赤谷川本谷より谷川岳探訪報告


(01年8月25〜27日)


<01'8.25 歩行記録>

川古温泉手前駐車場(5:15)〜赤谷川橋(6:15-25)〜笹穴沢出合(6:45)〜
渡渉点(7:25-50)〜裏越しのセン下(11:30-12:30)〜
ドウドウセン下(14:30-45)〜ドウドウセン上河原(17:00)

<01'8.26 歩行記録>

ドウドウセン上河原(6:35)〜ゴルジュ8m滝上(8:25)〜大きな支沢出合(10:20)〜
小障子の頭からの支沢出合(10:55-11:05)〜川棚の頭からの支沢出合(11:20)〜
最後の2俣(11:30)〜オジカ沢の頭(13:50-14:15)〜肩の小屋(15:30)

<01'8.27 歩行記録>

肩の小屋(4:55)〜オキの耳(5:10-35)〜トマの耳(5:45)〜
肩の小屋(5:50-6:55)〜いわお新道分岐(8:10ー15)〜天神平(8:40)

サーバ容量制限による画像リンク切れがある場合はご容赦下さい。m(_o_)m
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 会社仲間の森くんとかねてから憧れていた赤谷川本谷についにチャレンジ。 予想外の水量、ルートミスにより大幅な時間と体力の消耗を強いられたが、なんとかかんとか制覇することが出来た。 沢での泳ぎ、ビバークと初体験満載だったが、充実した山行であった。

雄滝・雌滝
雄滝・雌滝
oooooo エビス大黒沢の滝
エビス大黒沢の滝

 川古温泉手前駐車場に着いて赤谷川の流れを見ると水量がやたら多く濁り気味だった。 これはちょっとヤバイかなと思いつつとりあえず赤谷川橋に向かう。 赤谷川橋で水量の再チェックを行う。 水量は今までで一番多いようだ。 でも何とかなりそうな気もする感じだったのでとにかく先に進む。 途中の雄滝・雌滝は水量を増して立派な滝に変身し、なかなか素晴らしい眺めであった。 渡渉点のエビス大黒沢の滝も豪快に落下していた。 そして本流の水量はやはり相当多い。 かなり悩むが行ける所まで行って見ようと出発する。

マワット下のセン
マワット下のセン
oooooo マワットのセン
マワットのセン
oooooo 巨岩帯の風景
巨岩帯の風景

 本谷に入るといきなり腰上までつかる渡渉の連続となる。 ちょっと足を滑らせた森くんはいきなり淵を泳ぐ。 しかしこれで怖いものが無くなったようで、結局最後まで遡行を終えることが出来た気がする。 やがてマワット下のセンに到着。 ここは滝壺まで曲がりくねった深い淵になっていて全景を見ることは出来なかったが、今回は谷幅いっぱいにもの凄い水量を落下させていた。 ここは右岸の明瞭な踏跡を辿って越える。
 東の滝沢、熊穴沢の出合を過ぎるとやがて現れるのがマワットのセン。 ここは大きな滝壺を持った明るい滝だ。 しかしながらここも水量がもの凄い。 この滝も右岸を巻く。 右岸のルンゼを少し登るとすぐに右上する踏跡がある。 入口はちょっと分かりにくいので要注意だ。 途中も少し滑りやすいので注意を要する高巻きである。 ここを越えるといよいよ巨岩帯に突入となる

裏越しのセン遠景
裏越しのセン遠景
oooooo 裏越しのセン
裏越しのセン
oooooo 大水量の豪瀑!
大水量の豪瀑!

 巨岩帯は意外とルート探しに手こずるが、何度かショルダーで乗り切っていく。 やはりこういう時は2人だと楽である。 なお、大きな滝には右岸に踏跡が多く残されていたようだ。 こんな巨岩帯を越えると行く手には裏越しのセンの姿が見えてきた。
 辿り着いた裏越しのセンは下から見えるだけでも2段50mの豪瀑。 そして今回はもの凄い水量だ。 この滝については今までいろいろと写真を見てきたがこんな姿のものは見たことがない。 滝壺の釜はかなり深そうだ。 昔からのルートである滝裏の通過ルートは水量が多すぎてとても通過できそうもない。 しかたなく高い所に登り釜の一番浅そうな所を探す。 そしていよいよ決行! つま先立ちくらいで何とかなるかなと思っていたが、すぐに足が着かなくなった。 こうなったら泳ぐしかない。 とにかく必死で泳ぐと5m程でやっと足が底に着いた。 とにもかくも何とか釜は渡れたが、全身ズブ濡れで飛沫の飛び散る滝壺に立っているのは異常な程寒い。 たまらなくすぐにルンゼの巻き道を登りだした。
 このルンゼはかなり急勾配だ。 高度にして2段目の滝上くらいまで登ると次第に藪が濃くなってくるが、そのあたりで気を付けていると右手に続く踏跡があった。 これをたどるとすぐに小ルンゼ状の泥壁。 滑りやすく落ちたら滝壺まで逆戻りしそうな所なので慎重に進む。 途中でたまらなくなって右上して泥壁を避けたがこれが失敗であった。
 谷に戻ったのは予定地より下の裏越しのセンとドウドウセンの間にある4m滝の下であった。 やはり泥壁は最後まで登るべきだったようだ。 この滝は登れそうもないので戻って再び高巻く羽目になった。 しかしこの高巻きの登り口が泥笹斜面でズルズル。 なかなか身体が上がらない。 ようやく高巻きを終えた時には疲労困憊状態であった。 しかしながらこの先にはドウドウセンの大高巻きが待ち構えているのだ。 時間的にもあまりゆっくりもしていられない。 一息入れてすぐにドウドウセンの高巻きへと突入する。

