一ノ瀬川大常木谷より飛龍山・将監峠探訪報告


(02年6月9日)


<02'6.9 歩行記録>

一ノ瀬林道下降点(4:15)〜大常木谷出合(4:45)〜千苦ノ滝(5:30)〜
山女魚淵(5:45-6:40)〜不動ノ滝(7:00)〜御岳沢出合(7:40)〜
会所小屋跡(8:00)〜大岩滝(8:45)〜登山道(10:00-40)〜飛龍権現(11:05)〜
飛龍山(11:20-25)〜飛龍権現・禿岩(11:35-40)〜将監峠(13:10-20)〜
ムジナの巣(13:55)〜三ノ瀬(14:25)〜一ノ瀬林道下降点(15:20)

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 多摩川流域の谷ではトップクラスの人気を誇る一ノ瀬川大常木谷にチャレンジした。 直登、高巻き、へつり、泳ぎと何でもありの遡行は訪問者の期待を裏切ることはないと思われる。 会所小屋跡前後の長いゴーロ歩きはちょっとしんどいが、その分は下部、上部の素晴らしい滝場が十分に補ってくれるだろう。 今回は遡行後のシャクナゲ鑑賞もプラスされて充実の山行であった。

 一ノ瀬林道の大常木谷出合付近(と言っても谷は遥か下を流れているが....)に切り通しがあり、3〜4台の駐車スペースがある。 まずはここからアタック開始だ。
 切り通しの下流側に良く踏まれた踏み跡があり、それを辿って急降下すると5分程で一ノ瀬川の谷底に到着。 しかし現在位置がよく分からない。 大常木谷の出合はここから下流なのか上流なのか? とりあえず下流に向かってみると何やら遭難者の慰霊碑があった。 そしてその先はゴルジュ状となっていてとても先には進めない。 しかたなく戻って上流に向かう。 すると今度はすぐに深い淵に行く手を阻まれてしまった。 まだ泳ぎたくはないし、高巻きも悪そうだったので撤退。 再び急勾配の踏み跡を辿って林道に戻る。

 注意して別の降り口を捜すと切り通しの上流側にも何やら踏み跡らしきものがあった。 ここは大常木谷出合への最短ルートと思われたが、かなり怪しい踏み跡だったのでパス。 さらに林道を100m程登ると車1〜2台の駐車スペースがあり、そこから立派な踏み跡が谷底に向かって続いていた。 これを下ると簡単に一ノ瀬川谷底の大きなナメ滝の上に辿り着いた。
 今度は現在位置が大常木谷出合のかなり上流部だと分かっているので、一ノ瀬川本流を下って行く。 悪場は特になく、20分ほどで大常木谷出合に到着した。

8m五間ノ滝
8m五間ノ滝
oooooo 五間ノ滝上のナメ
五間ノ滝上のナメ
oooooo 3mナメ状滝
3mナメ状滝

 大常木谷に入るとしばらくは穏やかな流れが続く。 澄みきった流れには魚影もいくらか確認できた。 やがて谷は狭まり、最初の5mナメ状滝だ。 ここは腰まで浸かって左岸の岩に取り付いて超える。 この次は8m程の五間ノ滝である。 ここも釜に浸かって左岸に取り付き、水流のすぐ右手をシャワーを浴びながら登る。 見た目に反してホールド・スタンスはしっかりしていて簡単だった。
 五間ノ滝上はきれいなナメが連なり快適に遡行していくと無名の淵が現れる。 ここは右岸をへつって通過するがちょっと滑りやすいので要注意だ。 淵を越えるとナメ状の3m滝、4m滝と続くが特に問題は無く超えていく。 やがて小さな小滝の上で右岸から支沢を合わせると、谷は左に大きく曲がり大常木谷最大の千苦ノ滝が現れる。

千苦ノ滝(1)
千苦ノ滝(1)
oooooo 千苦ノ滝(2)
千苦ノ滝(2)
oooooo 千苦ノ滝(3)
千苦ノ滝(3)

 千苦ノ滝は想像以上の素晴らしい滝だった。 岸壁から勢いよく飛び出した水流が途中の岸壁で分散し、そこからすだれ状になって滝つぼまで流れ落ちている。 多摩川流域の滝としては珍しく形のまとまった滝でもある。
 千苦ノ滝は左岸の良く踏まれた巻き道を辿る。 途中、ルンゼを横切る所はフィックスロープがセットしてあるが、滑って落ちたらアウトなので慎重に通過する。 千苦ノ滝上はしばらく平凡な流れとなるが、やがて両岸が狭まってくるといよいよ最難関の山女魚淵となる。

山女魚淵
山女魚淵
oooooo 核心部を振り返る
核心部を振り返る
oooooo 3m、4m滝
3m、4m滝

 山女魚淵は以前の写真等を見るとかなり長い淵だったようだが、現在では淵の出口付近に流木がはさまって淵の中はかなり埋まってしまったようだ。 しかし、この流木までたどり着くには背の立たない淵を2〜3m程進まなければならない。
 まずは荷物を置いて偵察をする。 問題の流木までだが、左岸をへつってたどり着けないかとチェックするがどうも無理のようだ。 しかたなく残置されたフィックスロープまで泳ぐが、水の流れが意外と強くて思ったように前に進まなかった。 なんとかフィックスロープをたぐり寄せて流木の上に立つと寒さで体がブルブルしていた。 今日は快晴だが、さすがに7時前の水泳はキツイものがあったようだ。
 この奥の早川淵等はいろいろと手がかりがあって特に困難な所は無いようだったので、補助ザイルをセットして荷物を取りに戻る。 荷を背負っての2回目のトライはザイルを手繰りながら簡単に通過できた。 山女魚淵の上は予想通り意外と簡単で寒さと戦いながら通過する。 悪場を抜け、陽だまりで暖をとりつつ振り返ると切れ込んだゴルジュが圧倒的だった。
 昔の資料ではこのゴルジュを巻くことも可能と書いてあったが、おそらくかなりの高さの懸垂下降が必要になるものと思われる。 安全を最優先するなら泳ぐのが一番である。

