23.高層住宅管理業協会の管理費等保証の請求をする
 9月9日、T社の破産が近いことをTから聞いて、対応策を考えてインターネットの情報を調べているうちに、高層住宅管理業協会のホームページを見つけた。
 
■管理費等保証事業 
 当協会は、マンション管理組合の皆様により確かな「安心」をお約束するため、わが国で初めての管理費等保証制度を平成8年10月から実施しています。
 この保証制度にはふたつの目的があります。第一は、管理会社の経営破綻により管理組合に金銭的被害が発生した場合、被害額をできるだけ軽減することであり、第二は、管理業務が長期間中断することのないよう被害を受けた管理組合を支援すること、です。
 具体的には、被害を受けた管理組合に対し、当協会の保証機構が金銭的な保証をするとともに、必要に応じて、新しい管理会社の紹介や斡旋をすることにしています。
 またこの保証制度は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」第97条第1項に規定する指定法人が行う「保証業務」として承認されています。(平成13年8月14日国総動第66号) 

 当初、この保証のお世話になるとは思っていなかったが(当初は支払代行口座があることを理解していなかったのである)、管理組合の理事、各委員を召集しての会議の席での資料には上記の保証については記載した。

 この保証は支払代行をしている場合に摘要されるもので、原則方式は摘要外である。原則方式も、管理委託料を月初に支払って管理会社がすぐに倒産すると日割りでの被害がでるわけであるが、それは保証されない。

9月27日(土)
 債権者説明会の会場の受付で、管理費等保証委託契約受諾書、社団法人高層住宅管理業協会保証機構細則のコピーの配布があった。
 T社は、対象となる管理組合全部で1億800万円の保証上限があることが分かった。管理費等保証委託契約受諾書には会員証明書なるものがあるように書いてあったが、そんなものはもらっていない。後日、Tに聞いてみたが、彼も見たこともなく、もちろん管理組合に配布したこともないといった。
 T社は、この制度を積極的に利用したのだ。倒産時に1億800万円の金を確保できるのと同じだからだ。

 債権者説明会後に発行された「マンション管理新聞」10月5日付には以下のように書かれている。
 
(社)高層住宅管理業協会の「管理費等保証制度」の問題点も浮き彫りになった。倒産後管理の空白状態をカバーするため、協会保証機構では「新しい会社の紹介、斡旋等の支援を行う」としているが、具体的なルールができていないため、何も支援ができない状態が続いている。もっと積極的に介入するべきだ。例えば破産申し立て代理人側で帳簿の整理も進んでいない状況下、保証機構が積極的に介入して、組合別の仕訳、そして被害金額の特定等に力を貸せるはずだ。会員の組合会計業務の調査・チェックも含めて、保証制度のあり方を改めて見直す必要がある。

10月3日(金)
9:40
 高層住宅管理業協会へ電話をいれた。なにしろ、管理費等保証の機構ができてから倒産した管理会社が出たのは今回が初めてというわけで、当Sマンション管理組合の存在を主張(登録してもらう)しておかなければならなかった。
 今後の手続きのことを聞く。Uという方が電話で対応された。保証の請求自体は、12月15日の債権者会議以降になるとの見解をもらう。
 管理業協会から管理組合の方々に案内を出したいので、住所や電話番号などがほしいという。
 すぐに、当Sマンションの住所、電話番号などを書いた書類を作成し、ファクシミリで送付した。

10月6日(月)
 高層住宅管理業協会からの通知とパンフレットが送られてきた。挨拶文のみで具体的な保証に関する指示はなかった。

10月11日(土)
 第2回債権者説明会で、以下の説明があった。
・債権者会議を待たず、高層住宅管理業協会の保証の請求を最初にする。
・被害の算出方法は各管理組合にまかせる。

10月28日(火)
 高層住宅管理業協会より保証の申請関係書類が届く。

 保証の申請には、
 

1.保証金支払請求書(協会所定)
2.管理組合調書
3.管理委託契約書および重要事項説明書
4.直近総会議決書(収支決算書および予算書等の会計報告書)
5.区分所有者別管理費等月額内訳
6.管理費等収納・未収納状況書
7.定額委託業務費の内訳書
8.収納・保管・積立等口座預金通帳(写)および各口座の残高証明書
9.保証金支払請求金額算出の根拠となる書類
10.社団法人高層住宅管理業協会保証機構会員之証

 と、一見、たくさんの書類が必要であるように思える。
 が、ほとんどコピーで間にあう。

 9の保証金支払請求金額算出の根拠となる書類はもうできている。
 10は最初から持っていない。
 銀行口座の残高証明書がなぜいるのか疑問であるが(預金通帳のコピーで十分ではないか)、この際、指示通りにしよう。
 明日から、銀行を回り残高証明書の発行の手続きをとることにする。