 ちなみにドウドウセンの姿は高巻き開始地点からは全く見えない。 興味をそそる岸壁だけが行く手に見えるだけだ。 この滝はトータルの落差では100m越える段瀑であるが、その姿を見るには相当の技術と覚悟が必要とのことである。 落差45mの2段滝や幅が何と70cmという凄まじいゴルジュが待ち構えているらしい。
 さて高巻きだがまずは右岸から入る扇ノ沢を登る。 すぐに岩の間を割って落ちるチムニー状の滝に到着。 ここから右手の小ルンゼをひたすら登る。 最初は登りやすいルンゼだが次第に急傾斜となる。 藪と泥の壁をひたすら登ると小さな尾根上に出る。 ここからは扇ノ沢上部の様子が良く見えた。 この尾根はかなりの急勾配でしばらく登ると今度はちょっと立派な尾根に出る。 さらに尾根上の笹藪のトンネルを抜けて登ると岸壁に突き当たり、ここを右に巻くように進むと目の前には大きなスラブ、そしてその下には広々とした河原が見えた。
 ルートはこのスラブを下降するのだが、ドウドウセンの方に降りないように河原が見える地点を慎重に下っていく。 最後はスラブの水のはけ口のような小さな窪を下ると何とか河原に降り立つことが出来た。 しんどい高巻きだったが、降り立ったすぐ下はドウドウセンの落ち口だ。 ちょっと覗きに行ったが下は奈落の底のように全く見ることは出来なかった。 恐ろしい所である。
 さて河原に辿り着いたのは既に17時。 いそいで今宵の寝床準備にかかる。 夕食とビールを済ませるともうあたりは真っ暗。 疲れていたのでそうそうに寝にかかる。 夜は一時的にかなり強い雨が降ったが、朝方には満天の星空に変わっていた。

ドウドウセン落口
ドウドウセン落口
oooooo 別天地の河原
別天地の河原
oooooo 一夜の寝床
一夜の寝床

 河原の朝は快晴のスタートだった。 この河原の一番上部で小出俣山からの支沢が出合う。 このことから地形図のドウドウセンの位置はかなり間違っていることが分かる。 さて河原を過ぎるとすぐにゴルジュとなり最奥部には8m滝がかかっている。 ここは右岸を登るのが正規ルートだと思うが、このルートは途中がいくぶん逆層気味で今回は昨日の雨のためかぬめっていた。 下は水流が渦巻いていたこともありヤバそうなので右岸を高巻く。 難易度は大したこと無いがルートがちょっと分かりにくく手こずってしまった。

ゴルジュ内8m滝
ゴルジュ内8m滝
oooooo ゴルジュを抜けて
ゴルジュを抜けて
oooooo 里川のような流れ
里川のような流れ

 ゴルジュの上はしばらく穏やかな流れとなり、快適に進んでいった。 左岸から水量の多い支沢が出合うと谷はまるで里川のように穏やかになる。 こんな山奥にこのような流れが存在するのが信じられない光景だ。 
 しかしながらこの先、再び小ゴルジュが現れる。 特に難しいところは無いが今回は水量が多いためかかなり深い渡渉が何回かあった。 慎重に進むとやがて再び谷は開け穏やかな流れに戻ってくる。 小規模なナメ、瀞、滝が連続して気分が良いところである。 このあたり、左岸には台地状の地形が多くビバーク適地がたくさんあるのも特徴だろう。

