東沢から甲武信岳探訪報告(その2)


(98年9月6日編)


2週間前に訪問したばかりの奥秩父・甲武信岳に再チャレンジした。
ルートはこれも再訪となる東沢渓谷ルートを選んだ。
今回は東沢上部の詳細把握と、甲武信岳山頂からの眺めを目的とした。
前回より装備を軽装にしたためか、快適な山行を楽しむことが出来た。

<98'9.6 歩行記録>

村営駐車場(5:00)〜二俣吊り橋(5:20-35)〜ホラの貝(6:05-10)〜乙女の滝(6:55-7:00)〜
東のナメ(7:15-25)〜西のナメ(7:40-45)〜釜ノ沢出合(8:05-10)〜両門ノ滝(8::45-55)〜
ミズシ沢出合(10:30-40)〜木賊沢出合(11:05-10)〜ポンプ小屋(11:30-45)〜
甲武信小屋(11:50)〜甲武信岳(12:00-10)〜木賊山(12:30-40)〜ふたつコブ(13:30)〜
徳ちゃん新道経由林道(14:15)〜駐車場(14:30)

サーバ容量制限による画像リンク切れがある場合はご容赦下さい。m(_o_)m
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 ルート的にかなりのロングハイクであり、かつ日帰りで実施しなければならないという事情もあったため、前回同様に早朝5時からの行動開始となった。
 前回不要であったザイルにシュリンゲ、そしてハーネス等は今回は持参しなかったので、ザックはかなり軽量となり快適であった。

鶏冠谷出合
鶏冠谷出合
oooooo 魚留の滝
魚留の滝

 二俣の吊り橋を渡り、東沢への道へと進む。 下の流れは前回よりも明らかに水量が多いようで先行きがやや不安になる。 案の定、吊り橋のすぐ上にある堰堤の上流でその不安はすぐさま的中し、前回石を飛んで渡れた徒渉ポイントが完全に水没していた。 しかたなくそこで渓流シューズに履き替えることにした。
 3回の徒渉後、鶏冠谷出合に到着。 この出合から少し河原を歩くと右手に山道の入り口がある。 前回見落としたポイントであるが、今回はしっかりと山道に入った。 すぐに5m程の魚留の滝が現れる。 その後もう一度、山道は河原に降りるが、すぐさま右手に登る山道が続いているので見落とさないよう注意が必要である。
 再び山道に入り少し進むと小広場状になった清兵衛沢出合に到着。 さらに進むと桟道跡(既に消失状態)があるホラの貝沢出合となる。 ここは沢を渡って岩壁をよじ登る手段もあるが、沢を少し下降して東沢本流に降りればホラの貝と呼ばれるゴルジュの入り口が拝めるので一度本流に降りるのが正解だろう。 河原から左側の踏み跡を10m程登ればまた山道に合流することができる。 その先の山道の途中からも、眼下に吸い込まれるようなホラの貝のゴルジュ中心部を見ることができる。
 ホラの貝ゴルジュ入り口からの山道はかなり急な登りとなるが、これはいわゆるホラの貝ゴルジュの高巻きルートで、このゴルジュが終わるあたりで山道は一度河原に降りている。 少し沢を遡行してから右手の金網石垣をよじ登ると再び山道は続いており、もうしばらくは山道を利用して進む。 この先、山ノ神までの間に2箇所ほど危なっかしいトラバース部分があるので要注意だ。 山ノ神の先、大きな岩のある河原にて山道は終了し、ここからは東沢の河原歩きが始まる。

乙女の滝
乙女の滝
oooooo 東のナメ滝
東のナメ滝
oooooo 西のナメ滝
西のナメ滝

 徒渉をくり返しながらしばらく河原歩きを続けると、左手より乙女ノ沢が50mの乙女の滝となって注いでいる。 今回は水量も多く見事な滝に変身していた。
 さらに進めば遙か高所より大滝を落とす東のナメ沢が右手より合流する。 ナメを少し登ると東のナメ沢大滝の見事なスラブを拝むことが出来る。 そのスケールには圧倒されるだろう。
 次に現れるのが左手よりそそぎ込む西のナメ沢である。 この出合のナメ滝はとても美しい滝である。 ただ、滝の左手にワイヤーロープが放置されてちょっと美観を損ねているのが気になるところではある。
 西のナメ沢を過ぎると、本流には美しいナメ状の滝が数ヶ所現れる。 水線沿いをフリクションで通過することも可能だが、どれも巻き道があるので無理をする必要も無い。 やがて右手より合流する釜の沢出合に到着する。 西のナメ沢より20分程度である。 さて、ここはどう見ても金山沢の方が水量も多く明るいので本流に思える。そのため、うっかりしていると通り過ぎてしまいそうな出合である。 出合のケルンを見落とさないよう注意が必要だ。ここからはやっと本格的な沢登りとなる。

