両神山系薄川滝ノ沢氷瀑探訪報告


(99年2月21日)


 本日は両神山系薄川支流、滝ノ沢を遡行してみた。 目的は大氷瀑が期待される玉すだれ滝の訪問である。 一昨日に降った雪が気になるところであったが、積雪は10cm程度で何とか目的を達することが出来た。 玉すだれ滝の氷瀑は想像を遙かに越える素晴らしさであった。

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 小鹿野町から両神村に入り、薄川沿いの道を登っていく。 早朝ということもあり道はあちこちで凍りついていたが、スタッドレスタイヤのラウムは快調に走ってくれる。 日向大谷にはほぼ予定通りの6時20分に到着した。
 本日の装備は通常のトレッキングシューズにスパッツと着脱が容易な簡易アイゼンを併用し、念のためにハーネスと20mザイルを持参した。 山道の積雪は少ないものの、薄く積もった雪は半分ほど凍りついていたので本日使用したアイゼンはかなり有効なツールとなった。 歩きにくいのが難点ではあるが、滑って崖から転げ落ちるのに比べたら可愛いもんである。

 薄川本流から滝ノ沢に入るとさすがに人の歩いた痕跡は全く無くなった。 まあこの時期にこんな所に来る物好きは私と瀑さんくらいだろうから当然といえば当然だ。 ただ降り積もった雪の上には野ウサギと思われる足跡がずっと続いていてなかなか有り難い道しるべとなってくれていた。

 最初の間の滝には日向大谷から30分程で到着した。 前回訪問した時よりさらに水量は減っていたようだったが、今回は銀世界の中を落ちるまた別の姿で美しさを保っていたようだ。
 間の滝を左側から巻き気味に越え、次の4段15mの滝の前に来ると様相は一気に氷の世界に突入した。 写真では良く分からないが2段目の左側の落水は完全に凍りついてでっかい氷塊と化していた。 4段15m滝も左から巻き気味に越えようとしたが、雪の凍りついた斜面のトラバースが危なそうだったのでそのまま直上し、上部を横切る旧仕事道を利用して越えていった。

 滝上は水も無くなりしばらくは平凡な沢登りとなるが、積雪は次第に増えてきて歩きにくくなってきた。 途中の親指岩付近ではもう一面銀世界となっってきたが、アイゼンがなかなか有効に効いていてタイムロスは殆ど無く進むことが出来たようだ。 こんな水涸れの沢の中をしばらく進んでいくと日向大谷よりおよそ1時間45分経過後、前方に目指す玉すだれ滝が見えてきた。 どうも滝全体が一本の氷柱と化しているようだ。 そして滝下の沢の流れも見事に結氷して沢が盛り上がるように氷の流れ模様を創り出していた。 自然の芸術というのはまさにこの様なことを言うのだろう。

玉すだれ滝
玉すだれ遠景
oooooo 玉すだれ滝
玉すだれ氷柱
oooooo 玉すだれ滝
玉すだれ滝壺

 近くで見る玉すだれ滝は40mの氷柱と化していた。 良く見ると氷の薄い部分から氷柱の中を流れる落水も確認できた。 氷柱は空洞になっていてその中を氷を伝うように水が流れているようだ。 またかなり広かったはずの滝壺は見事な氷ですっかり埋め尽くされており、大氷塊となってその上の大氷瀑を支えていた。
 そして滝の右横は洞窟状になっていてそこには小さな石祠が奉ってあるが、そこから見る滝は分厚い氷板のようでまた違った姿を見せていた。 さらに滝壺から見上げる姿はなんとも言えない迫力があった。

 このようにいつまで見ていても見飽きることのない様な滝姿であったが、じっとしているとさすがに寒さが身にしみてきたので、20分程眺めを堪能した後に記念撮影をして滝を後にした。

玉すだれ滝
右下より見上げる
oooooo 玉すだれ滝
洞窟内より
oooooo 玉すだれ滝
滝壺より見上げる

 帰路はスリップに気をつけながら、登りの足跡をたどりながら下っていった。 間の滝の巻き道トラバースはかなり緊張したが、アイゼンで雪を掘って泥壁に足場を造りながら慎重に下っていった。 そんなこんなで日向大谷までは1時間15分程で戻ることが出来た。

 全国にはまだまだ素晴らしい氷瀑がたくさんあるとは思うが、今回訪問した玉すだれ滝のように訪れる者は殆どいないにもかかわらず素晴らしい姿をとどめている隠れ大氷瀑なんていうのもきっとたくさんあることだろう。
 今日はそんな知る人ぞしる両神の隠れ大氷瀑を堪能できたので、大満足で帰路についた。

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