上越宝川板幽沢より布引山探訪報告


(12年10月8日)


<12'10.8 歩行記録>

宝川温泉先P(4:30)〜板幽沢橋(5:30-35)〜広河原(6:00)〜大滝下(6:30)〜布引沢出合(7:00)〜
2段8m滝(7:20)〜菊石沢出合(7:45)〜最後の2俣(8:35)〜天上の楽園(9:05)〜布引山(9:55-10:15)〜
天上の楽園(10:40)〜最後の2俣(11:05)〜菊石沢出合(12:05)〜2段8m滝(12:45)〜布引沢出合(13:05)〜
大滝下(13:45)〜広河原(14:20)〜板幽沢橋(14:45)〜宝川温泉先P(15:35)

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 ここ数年、ずっと計画していた無積雪期における板幽沢からの布引山アタックですが、2度の下見を経てやっと実現することができました。 今回は天気にも恵まれ、期待していた山頂からの展望は予想をはるかに超える素晴らしさでした。 板幽沢の長い沢登りと沢下り、さらに最後の稜線の猛烈な密藪には苦戦を強いられましたが、山行はそれらを忘れさせてくれるような充実した内容で大満足です♪

 板幽橋から入渓し、橋からも見える3m滝を左から越えると2段7mのナメ状逆くの字滝が現れます。 ここはフリクションが効くので快適に登っていけます。 次に現れる3m滝を右から越えると急傾斜の巨石帯となり、ここは意外と長く続きルーファンには苦労させられました。 巨石帯が終るとしばらくは緩やかな流れの河原が続きますが、それが途切れると今度は広大な広河原となりました。 実はこれは最初の遡行時の記録で、今回は板幽橋から左岸の仕事道を利用して広河原までエスケープしました。

 広河原はしばらく続いて一旦途切れた後、再び第二の広河原が現れます。 ここの左岸には絶好のキャンプサイトがありました。 広河原を抜けると、今度は右岸が大崩壊して岩がゴロゴロした河原となり、その先はまた急傾斜の巨石帯が続きます。 最初の巨石帯同様に意外と通過には苦労させられました。 巨石帯を抜けるといよいよ大滝の登場です。
 大滝というのは8m幅広滝と15mナメ滝がセットになった滝です。 下段8m滝は垂直で直登は不能のため、左岸の笹薮を小さく巻いて落口に出ました。 かなり急斜面で潅木は概ね下方を向いて倒れているためとても歩き難い巻き道ですが、中にはトラロープが設置してありました。 上段の15mナメ滝は右岸を適当にフリクションで登りました。 大滝上は大滝がまるで砂防堰堤でもあるかのごとく穏やかできれいな河原の流れとなりました。
 

大滝下段幅広滝
大滝下段幅広滝
oooooo 大滝上段ナメ滝
大滝上段ナメ滝
oooooo 岩畳状の流れ
岩畳状の流れ

 河原が終わり、小さいけど綺麗な淵をいくつか越えるとナメ状の7m滝です。 ここは左から廻り込むように越えます。 さらに7m滝上には綺麗なナメ状の滝が15mほど続いています。 この辺りの沢床には至る所に甌穴(ポットホール)が出来ていて、ちょっと不思議な感じがする所でした。
 さてさらに進み、大きなプールを持った3mナメを越えると板幽沢一番の見所と言っても良い風景が現れます。 写真ではおそらく表現はできないと思いますが、沢全体が30mくらいに渡って傾斜の無い平らな岩畳の上を静かに流れている所です。 歩いていると何だか不思議な気分になれる見所だと思います。

源頭草原
源頭草原
oooooo 天上の楽園
天上の楽園
oooooo 朝日岳と布引山
朝日岳と布引山

 その先、岩をえぐるような深い滝壺を持った3m滝を越えるとやっと布引沢の出合となります。 水量比は2対1で本流の小滝により大きなプールが形成された出合でした。 ちなみに板幽橋からここまで2時間。 予想以上に時間と体力を費やした気がしました。

