泉水谷小室川より大菩薩探訪報告


(99年5月29日)


<99'5.29 歩行記録>

小室川上林道(4:50)〜小室川出合(4:55-5:10)〜S字峡下(7:15)〜
S字峡上(8:10)〜小室の淵(9:35)〜4段大ナメ滝(10:55)〜
2俣(12:45-55)〜稜線(14:40-15:00)〜大菩薩嶺(15:25-35)〜
丸川峠(16:20-25)〜泉水谷林道終点(16:55)〜小室川上林道(18:05)

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 本日は会社仲間の森くんと多摩川水系では人気度、難易度共に二重丸の泉水谷小室川を遡行して大菩薩に至るルートにチャレンジした。 小室川は予想以上に手強く、谷の距離も長いために突破するのにはかなりの時間を費やされたが、その分、稜線に飛び出した時の達成感は今までになく大きなものであった。

 車で泉水谷林道に入り、小室川出合付近の駐車スペースに停車。 谷に降りる立派な山道を下り、泉水谷本流に架かる木橋を渡るとすぐに小室川の出合に到着。 ここで渓流シューズに履き替え、遡行を開始する。
 最初は穏やかな流れを見せる小室川だが、間もなく最初の2段の滝。 下段の滝は問題なく越えるが上段の6m滝はちょっといやらしい。 右の岩場を登って巻くが、本格的な沢登り初挑戦の森くんにはザイルで確保を取った。 次に現れるのはきれいな7m程の斜瀑だが、滝壺が広く深いので落下点まで行けず、やむなく巻いて越える。

 その後、小さな滝をいくつか越えて行くと両岸が急に狭まり、最初の難所であるS字峡入口に到着。 入口には5m程の滝がかかり、その奥は薄暗く曲がりくねっていて険悪ムード満点である。 ここのメインルートは左を登って最初の滝上に5mの懸垂下降なのだが、出来れば懸垂をしたくなかったので、その上の巻き道を探す。 だがそれらしきルートは発見できずやむなく懸垂で降りることにした。
 下降点には残置ハーケンが3本あり、それにテープシュリンゲでザイルを据え付ける。 シュリンゲは残置となるがこれはしかたないだろう。 懸垂下降はもちろん初めての森くんに簡単な説明を行った後、とりあえず先に降りてもらうことにした。 高度は5m程なのだが、垂直な壁らしくのぞき込むとやはり恐怖感が沸く。 森くんが無事に下降したのを確認後、ザイルのネジレに注意しながら自分も下降する。 なんと垂直どころか途中でオーバハングしており、完全に宙づりの状態となった。 懸垂初挑戦の場にしてはちょっと難易度が高かったようだ。(笑)
 心配していたザイル回収も問題なく完了し先に進む。 ゴルジュはしばらく続き、小さな滝をいくつか越えると左手から水量豊富な松尾沢が合流して沢はやっと開ける。 ここでやっと一息だ。

石門の滝
石門の滝
oooooo 小室の淵
小室の淵

 S字峡の上はしばらく平凡だが、小さな滝は無数にあって飽きることのない沢である。 しばらく進むと第2の難所と思われる石門の滝に到着。 この滝は落差は4m程なのだが、登るルートは左壁を残置ハーケンで直登するか、さらにその上を高巻くしかないようだ。 今回は高巻きのルートを選択したが、高巻きと言っても最初は10m程の岩登りである。 ここには怪しげなロープが1本下がっていたので、自分がまずそれをだましだまし使って手がかりの乏しい岸壁を登った。 そして上部の大きな木を支点にエイトカンとザイルを据え付け、森くんの確保のためにザイルを落とす。 しかし岩角や灌木に阻まれなかなか下までとどかない。 3度目の正直でなんとか下までザイルがとどいてほっとする。 そして森くんもなんとかはい上がって、第2の難所の突破に成功した。

スダレ状滝
5mのスダレ状滝
oooooo ナメ状滝
5mのナメ状滝

 石門の滝の後はまもなく不気味な小室の淵だ。 両岸は狭まり、深い淵と滝が連続するゴルジュは突破不能で、ここは左を大きく高巻く。 淵を眼下に眺めながらの高巻きだが、巻き道は良く踏まれていた。 高巻きを終え、ゴルジュを抜けると沢は開け、まもなく右手より水量豊富な中ノ沢が合流する。 ここからしばらくは穏やかな流れの中にきれいな滝がいくつも現れる。
 最初に現れる顕著な滝が5mのスダレ状滝。 沢幅一杯に広がる滝はミニナイアガラといったところか。 次に現れるのは5mのナメ状滝。 この滝上にもナメが続いていて綺麗なところである。
 他にも小さな滝をいくつか越えて進み、何となく沢が明るくなったなと思うところに本谷最大級の雨乞の滝が落差15mの堂々たる姿を見せている。 水量は豊富で広い滝壺を持ち形も直瀑で申し分ない。 何となく伊豆の浄蓮の滝に似た滝だ。 この滝は左手のガレを滝口付近の高さまで登り、そこから右にトラバースするように踏み跡があるので、それを使って高巻いた。 そしてその上は小室川最大の見せ場でもある4段大ナメ滝の絶景だ。

