それぞれが語る「その夜の出来事」は、まるで違うのだ。

そこに心理学者みたいな人物が現れて、「同じ出来事でもそれぞれ人によって見え方は異なるのです」ともっともらしく語るまではまぁいいんだけど、最後に「本当の話はこうでした」と語られる内容が、これまた先の3つの話と全然違っていて、何ひとつ辻褄が合わないし、どれも「見え方によって異なる」レベルじゃない完全にバラバラな話になっているのでオチにもならんという… "にっちもさっちもいかない"とは、まさにこのことだよ!
僕のお気に入り度
二度と見たくないが、また見てツッコミ入れてそうな気もする…



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