10月29日(水)
9:30〜
 東京ベイ信金へ行き、残高証明の伝票をもらう。(通帳を持っていかなかったため)手数料は420円(他の信金の2倍)
 門前仲町の日興信金へ行き残高証明書をもらう。手数料210円
 大手町、UFJ信託銀行本店で残高証明書の発行依頼。手数料630×2=1260
 この日においては、代行口座の残高の動きはなかった。

 東中野の東京三菱銀行にて残高証明書の発行依頼。735円(手数料が一番高い)
 東中野の西京信金で残高証明書の発行依頼。手数料210円
 副支店長が対応にでてきて、倒産後の被害などについて話をした。通帳紛失届を電話でしたときに対応に出て、通帳は弁護士から来週帰ってくる、もし、戻らなかったら紛失届を出したら、と的確なアドバイスをしてくれた人である。
 新宿の三井住友銀行で残高証明書の発行依頼。手数料525円(残高証明書の送付先がすでにコンピュータ上に登録されていて、東中野のT社へ行ってしまい、管財人経由で8日後に届いた)
〜13:35帰着

11月8日(土)
 高層住宅管理業協会より、T社にあった管理組合の書類を返還するとの手紙がくる。その書類の点検と、保証請求に関してのヒアリングをしたいので協会に来てくれと書いてあった。

11月10日(月)
 早いところ片付けてしまおうと、高層住宅管理業協会へ電話した。明日にしようかと思ったが、12日の午後1時のアポイントメントをとる。
 この際、保証の請求書類も提出してしまおう。郵送代の節約である。

11月11日(火)
 冷たい雨の降る日である。虎ノ門へ行くのをきょうにしないでよかった。保証請求の書類作りに一日費やす。
 H社のTから電話があり、高層住宅管理業協会の書類チェックには同行したいという。明日の午後1時にアポをとっているというと、時間があるので、虎ノ門の協会で落ち合うことにした。

11月12日(水)
 虎ノ門は私が20代の前半に働いていたところである。懐かしさで、虎ノ門病院のあたりを散策し、協会ある第23森ビルへ向かう。
 かつて、第1森ビルに日本事務機械工業会という法人があった。元の上司がここに出向していて時折訪れては新橋に飲みに行った。高層住宅管理業協会も、いろいろな管理会社から代表の社員を集めた組織なのだろう。
 久しぶりに昼休みどきのオフィス街を歩く。歩いている人は私より若い人ばかりだ。年寄りは早く引退し、マンション管理会社の倒産処理のために奔走して、無償で地元に貢献することが一番の気晴らしなのかもしれない。

 Tが第23森ビルの前で待っていた。
 3階の事務所に入る。客商売をしているわけではないから、受付嬢が待ち構えているわけではない。脇の部屋に通される。名刺交換。無職の私は名刺を頂くだけ。
 保証部のU部長、S氏、試験部のI調査役。さっそく私は保証請求の書類の束を提出した。管理組合調書から見始めた。
 銀行口座は、定期預金も含めて10口もある。支払代行の通帳のコピーはありますか、の問いに、管財人からもらったものを添付していますと答えた。U部長は一通り書類を見た後、経理士や会計士の方がいるのですかと聞いてきた。そういう人がいれば任せられたが、私がやりました。7月までの数字はT社で作ったものを使っていますといった。
 保証請求の書類は受理してもらった。12月、あるいは年を越すかもしれません、精査するので請求通りにならない場合もありますといった。
 お茶もコーヒーもでない。

 その後、別のビルの部屋に案内された。
 このために空き部屋を借りたのだろう。部屋には書類の入ったダンボール箱がぐるりと置かれていた。箱にはマンション名、ビル名の書かれた紙が貼ってある。T社の事務所に散乱していた書類は、高層住宅管理業協会が仕分けをしたのである。
 Sマンションのそれは、大きな竣工図面が2冊押し込まれていて箱の上から飛び出していた。竣工図面は集会室の倉庫にあるし、マイクロフィッシュにしてもある。さっそく中身を見てみる。さすが、元T社のTは、領収証のファイルを手にとり、マンション積立保険、6,498,860円の領収証、平成15年9月9日付けのものを私に示してくれた。そのファイルは私も詳細にチェックし、平成15年6月30日付の58,380円の自転車シール、蜂屋の領収証を発見した。支払っていたのである。この二つを見つけただけでも虎ノ門にきた甲斐があった。領収証のファイルは協会の人にコピーのために渡した。

 部屋の中央部には、どの管理組合へ行くのか分からない書類が置かれていた。Tはそれらをチェックして、重要なものは協会の人に渡していた。
 携帯電話のデジタルカメラで雰囲気を撮影して、このページに掲載したかったが、協会の人が席を外さないためチャンスがなかった。

 ダンボールにあふれている書類を持って帰れといわれたら困ると思ったが、そのうち宅配便で送ってくれるとのことで安心した。

11月13日(木)
 保証請求額は748,478円であったが、自転車シールの58,380円の支払が分かり、690,098円となった。高層住宅管理業協会へ保証費の訂正した部分の書類を郵送した。


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