東沢から甲武信岳探訪報告(その1)


(98年8月22日編)


最近気になっていた百名山のひとつ、奥秩父の甲武信岳にチャレンジした。
ルートはこれも前から一度歩いてみたかった東沢渓谷ルートを選んだ。
ルート的にかなりのロングハイクとなり、日帰りではちょっと辛かった。
とりあえず、見るべき所は見てきたつもりなので以下に報告する。

<98'8.22 歩行記録>

村営駐車場(5:00)〜二俣吊り橋(5:15)〜東のナメ(7:00-10)〜西のナメ(7:20)〜
釜ノ沢出合(7:45-50)〜千畳のナメ(8:00)〜両門ノ滝(8::40-50)〜
ミズシ沢出合(10:20-30)〜木賊沢出合(11:00-10)〜甲武信小屋(11:40-12:00)〜
甲武信岳(12:10-30)〜木賊山(12:50-55)〜近丸新道経由林道(14:45)〜駐車場(15:00)

-----------------------------------------------

 ルート的にかなりのロングハイクが予想され、かつ日帰りで実施しなければならないという事情もあったため、早朝5時からの行動開始となった。
 沢そのものは1級のグレードなので装備は特にいらないハズなのだが、初めてのトライだったのでとりあえずザイルにシュリンゲ、そしてハーネスまで持参した。またシューズはトレッキングシューズと渓流シューズの二刀流なので、どっちか一方は常にザックに入っていることになった。

 西沢との二俣で吊り橋を渡るとすぐに東沢への道が分岐しているが、通行禁止の立て札がしっかり置いてあった。とりあえず無視して先に進むが、道はすぐに無くなり河原歩きとなる。実は左岸にしばらく道が付いていたのだが、取り付けを見落としたらしくそのまま河原を歩いていたらだんだん谷が狭まってきてついには大きな淵に行く手を遮られてしまった。
 しかたなく下流に戻り、左岸にあった踏み跡をよじ登ったらちゃんと道に出た。いきなり大幅なタイムロスで先行き不安を感じてしまった。この道もかなり荒れてはいたが、とりあえず使えそうなのでそのまま利用して先に進む。途中、眼下に恐ろしくなるような深さのゴルジュが見えたが、おそらくホラの貝のゴルジュであろう。道はこのゴルジュ帯を抜けたあたりで河原に出るが、その先道らしきものはほとんど無くなる。
 河原に出てからは徒渉の繰り返しで、沢をジャブジャブと右に左に渡り返す。私は今回は渓流シューズで挑んだがこれはなかなか正解であった。

東のナメ
東のナメ
oooooo 西のナメ
西のナメ

 河原の岩を飛ぶようにしてしばらく進むと左手に乙女の沢が滝になって落ちている。落差50mの乙女の滝だが水量はとても少ないので印象は薄いようだ。次に現れるのは有名な東のナメである。このナメは水量こそ少ないが見事なナメ滝である。少し登ると全容が拝めるが4段300mのスケールには圧倒されるだろう。
 東のナメの次は西のナメである。このナメもなかなか綺麗で素晴らしい。西のナメを過ぎると釜の沢出合まではもう少しである。

魚留の滝
魚留の滝
oooooo 千畳ナメ
千畳ナメ
oooooo 四段ナメ滝
四段ナメ滝

 釜の沢に入るとすぐに現れるのが魚留の滝である。ナメ状の綺麗な滝だ。左側水流線を立ち木を利用しながら登る。滝上には小さなナメ滝がもう一つあり、それを超えると千畳のナメに到着だ。ここは美しいナメが延々と続くナメ床で、思わず歓声を上げたくなるところである。ルートはまさに水の中をジャブジャブで、このナメは傾斜も緩いのでとても気分が良く歩ける所である。この千畳のナメは美しい4段ナメ滝で終了となる。