魚止めノ滝
魚止めノ滝
oooooo 両門の滝
両門の滝

 釜の沢に入り最初に現れるのが落差8m程の魚止めノ滝である。 ここは左手を立木につかまりながら小さく巻いて登る。 踏み台のようなものが無いと最初の取り付きが少し大変かもしれない。 滝上から眺める魚止めノ滝もなかなか見事である。 滝上にはさらに長さ10m程の綺麗なナメ滝が続く。 このナメは水流の右手を簡単に登れる。
 その上には東沢のハイライトのひとつでもある千畳のナメ(下部上部)が現れる。 ほとんど傾斜の無いナメが100m以上も続く素晴らしい景観である。ただし、今回は残念ながら多人数のパーティを追い抜くためゆっくり撮影も出来なかった(写真はいずれも9/12撮影時のもの)。 この千畳のナメは美しい4段ナメ滝(写真は9/12撮影時のもの)で終了する。 この滝は左側の水線近くを木の根っ子等を利用しながら小さく巻いて登るが、フリクションが効かない場合は高巻きのトラバースでザイルが必要となるかもしれない。
 次に現れるのが落差5〜6mの曲がり滝である。ここは右手を小さく巻いて登るが、あまり良い巻き道ではないので要注意だ。 初心者は右手をさらに大きく巻くルートがあるのでそちらがお勧めだ。 曲がり滝を超えさらに単調な沢歩きをしばらく続けると、目の前には東沢のハイライトとなる両門の滝が姿を現す。

 両門の滝は文字通り、釜の沢の東俣西俣が両方とも滝となってひとつの滝壺に落ち込むという大変珍しい滝である。 しばらく観賞の後、東俣の滝の右手より小さく巻く。 手がかりは豊富だが、高度感があり落ち口への下降部分が滑りやすいので注意が必要だ。 あまり大きく巻きすぎないようにするのがここのポイントだろう。
 滝上では右手よりマヨイ沢が流れ込み、本流には落差15mのヤゲンの滝が立ちはだかっている。 ここは本流とマヨイ沢の中間カンテを少し登ってからトラバース気味に巻いて超える。 下側のトラバース部分はだいぶ細いので、無理そうならもう一段上の踏み跡を利用すべきである。 滝上にはさらに6m程の滝が現れる。 ここは左手を小さく巻き気味に登る。 上部はほぼ直登となるのでスリル感のある所であるが、さらに大きく左側を巻くルートもある。

40mナメ滝
40mナメ滝上段
oooooo 最源流部ナメ
最源流部のナメ

 滝を過ぎるとしばらく広河原と呼ばれる単調なゴーロが続く。 1時間半ほど歩いていいかげんに嫌気がさしてきた頃、前方にやっと40m4段ナメ滝が現れる。 下段は左側を登り、上段の滝は左右どちらも可能だが、左側の崩落跡を利用するのが簡単である。 いずれも落ち口付近が滑りやすいので注意が必要である。
 滝上はミズシ沢出合となり、思わず昼寝がしたくなるような明るく気持ちよい岩畳が拡がっている。 本流は次第に狭まり、傾斜も徐々にきつくなっていく。 小さな滝をいくつか超えていくとやがて左手より支沢が合流する。 この沢は甲武信岳に直接突き上げる沢と思われるが、水量も多いので本流と間違えないようにしたい。 よく見ると上部の木の根元にちゃんと指導標が取り付けられている。
 さらに小さな滝をいくつか超えていくと、右手に大崩落の跡があり、その先は30m3段スラブ滝となる。 右手を巻き気味に登り、最上段は右側を快適に直登できる。 滝上は木賊沢出合となるが、沢を渡る部分はスリップに要注意だ。 また木賊沢は真っ直ぐに流れ込むので本流と間違えぬよう注意が必要である。 本流は大きく左に曲がり、30mのナメ滝となって落ち込んでいる。

 木賊沢出合からは、しばらくは右手の良く踏まれた山道を利用する。 この道は本流の30mナメ滝を巻くような形になるが、しばらく進むとまたナメ状の本流に戻っている。 ここまで来るとさすがに源流といった趣である。
 さらに明るく気持ちの良い最源流のナメをジャブジャブと登っていくと甲武信小屋の揚水施設であるポンプ小屋に到着する。 ここが遡行終了点となるので、渓流シューズをやっとトレッキングシューズに履き替えることが出来る。 ちなみにここの水は冷たくて最高に美味い!

 ポンプ小屋からは甲武信小屋までは5分程。 さらに10分程の登りで甲武信岳山頂に到着する。 今回は曇ってはいたものの、山頂からは金峰山方面や木賊山等の眺めを満喫する事が出来、前回の憂さ晴らしには十分であった。 また甲武信小屋から木賊山への登路の途中、木賊沢源頭にあたる部分に眺めの良いガレ(ザレ)場があるが、そこから振り返り眺めた甲武信岳もまた素晴らしかった。 思わず甲武信岳をバックに記念撮影してしまった。
 下りは前回と同様に木賊山頂経由で戸渡尾根を下り、途中からは徳ちゃん新道を利用して駆け下りた。 徳ちゃん新道は近丸新道より下り時間は早いようである。

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 これでもう当分の間は甲武信岳に登ることは無いだろうが、東沢には何度行ってもいい気がする。 秋の紅葉や春の新緑時にも、また再訪したいと思う。

 

 

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