ロボ・ジョックス
スチュアート・ゴードン監督/1990年作品
 スチュアード・ゴードン監督が「マクロス」の影響を受けて撮ったと語るSFロボットアクション映画「ロボ・ジョックス」。

  「死霊のしたたり」「フロム・ビヨンド」「ドールズ」と立て続けにホラーを撮った後のロボットものだったので、1990年の公開時には触手が伸びず、そのまま30年もスルーした挙句、ようやくスティングレイから発売されたBlu-rayで見た次第。

  CGなどの技術が進んでいない30年前の作品だけに、合成や特撮部分は昔の「仮面の忍者 赤影」なんかを思い出させるレベルなのですが、そこはまぁ脳内補完して… 変形する巨大ロボットに人が乗り込んで、その身体の動きにシンクロしてロボットが動くあたりは、2013年の「パシフィック・リム」にも繋がる構図で、時代と予算が違えば、パシリムみたいになってたんだろうなぁと思わせる。 というか、そんなチャレンジにずいぶん早く挑んだものの、あまり人々に知られることなく埋もれちゃった映画ということになるのかもしれない。

  ストーリーの方は、主人公とライバルの戦いの軸はシンプルながら、周囲の登場人物のエピソードはややとっちらかっていて、役者のレベルの低さも相まって説得力や意味付けに欠ける。試験管ベビーとして生まれた最強の遺伝子を持つ戦士も、その研究を主導する博士も、いなくてもいいんじゃないかと思うほど存在意義が感じられない。いや、その程度の薄っぺらい演技に終始する。

  だから、この作品の意義は、低予算で(日本のアニメがやっていた)人が操縦する巨大ロボットものを実写映画という形に仕立て上げてみせたことに尽きるのかなと。特に特撮に関わったスタッフには敬意を表したい。

  ただ、一方で予算があったら、この時代でも「スター・ウォーズ」くらいのことは出来たのだということも忘れずにはおきたい。「スター・ウォーズ」 って、1977年作品だから…
僕のお気に入り度
記念碑的作品なので、一度は見て記憶にとどめたい。



(C) Tadashi_Takezaki 2002