雨乞の滝
雨乞の滝
oooooo 大ナメ
4段大ナメ滝

 この4段大ナメ滝は小澤洋三氏の写真集「東京の滝」および氏の開催した写真展「多摩川の滝24選」にてその姿を写真で見て以来、いつかは現物を見てみたいと思っていた滝なので、滝を目前にした時は最高の満足感だった。 滝自体も想像よりは数段上で、苦労してここまで来た価値は十二分にあったと思える素晴らしさであった。
 滝をバックに記念撮影(森くんMe)後、この滝の調理に取りかかる。 1段目は水流中を容易に登る。 2段目、3段目は右側を巻き気味に登る。 そして難関は最上部の4段目だ。 周囲を見渡すが巻き道を取れるようなルートは見当たらないので、ここは数あるガイドの記述通りに右側水流沿いを登ることにするが、ツルツルでホールドも乏しく緊張する。 一度滑れば下まで止まりそうもない感じだったので、ここは無理せずザイルを出して登る。 残置ハーケンが4本ほど残っていたので、それに支点を取りながらまず自分が登り、ルートにザイルを据え付けた後、再び降りて先に森くんに登ってもらう。 そして森くんのOKサインを待ってザイルを回収しながら再度自分が登り、第3の難所は突破した。

2段15m滝
2段15m滝
oooooo コケ滝
2俣上のコケ滝

 大ナメ滝の上は険悪さは無くなり、沢は明るく開けてまもなく右手より支沢が合流する。 2俣かと思ったが1本手前の支沢だった。 ここで沢登りの同業者に出会う。 ここのところ、マイナーな沢ばかり攻めていたこともあるが、沢の中で同業者に出会ったのは久しぶりだ。 それだけ小室川の人気が高いという事でもあるのだろう。
 さて、2俣を目指してさらに進むと目の前にまたまた素晴らしい滝が現れた。 2段で15m程の明るく開けたきれいな滝だ。 下段の滝は尾瀬の三条の滝を小さくしたような形で、上段の滝は沢幅いっぱいに落水している。 ここはゆっくり観賞後、上下段共に右を巻いて越えた。
 2俣手前にはもうひとつきれいなナメ状滝があり、快適に越えていくと間もなく岩のゴロゴロした2俣に到着。 ここで小休止するが、時間は12時を過ぎ、雲ゆきもどうやら怪しくなってきたので頑張って先を急ぐことにする。
 2俣から先は水量は減るものの、なかなか無くならない。 そして大きな滝こそ無いものの苔むした美瀑が次々に現れて気持ちを和らげてくれる。 ただ、この日本庭園風の流れも次第に傾斜のきついガレ沢となり、ガレの源頭で左手の踏み跡にルートを取ると、5分程で稜線上の登山道に飛び出した。 2俣からは2時間弱の登りであった。

稜線
稜線から大菩薩方面
oooooo 山頂
霧に煙る大菩薩嶺山頂

 飛び出した稜線上の登山道は大菩薩の黄金ルートであり、登山者がたくさんいた。 ヘルメット&ザイル姿でいきなり笹藪から飛び出した自分達を見て、いったい何を思ったことだろう。(笑)
 それにしても稜線上からは大菩薩嶺方面を始め、開けた南西部の眺めが素晴らしかった。 大菩薩に登るのは初めてだったので感激もひとしおである。
 ここで靴を履き替え、尾根道を大菩薩嶺方面へと向かう。 途中、眺めの良い神部岩、雷岩を通過し、霧に煙る大菩薩嶺山頂までは30分程であった。
 天候も今ひとつで、時間も16時に近づいていたので小休止後、足早に丸川峠へと向かう。 丸川峠までの道は適度な下りで歩きやすい道であった。 また途中には、今回は見られなかったが、季節になれば高山植物がたくさん見られるらしい高原状の気持ちよい所もあった。 ここまで来れば丸川峠はすぐ近くだ。
 丸川峠からは泉水谷方面への山道に入り、30分程で泉水谷林道終点に到着。 丸川峠からの下りは沢沿いのなだらかな下り道でなかなか気分が良い道だった。
 泉水谷林道歩きは長くて疲れたが、林道沿いを流れる泉水谷には立派な滝がいくつもかかっており、それらを眺めながらひたすら下ると1時間ちょっとで出発点に到着。 ハードな一日ではあったが、その分満足度も大きな山行であった。

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