両門の滝(東)
両門の滝(東俣)
oooooo 両門の滝(西)
両門の滝(西俣)
oooooo ヤゲンの滝
ヤゲンの滝

 4段ナメ滝を過ぎると5m程の曲り滝があるが右側を簡単に超えられる。その上はしばらく単調なゴーロ歩きが続いた後、両門の滝が姿を現す。東沢でも1,2位を争う見所であろう。東沢はこの滝で西俣と東俣に分かれるのだが、このどちらもが滝になっていて同じ滝壺に落ちている非常にめずらしい滝である。滝前は明るく開けていて気分的にも申し分ない。ただ、この滝は全体のイメージを写真に収めるのは難しいので千畳のナメ同様に一度自分の目で直接見ることをお勧めしたい。
 両門の滝を右側より小さく巻いて上に出るとそこには右からマヨイ沢が流入し、その上にはヤゲンの滝ともうひとつ6mの滝が現れる。どちらも右側を巻いて行くが、滑りやすい部分が多く注意が必要な所である。この滝を超えると広河原に出る。

 広河原はこんな山奥に何故?と思うほどの河原が続いている。ただ、大岩が多くこの広河原の通過には思いのほか体力を消耗させられる。クタクタに疲れ果てた頃、前方に10m位の滝が見えてくる。右側の滑りやすい巻き道を使って滝上に出ると左からミズシ沢が合流する。ここは明るい岩床が広がり、滝の上であることもあって思わず昼寝がしたくなるような気持ちの良い所である。
 この上は谷が狭まり小さな滝が連続する。途中で左側より本流と見間違えやすい枝沢が流入するので注意が必要だ。よく見ると岩にペンキで矢印が書いてあるので見落とさないようにしたい。さらに登っていくと10m程のナメ状の滝があり、これを右側から小さく巻いて上に出ると木賊沢の出合に着く。本流はここで左に曲がり、ナメ状になって上に続いている。ここもミズシ沢の合流点同様、小休止にはもってこいの場所だ。今まで登ってきた谷を見下ろせるのだが、たぶん予想以上に急な谷に見えるだろう。

 ここからは少し沢沿いを離れた明瞭な踏み跡をたどるが、すぐにまた水流に沿って登るようになる。最上流部にもかかわらず水量はなかなか減らない。明るく開けたナメ状の沢の中をジャブジャブと登っていくとやがて甲武信小屋の水道取り入れ施設の小屋に着く。ここが釜の沢の水源となっているようだ。ここの水は冷たくて最高に美味い! 今までの苦労が一気に吹き飛ぶようである。ここから甲武信小屋まではシャクナゲ林の中を10分程の登りで到着する。

ヤナギラン
小屋裏のヤナギラン

 甲武信小屋にて渓流シューズをトレッキングシューズに履き替え、甲武信岳に向かう。甲武信小屋の裏庭にはヤナギランの花がきれいに咲いていた。10分ほどの登りで甲武信岳山頂に到着。百名山だけあって小さな山頂はかなり込み合っていた。ただ、奥秩父でも有数の眺めを誇るハズの山頂なのだが、この日はガスで真っ白であった。私の顔が疲れて見えるのはおそらくその為でしょう。(笑)

 帰路は途中の木賊山経由で戸渡尾根の近丸新道を一気に下降する。この尾根道は途中のほとんどがシャクナゲ林に囲まれており、花咲く季節には素晴らしいルートになるものと思われる。そんな尾根道を気合いを入れて下ったおかげでなんとか予定の15時までに戻ることができた。

-------------------

 今回はあくまで甲武信岳の登頂をメインとした山行であったため、東沢はほとんど駆け足で登ってしまった気がする。ただ、駆け足で登ってしまうのはあまりにももったいない沢であることは間違いないので次回は沢だけに限定して再度、挑戦してみたいと思う。

 

 

------------------------------------------------------------

(滝の先頭ページに戻る)  (山の先頭ページに戻る)