4m滝
4m滝
oooooo 不動の滝と前衛滝
不動の滝と前衛滝
oooooo 不動の滝
不動の滝

 悪場を抜けると3m滝、4m滝と連続するが特に困難は無く快適に通過する。 やがて谷が少し開けてくると前方に2段の不動の滝が見えてくる。 下段は4mほどの堰堤状幅広滝で、上段は8mの大きな釜を持った豪快な滝である。 最近の資料では上段の滝のことを不動の滝としているものも多いようだ。
 この滝は2段をまとめて左岸から高巻くことも可能なようだが、とりあえず下段の右岸を小さく巻いて上段の滝つぼに降りてみる。 上段は左側を直登できそうだったが、淵を泳いでやっと暖まってきた体にシャワークライムはしんどいので再び右岸を巻いて越えた。

3m滝
3m滝
oooooo 4mナメ状滝
4mナメ状滝
oooooo 上部ゴルジュの滝
上部ゴルジュの滝

 不動滝上は穏やかになり、3m滝やきれいな4mナメ滝等を楽しみながらのんびりと登っていく。 谷は次第に拡がり、途中ではどこが本流なのか良く分からないような場所もあった。 歩きやすそうな所を適当に登っていくとやがて御岳沢の合流点に到着。 御岳沢は悪場も無くエスケープルートに使えるとのことだが、最初は薄暗いゴルジュのように見えた。 水量は本流の半分くらいか?
 御岳沢出合を過ぎると次は会所小屋跡だが、これがなかなかたどり着かない。 やっと到着した目的地はビバーク適地と言われているが、ゴミなども多少残っている。 付近を捜せば他にもっと適した場所がいくらでもあるように思える。

15m大岩滝
15m大岩滝
oooooo 4mトイ状滝
4mトイ状滝
oooooo 源流部のナメ床
源流部のナメ床

 会所小屋跡から奥の滝場までは単調な沢歩きがかなり長く続く。 我慢のしどころであるが、いい加減に嫌気がしてくる頃にやっと滝が現れる。 3〜4m程のきれいな滝を3つ程越えると前方には大岩に塞がれた15m滝だ。 とにかくものすごく大きな岩が谷の真ん中に居座っていて非常に特徴ある景観となっている。
 ここは左側の滝をシャワークライムすればホールド・スタンス共に豊富で登れそうだったが、先ほどよりさらに乾いた服をもう一度濡らすのは抵抗がありすぎたため、右側のぬめった岩を登って超えた。

 大岩滝の上は谷も次第に明るくなってくる。 4m程のトイ状滝を右岸から巻いて越えれば谷は源流域の様相となる。 所々に現れる明るいナメ床が何ともいい感じである。
 本流と思われる流れを忠実に辿って高度を稼いでいくと、水流が消えてまもなく登山道に飛び出す。薮こぎも無くうれしいフィナーレだ。

飛龍山への道にて
飛龍山への道にて
oooooo 飛龍山頂
飛龍山頂
oooooo 山頂より富士山
山頂より富士山

 日なたで靴を履き替え、塗れた物を岩につるしてから空身で飛龍山まで往復することにする。 飛龍権現まではダラダラ登りで意外と疲れる道だった。 途中、岩清水の水場があるが、水量が少なく水の補給は難しそうだ。 あまり当てにしない方がよいと思われる。 なお、この付近にはコイワカガミの群落があり、シャクナゲもちらほら咲いていていた。

 飛龍権現から飛龍山までの道は予想外に立派な道で、今回は満開のシャクナゲトンネルと化していた。 この眺めで今までの疲労が一気に吹き飛んだようである。 たどり着いた飛龍山山頂には既に数人の登山者が休憩中だった。 展望はあまり良くないが、南側がちょうど開けていて、今日はそこからの富士山の眺めが素晴らしかった。

将監峠に向かう道
将監峠に向かう道
oooooo 将監峠にて
将監峠にて
oooooo 将監小屋
将監小屋

 帰路は眺めの良い禿岩に寄ってから一気に将監峠へと向かう。 この道は整備良くアップダウンもほとんど無いので快適である。 途中、水流のあるルンゼを何回か横切るが、立派な橋があって問題なく通過できる。 なお、このあたりではミツバツツジがちょうど良い感じで咲いていた。 周囲が何となく明るくなってくると峠も近く、左下に将監小屋への道を分けるとまもなく将監峠に到着である。

 将監峠は周囲が切り開かれた明るい峠である。 ちょっと人工的な感じも受けるが、とても気分の良い場所だ。 一息入れて明るい草原を下ると2〜3分で将監小屋に到着。 龍喰谷の水源とも思える水場の水がとても美味かった。 ここからは立派な林道を三ノ瀬までひたすら下るのみだ。 途中、ムジナの巣という水場で水分補給して、後はブラブラと大常木谷出合上部の車まで戻った。

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