5m2段滝
5m2段滝
oooooo ゆったり流れる
ゆったり流れる
oooooo 川棚の頭からの支沢
川棚の頭からの支沢

 万太郎山からの大きな支沢(水量比1対3)を過ぎ、もう一本、万太郎山からの支沢を過ぎる。 このあたりも穏やかな流れだ。 この後、小障子の頭付近からの支沢を2本合わせ、さらに進むと川棚の頭からの支沢が左岸より入る。 この沢にはすぐに10m程の滝がかかっているのが見えた。 この先、きれいなナメと特徴ある3mのスダレ状滝を越えていくとやがて最後の2俣(水量比1対2)となる。 ここも両俣の間にもビバークに適すると思われる台地が広がっていた。

きれいなナメ
きれいなナメ
oooooo 3mすだれ状滝
3mすだれ状滝
oooooo 最後の2俣上の雪
最後の2俣上の雪

 2俣を過ぎるといくぶん傾斜が増してくる。 しばらく進むと何やら白いものが見えてきた。 何と雪渓の最後の姿だった。 やはり雪国の谷である。
 流れは次第に水量を減らし源頭部の雰囲気となってくるが、以外と手こずる滝やナメがまだまだ残っていた。 それらを慎重に越えていくとやがて笹藪の中に水は消える。 ここから藪こぎとなるが、笹原はとりあえず頭は出る高さだったし、斜度もあまり無かったので強引に笹を割って進んでいく。 ルート的には何となく右上してまないたぐら山稜に乗り、そこから尾根上をオジカ沢の頭まで登っていった。
 オジカ沢の頭に到着したのは既に14時近くだった。 17時の天神平ロープウェイの停止まではギリギリの時間帯だ。 しかしながら森くんの体調がイマイチ....まあ、とにかく谷川岳までは行ってみることにして先を急いだ。 歩き出すとすぐにガスで視界が悪くなり、やがて雨も降り出した。 こりゃ本日中の下降は無理そうだなと直感しつつ下界への連絡と避難小屋の状況把握のため自分は先に肩の小屋を目指す。 運良く肩の小屋は2人連れのパーティのみだった。 これで今夜は肩の小屋での一泊追加が決定的となったので急いで下界へ連絡を取る。 ちなみにここでは携帯アンテナは3本きっちり立っていた。 山行での携帯電話は今や必須アイテムとなりつつあると実感した。
 肩の小屋はトイレ付きのなかなか洒落た避難小屋である。 内部は2段ベット構造になっていてかなりの人数を収容できそうだ。 それでもシーズン中の土曜日などはは一杯になってしまうそうなので谷川岳の人気の程が伺えるようだ。

(オキの耳にて)

オキの耳1
オキの耳山頂
oooooo オキの耳2
トマの耳を望む
oooooo オキの耳3
真下は一ノ倉沢

 夜中はかなりの雨が降ったようだが、朝起きるととりあえず雨は上がっていた。 眺めも良さそうなので急いで谷川岳山頂へと向かう。 まずはトマの耳を足早に通過してオキの耳を目指す。 ちなみに肩の小屋からトマの耳までは5分とかからない近さである。 さて辿り着いたオキの耳からは360度の大展望が拡がっていた。 まずは隣にトマの耳、そして少し離れて茂倉岳と一ノ倉岳の2峰、そして万太郎山、仙ノ倉山方面など眺めが素晴らしい。 それと一ノ倉沢を見下ろすことが出来るのもオキの耳の特徴だろう。 覗いてみるとホントに恐ろしそうな所だった。 こんな所を登る人の気が知れない感じ。

(トマの耳にて)

トマの耳1
肩の小屋を望む
oooooo トマの耳2
万太郎山方面
oooooo トマの耳3
茂倉岳、一ノ倉岳

 眺めを満喫後、再びトマの耳に戻る。 ここも同じく360度の大展望台である。 一ノ倉沢の眺めが得られないことを覗いてはオキの耳と同じ展望だ。 真下には立派な肩の小屋も望める。 気持ちよい山頂だ。 それにしても今回の一番の喜びはこの名峰の頂を立った1人で独占出来たことだと思う。 こんな体験はもう2度と出来ないだろう。

 帰りの準備を終え下山ルートを検討するが、森くんの体調を考慮し一番楽な天神平からのロープウェイ下降を選択する。 この下りは一般観光客が歩くと聞いていたので道が良いと思っていたのだが、岩だらけであまり歩きやすい道ではなかった。 でも視界が良いのは嬉しいところ。 それでもいわお新道分岐の避難小屋を過ぎると道も平坦となりすぐに天神平に到着した。 ここからは文明の力をフルに使用してロープウェイ、バス、タクシーを乗り継いで川古温泉へと戻ったのであった。 ちなみにロープウェイ片道1000円、バスはロープウェイ下から水上駅まで650円、タクシーは水上駅から川古温泉まで4580円でした。

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