 布引沢出合からは小さなナメや滝がいくつか現れますが、やがてちょっと大きな4m2段滝に到着。 ここは滝壺が深いので左から廻り込むように越えます。 下降の時は少し危なっかしかったのでザイルを使いましたが滝壺から右岸の岩に這い上がるのが大変でした。 実はこれも最初の遡行時の記録で、今回は滝壺の水量が多くて取り付けず、登り下り共に左岸を巻いて越えました。
 この滝を越えるとさらに大きな2段8m滝がなかなか見事な姿で現れます。 この滝は下段2mは難なく登れますが上段6mはほぼ垂直で手がかりもありません。 上段は左岸の笹薮を小さく巻いて落口に抜けました。
 続いて谷がちょっと狭まってくると4m2段滝となります。 下段2m滝は簡単(直登または右岸の岩溝を突っ張り)ですが、上段2m滝は滝壺が深く右岸から滝壺をへつるようにして通過しました。 下降時はザイルが必要な所です。 この滝を抜けるとまもなく左岸から菊石沢が水量比2対1で少し奥に4mほどの滝を従えて合流してきました。

谷川岳、朝日岳
谷川岳、朝日岳
oooooo 大烏帽子山、巻機山
大烏帽子山、巻機山
oooooo 巻機山、八海山、中ノ岳
巻機山、八海山、中ノ岳

 菊石沢出合からさらに本流を進むと谷の狭場に2mほどの滝が現れます。 ここは左から登って滝中を右側にトラバースして越えました。 続いて現れる幅広2m滝は左岸を巻いて越えましたが、下降では巻き道に気づかず右岸を下降してしまいました。 まあ、下降ができたのだから巻く必要も無く簡単に登れたんじゃないかと思います。
 右岸より水量比5対1で支沢が入ると水量もだいぶ減ってきますが、小さな滝やナメは相変わらず続きます。 再び右岸より水量比2対1で支沢が入ると水量はさらに減少し、次第に両岸の藪が沢に覆いかぶさるようになってきます。 水量比2対1の最後の2俣はそんな藪に囲まれた中にありました。 ちょっと見落としやすい所ですが、高度計では標高1470mでした。 地形図と照らし合わせると確かにそれっぽい分岐があるようです。

 2俣は右に進みます。 最初は薄暗い藪の中を進みますが、すぐに右手が開けて明るくなってきました。 よじ登ってみるとちょっとした源頭草原状となっていて、とても気持ち良い所でした。 傾斜があってテント場には難しいですが、眺めも良く草原の端には沢も流れているのでかなり贅沢な休憩場所ではあると思います。
 この草原を抜けると沢は再び藪の中ですが、水流は意外としぶとく続いています。 しかしまもなく沢形が2俣状になるあたりで水流も無くなりました。 高度計では標高1570mでした。 2俣状を右に進み、わずかに残る水流跡を辿って北方向に笹薮のトンネルを進むと突然目の前に草原が現れました。 雰囲気的に目的地のひとつであった「天上の楽園」と確信できる草原でした。 ここで高度計は1585mを指していました。 稜線までわずかの地点です。

中ノ岳、平ヶ岳、燧ヶ岳
中ノ岳、平ヶ岳、燧ヶ岳
oooooo 燧ヶ岳、至仏山、雨ヶ立岳
燧ヶ岳、至仏山、雨ヶ立岳
oooooo 日光白根山、武尊山
日光白根山、武尊山

 「天上の楽園」からはいよいよ上越特有の笹薮に突入です。 踏み跡はおろか獣道らしきものも無い密藪となりましたが、とにかく少しでも密度の薄い所を狙いながら稜線が近い北方向へと進みます。 ところが稜線に出ても踏み跡の無い密藪はそのままで戦意喪失気味となりましたが、もうひとふん張りと気合を入れ直して、さらに布引山方向へと進みます。
 しばらくすると笹薮が頭が少し出るくらいの背丈となり、周囲の山々が眺められるようになってくると、突然のように尾根上に眺めの良い岩がある場所に出ました。 ここからは下方にナルミズ沢、そして正面には朝日岳そしてこれから登る布引山の山頂がすぐそこに見えていました。
 展望箇所からは再び笹薮に突入となりますが、それもわずかで、やがて傾斜が緩やかになると笹薮が胸くらいの高さになり周囲に大展望が広がる場所に出ました。 遂に数年憧れ続けた布引山の山頂に到着したのでした。

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